数論幾何学(ヴェイユ・シャトレぐん、: Weil–Châtelet group)、またはWC群(WC-group)とは、 K 上定義されたアーベル多様体 A をはじめとする代数群に対して定義される群で、K 上定義された A についての主等質空間英語版がなすアーベル群のことである。楕円曲線に対してこれを導入した Châtelet (1946) と一般の場合にこれを導入した Weil (1955) にちなみ Tate (1958) が名付けた。無限降下法と関連するので、アーベル多様体の数論、特に楕円曲線の数論において基本的な役割をはたす。

これは K絶対ガロア群 ガロアコホモロジー として直接定義できる。代数体などの大域体局所体の場合が特に関心を持たれている。K有限体のときは、楕円曲線についてのヴェイユ・シャトレ群が自明になることが Schmidt (1931) で証明され、任意の連結代数群について自明になることが Lang (1956) で証明されている。

関連項目 編集

代数体 K 上定義されたアーベル多様体 Aテイト・シャファレヴィッチ群は、ヴェイユ・シャトレ群の元で K のすべての完備化で自明になるもの全体である。

エルンスト・セルマーにちなむ、A のアーベル多様体の同種   についてのセルマー群も関係する群である。これはガロアコホモロジーを使って

 

と定義できる。ここで Av[ f ]Avf ねじれで、  は局所クンマー写像

 

である。

参考文献 編集