リンバーガーLimberger)は、ベルギーリンブルフ州リエージュ州を起源とするチーズで、その鼻を突くような悪臭で有名である。ランブールLimbourg)あるいはリンブルガーとも呼ばれる。アメリカ合衆国ドイツで生産されている。

リンバーガー
Limburger
Limburger Cheese
原料 牛乳
原産国 ベルギードイツオランダ
原産地 ベルギー・リンブルフ州
表皮 半軟質
低温殺菌 あり
熟成 2-3箇月
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リンバーガーやその他ウォッシュタイプのチーズを発酵させるために使われるバクテリアBrevibacterium linens(リネンス菌)であるが、このバクテリアは人間の皮膚表面に生息し、人間の体臭の原因の一つとなっている[1]。このバクテリアが使われる理由としては、リンバーガーを作ったリンブルフの修道士が、もともとは足で踏みつけることによって牛乳とカード(凝乳)を混ぜていたのが起源であろうと言われている。

現在、北米でリンバーガーを唯一生産するのは、ウィスコンシン州モンローのシャレーチーズ協同組合だけである。ウィスコンシン州ではチーズ製造者が免許なしでこのチーズを生産することは違法とされている。

『担へ銃』の一場面
ドイツ軍の塹壕に投げ込まれたリンバーガーが将校を直撃し、悪臭で兵士たちが混乱している

リンバーガーチーズとその特有のにおいは、さまざまなメディアで頻繁に笑いの種にされている。代表的なものではチャップリンの喜劇映画『担へ銃』における塹壕戦の描写で、主人公が故郷から届いたリンバーガーの臭いをかぐなりガスマスクを装面して、挙句に敵の塹壕へ投げ込んでパニックに陥らせるといったシーンがある。

2006年には、オランダの研究者が「マラリアを媒介する蚊であるガンビアハマダラカのメスは、リンバーガーと人間の足の臭いの両方に等しく惹きつけられる事を証明」した功績に対しイグノーベル賞を受賞している。

  • 原産国: ベルギー国リンブルフ州・リエージュ州
  • 原料: 牛乳(殺菌乳)
  • 形状: 直方体
  • 重量: 400~450g、最大1.2kg
  • 凝固: 非加熱、非加圧
  • 食味: なめらか、クリーミー、やや軟、軽い味
  • 発酵期間: 小型のものは2~3週間、最長3か月

関連項目 編集

  • チャールズ・リンドバーグ - 第二次大戦中にナチスとの関係が問題になったとき、名前をこのチーズに絡めて当てこすられたことがある。

参考文献 編集

  1. ^ McGee, Harold (2004). “Cheese”. On Food and Cooking (Revised Edition). Scribner. ISBN 0-684-80001-2