京都中央信用金庫立てこもり事件

京都中央信用金庫立てこもり事件(きょうとちゅうおうしんようきんこ たてこもりじけん)とは、信用金庫と融資トラブルをめぐって発生した人質立て籠もり事件。

事件の概要 編集

2002年平成14年)12月26日午前10時ごろ、京都中央信用金庫の本店に拳銃2丁を所持した徳田衛一(当時60)が押し入り「理事長に会わせろ」と、信金の職員4名を人質にとり立てこもった。

人質は男性行員3名と女性行員1名だったが、午後4時40分ごろ(発生から約6時間半)に女性行員1名、午後10時半ごろ(発生から約12時間半)に男性行員1名が解放されたが、融資の担当であった債券管理部の部長と課長の2名は残された。

発生から14時間、翌未明の27日午前2時30分ごろ、警察官や自身が経営していた不動産会社の元従業員らの説得に応じるかたちで残る2名を解放し、自身も投降した。

徳田は、事件前に自身の犯行声明としてビデオテープ3本を京都府警検察あてに残している。そのビデオテープの中で徳田は、京都中央信金とのやりとりで融資を受ける条件として、前社長が残した負債を個人保証することなどを飲んだが実際に融資は受けられなかったこと、警察や検察に何度も相談したが取り合ってもらえなかったことなどを犯行理由として語り、京都府警本部長に本件への介入を要求していた。

事件後 編集

徳田は逮捕起訴され懲役9年の判決を受けた。現在は刑期を終えて出所しており、2014年ごろから個人ブログやTwitterなどで獄中生活や犯行の動機などについて発信している。獄中で、事件に関する『週刊新潮』の報道が事実と異なっているとして告発し、裁判に勝訴し慰謝料を得ている。

京都中央信用金庫は徳田以外ともトラブルを抱えており、複数の事業者から提訴されている。