体育座り(たいいくずわり)または体操座り(たいそうすわり、たいそうずわり)は、坐法(座法、座る姿勢)の一つ。を地や床などに着けて、両脚を立ててを揃え、両腕は両膝を抱え込む坐法を指す。また足をクロスさせることもある[1]

運動会の合間に体育座りをしている幼稚園児達。

概要編集

 
体育座り

「体育座り」が学校教育に取り入れられた歴史は、昭和40年に作成された『集団行動指導の手びき』がきっかけである。[要出典]

ここでは、集団行動様式の一つとして、「姿勢」の項目の中で、「腰をおろして休む姿勢」としてしめされている。

この坐法は日本語で一般に「体育座り」と呼ばれることが多く、次いで「体操座り」が多い。更に方言や局地的なレベルでは各地にさまざまな呼び方があり、この坐法のときに脚部がとる形に着目して、関西地方には「三角座り(さんかくすわり、さんかくずわり)」と呼ぶ地域もある。また、「お山座り」と称することもある。

体育座りはしゃがむ姿勢より前後方向の安定性が高く、下り斜面でも安定して座れる姿勢である。実際、すべり台を滑る姿勢の一つは、体育座りから腕を解いた姿である。左右のバランスは、膝や足を若干離すことによって安定する。

学校教育において、体育教育のみならず、全校朝会や集会、野外活動などの他の活動でも用いられる。しかし、学習指導要領には体育座りの記載は無い。だが、教育現場においては体育座りが掲載されている手引きや教材が存在するようである。

 
ジョルジュ・スーラアニエールの水浴』。画面左端に体育座りをする人物が描かれている。

なお、本項の坐法を「体育座りA」と習い、他に片膝立ちの「体育座りB」(半跏趺坐で膝を抱える坐位)というものを教わったと主張する人もおり、例えば日本人タレント松岡昌宏TOKIOのメンバー)がトークバラエティのテレビ番組『メントレ』において言及している。

歴史編集

起源について明確な記録は無いものの、児童生徒には長く起立させたままでは貧血を起こす者がいることから、学校の集会などで長時間起立を維持できない者に腰を下ろさせたことに体育座りは始まるとされる[2]

体育教育が取り入れられて以降の日本において、児童や生徒が集団行動を行う際にとる坐法の一つとして体育座りは定着し、「体育」の名を冠して呼ばれるようになった。教育現場から生じた坐法であるため、その教えを受けた卒業生が世に多くなるにつれて広く普及した。

作法など編集

「着席」とそれに類する「腰を下ろして休め」[1]や「腰を下ろしましょう」、「座って下さい」などの号令で体育座りの姿勢を作る。解除の号令は「起立」とそれに類する「立ちましょう」や「立って下さい」などである。

手遊びを防ぐ為に両手を膝の前で組ませるのが主流だが、起立の号令に素早く対応させるため、指を組ませずに片手で反対の手首を握るよう指導する教師もいる。体育座りは座りやすいが立ちにくい体勢であるため、立つ時は両手を腰の斜め後方に出して前傾しつつ、腕を突いて立ち上がる。足を交差すると前傾しやすくなる為、直前に足を交差するように指導する事もある。

日本全国規模で明確に統一された作法というものは無く、一般的なものよりも崩した姿勢が教師によっては正しいものとされる場合もあるが、そのような姿勢は多くの場合、「聞く態度」の問題を初めとして、マナーがなってないと注意をされることが多い。腕を解いて手遊びする行為や、後方に体を反らせる行為、脚を開いて下を向く行為などが、マナー違反として指導対象となる。

一方で、膝を抱えきれないほどの肥満体の児童や生徒もごく僅かながらいるため、その姿勢が保持できない場合は強制されない。また、体操服以外の服装着用時に、スカートを穿いた女子パンチラ防止の為に裾ごと太腿を抱えたり、それも難しいミニスカートを穿いた女子が正座や横座り(女座り)になったりすることも多いが、事情が事情だけに正しい姿勢を強制する教師は殆どいない。規律正しさや厳粛さの面で問題があるとされる為、来賓を迎える入学式卒業式などの厳粛な式典行事の場合には、児童や生徒の体育座りは避けられ、椅子に座れるように配慮する。

私服の場合に特段顕著であるが、砂や草などが着衣に付着するため屋外では一般に嫌われる坐法である。立ち上がった途端に、多くの生徒達が尻を叩いて埃(ほこり)を払う光景がよく見られる。一般に集団行動中は、少なくとも起立後の礼が終わるまでは我慢するように指導される。

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 愛知県教育委員会 『集団行動指導の手引』 平成20年3月発行 (6ページ) pdf Archived 2009年8月24日, at the Wayback Machine.
  2. ^ デジタル大辞泉 [1]

関連項目編集