丸岡桂

日本の歌人、能楽研究者、能楽書林創業者

丸岡 桂(まるおか かつら、1878年明治11年)10月7日 - 1919年大正8年)2月12日)は、歌人能楽研究者、能楽書林創業者。

概要 編集

土佐藩士で沖縄県・高知県の県知事を歴任した丸岡莞爾の子として、東京市麹町に生まれる。落合直文門下の歌人となり、曙会、莫告藻会(なのりそかい)を結成し『あけぼの』『なのりそ』を刊行した。また観世喜之とともに謡本改訂を行い、1907年観世流改訂本刊行会を創業(次男の丸岡大二が後を継ぎ、1936年丸岡出版社と改称、1949年能楽書林と改称)。1919年にスペインかぜで死去。長男は作家の丸岡明、国文学者の松下大三郎は義弟[1]

また、1902年から1903年にかけて松下大三郎とともに製作した二重反転式ローターヘリコプター「丸岡式人力ヘリコプター(昇空機)」は、飛行には至らなかったが日本初の重航空機・ヘリコプターとなった[2][3]

著書 編集

  • 『曙集』丸岡桂(月の桂のや) 姫百合社 1901
  • 『古今謡曲解題』観世流改訂本刊行会 1919

編纂 編集

  • 『国文大観』全10篇 松下大三郎共編 板倉屋書房 1903-1906
  • 『観世流改訂謡本』観世清之共訂 観世流改訂本刊行会 1908
  • 『謡曲全集』新訂 大町桂月共校 至誠堂 学生文庫 1912
  • 『解説参考謡本』訂 観世流改訂本刊行会 1913
  • 『観世流改訂謡本』訂 観世流改訂本刊行会 1918-21
  • 『観世流小謡全集 類題索引』訂 観世流改訂本刊行会 1920
  • 『観世流改訂謡本 初心者稽古用』訂 観世流改訂本刊行会 1921
  • 『観世流旅之友』訂 観世流改訂本刊行会 1922
  • 『観世流改訂謡本百二十番集』全11巻 訂正 観世流改訂本刊行会 1926
  • 『観世流謡曲全集』訂 観世流改訂本刊行会 1926
  • 『観世流改訂謡本解説』訂 観世流改訂謡本刊行会 1926
  • 『観世流独吟全集 附・仕舞謡全集』訂 観世流改訂本刊行会 1926

脚注 編集

  1. ^ 稲岡勝監修『出版文化人物事典 江戸から近現代・出版人1600人』日外アソシエーツ、2013年。ISBN 978-4-8169-2417-0 
  2. ^ 野沢正 『日本航空機総集 九州・日立・昭和・日飛・諸社篇』出版協同社、1980年、137・138頁。全国書誌番号:81001674
  3. ^ 老舗を訪ねて 能楽書林, 神田法人会, http://www.kanda-hojinkai.com/information/sinise/sinise26.html 

外部リンク 編集