レヴァイアサン (雑誌)
『レヴァイアサン』は、かつて木鐸社が発行していた現代日本政治分析の学術雑誌。
レヴァイアサン | |
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学術分野 | 政治学 |
言語 | 日本語 |
詳細 | |
出版社 | 木鐸社 |
出版国 |
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出版歴 | 全63冊(1987年 - 2018年) |
出版間隔 | 年2冊のペース |
分類 | |
ISSN |
1343-8166 |
外部リンク | |
プロジェクト:出版/Portal:書物 |
概要
編集1987年秋に創刊。年2冊のペースで刊行された。名前の由来はトマス・ホッブズの著作『リヴァイアサン』である[1]。発刊されるや衆目を集め、『読売新聞』や『日本経済新聞』などに好意的に取り上げられた[2]。なお、創刊当時の編集人は猪口孝、村松岐夫、大嶽秀夫で、1年後に蒲島郁夫を加えた4人を中心に始められた[3]。福井治弘も編集に関わっていた[3]。
刊行目的は「現代日本政治は複雑な構造を持つ『海獣』であり、その全体的な構造を実証的に、そして本格的に解明していく」というものであり、従来の日本の政治研究に対しては「歴史や思想史あるいは外国研究の片手間で行われることによって、評論的、印象主義的になっている」として批判を加えた[注 1]。これは暗に政治学研究の中心であった東京大学法学部に対して向けられたものでもあったが、後には東京大学法学部の教員も論文を投稿し、編集委員にも加わっていることもあり、当初の「アンチ東大法学部」という性格は薄れた[5]。
加わった学者たちは「レヴァイアサン・グループ」と呼ばれるようになり[2]、政治学の科学化、実証分析の発展に寄与した。一方で、小林良彰からは「政治のあり方といった価値に向き合ってこなかった」といった批判がなされている[要出典]。
2018年秋、第63号をもって刊行を終了した。
内容
編集主題別に分類してみると、「現代日本政治の現状と動態の分析に関係するもの」が圧倒的に多く、他には「比較政治に関係するもの」、「日本の外交と国際関係を扱うもの」、「政治学理論に関係するもの」というふうになっており、それらの論文で使われている方法や手段は行動科学的で、数理モデルや計量分析、事例研究を用いるものが相対的に多数を占めている[7]。また、初期には現役の政治家、ジャーナリストなどによるエッセイも掲載されていた。
編集体制
編集顧問
編集編集委員(22号から)
編集編集委員(46号から)
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 酒井大輔 (2024), p. 130.
- ^ a b 酒井大輔 (2024), p. 131.
- ^ a b 田口富久治 (2001), p. 414.
- ^ 大嶽秀夫 (2005), p. [要ページ番号].
- ^ 猪口孝 et al. (2023), p. [要ページ番号].
- ^ 木鐸社『レヴァイアサン』のページ
- ^ 田口富久治 (2001), p. 415.
参考文献
編集- 酒井大輔『日本政治学史:丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで』中央公論新社〈中公新書〉、2024年12月。ISBN 9784121028372。
- 大嶽秀夫 著「『レヴァイアサン』世代による比較政治学」、日本比較政治学会 編『日本政治を比較する』早稲田大学出版部〈日本比較政治学会年報・第7号〉、2005年6月。ISBN 4657056182。
- 猪口孝、大嶽秀夫、蒲島郁夫、村松岐夫「座談会 回顧『レヴァイアサン』」『書斎の窓』第688号、有斐閣、2023年7月1日、16-32頁、2023年7月15日閲覧。
- 田口富久治「戦後日本政治学史断章(6・完)」『名古屋大學法政論集』第187号、名古屋大学大学院法学研究科、2001年3月、413-456頁、ISSN 0439-5905。
関連項目
編集外部リンク
編集- 創刊から30号までの論文題目が確認可能。