ワンダー・バー』(Wonder Bar) は、1934年のアメリカ合衆国プレコードの映画。ブロードウェイ・ミュージカル『ワンダー・バー』の映画化である。

ワンダー・バー
Wonder Bar
ワンダー・バー
監督 ロイド・ベーコン
バスビー・バークレー
脚本 舞台:
ゲザ・ハーゼック
カール・ファーカス
ロバート・カッチャー
映画:
アール・ボールドウィン
出演者 アル・ジョルソン
ケイ・フランシス
ドロレス・デル・リオ
リカルド・コルテス
ディック・パウエル
ガイ・キビー
音楽 ハリー・ウォレン (作曲)
アル・ダビン (作詞)
撮影 ソル・ポリト
編集 ジョージ・エイミー
製作会社 ファースト・ナショナル・ピクチャーズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開
  • 1934年3月31日 (1934-03-31)
上映時間 84分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $675,000 (est.)[1]
興行収入 $2,035,000[1]
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ルビー・キーラーとアル・ジョルソン

ロイド・ベーコンが監督、バスビー・バークレーがミュージカル・シーンの監督を務めた[2]

アル・ジョルソンケイ・フランシスドロレス・デル・リオ、リカルド・コルテス、ディック・パウエル、ガイ・キビー、ルース・ドネリー、ヒュー・ハーバート、ルイーズ・ファゼンダ、フィフィ・ドーセイ、マーナ・ケネディヘンリー・オニール、ロバート・バラット、ヘンリー・コルカー、スペンサー・チャーターズが出演した。当時この作品は際どいとされ、ヘイズ・コードにほぼ反していた[3]。題名はドイツ語で「wonderful」を意味する「wunderbar」をもじったものである。

概要 編集

パリのナイトクラブ「ワンダー・バー」での日常を描く。ロマンスと、死に至るシリアスな対立という2つのストーリーを中心に進む。時々織り込まれる豪華なミュージカル・シーンが作品を盛り上げる。

プラット(ヒュー・ハーバート)ともう1人のビジネスマン(ホバート・カバナー(クレジット無し))はしばしば泥酔する。マネージャーであるアル・ワンダー(アル・ジョルソン)の店内で行なわれるショーでのMCが冴えわたる。ドイツ陸軍士官フォン・フェリング(ロバート・バラット)をめぐって物語はシリアスになっていく。株で儲けようとしたフェリングは多くの投資で失敗し、自殺前に一夜限りの関係を求めてワンダー・バーに行く。アルはフェリングの計画を知る。

一方で複雑な恋愛模様が繰り広げられる。バーの売りはイネス(ドロレス・デル・リオ)率いるラテン・ダンス・グループである。アルは密かにイネスに恋しているが、イネスはハリー(リカルド・コルテス)に夢中である。しかしハリーは、著名なフランス人銀行家ルノー(ヘンリー・コルカー)の妻であるリアーヌ(ケイ・フランシス)と不倫している。イネスはハリーとリアーヌがアメリカに駆け落ちしようとしていることを知り、クライマックスを迎える。嫉妬に狂ったイネスはハリーを殺害する[4]

配役 編集

プレ・コード 編集

ジョルソンとハル・ルロイによるブラックフェイスミンストレル・ショーのフィナーレ「Goin' to Heaven on a Mule」は人種的ステレオタイプで描かれていた。

ダンスをしているカップルのもとにハンサムな男性が近づき、ダンスを求める。カップルの女性は自分が誘われたと思い同意するが、実は誘われたのはカップルの男性の方であった。それを見ていたアルは「男は男」と言う。このシーンはプロダクション・コードにより描写が禁止になるところであった。このシーンはドキュメンタリーセルロイド・クローゼット』の冒頭で取り扱われた。

制作 編集

バスビー・バークレーによる振付および監督のミュージカル・シーンは作品に広がりを持たせている。音楽はゲザ・ハーゼック、カール・ファーカス、ロバート・カッチャーによりオリジナルのブロードウェイ・ミュージカルのために作曲され、アール・ボールドウィンにより映画版のために編曲された。多くのミュージカル曲は、バンド・ディレクターが率いるビッグバンド、予告編によると「250名以上の世界一の美女」とされる豪華な衣装の多数のショーガールたちなど、1930年代の典型であった。

評価 編集

この年、ワーナー・ブラザース最大のヒット作となった。ワーナー・ブラザースの記録によると、アメリカ国内で$1,264,000、国外で$771,000を得た[1]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c Warner Bros financial information in The William Shaefer Ledger. See Appendix 1, Historical Journal of Film, Radio and Television, (1995) 15:sup1, 1-31 p 15 DOI: 10.1080/01439689508604551
  2. ^ Mordaunt Hall (1934年3月1日). “Al Jolson, Kay Francis and Dolores del Río in a Pictorial Version of the Play, "Wonder Bar."”. The New York Times. 2021年10月12日閲覧。
  3. ^ Movies - Movie Times - Movie Tickets - Movie Theaters - Moviefone”. Moviefone. 2017年9月22日閲覧。
  4. ^ Green, Stanley (1999) Hollywood Musicals Year by Year (2nd ed.), pub. Hal Leonard Corporation ISBN 0-634-00765-3 page 30

外部リンク 編集