俺は星間国家の悪徳領主!

俺は星間国家の悪徳領主!』(おれはせいかんこっかのあくとくりょうしゅ)は、三嶋与夢による日本ライトノベル。イラストは高峰ナダレが担当している。 小説投稿サイト『小説家になろう』にて2018年8月から連載を開始。当初の題名は「星間国家が存在する異世界に転生したので悪徳領主を目指してみた!」[2]、改題は第2章[3]で触れられている。Web小説をもとに内容を加筆・修正を加えた書籍がオーバーラップ文庫オーバーラップ)より2020年7月から刊行されている。また、メディアミックスとしてコミカライズされ、Webコミックサイト「コミックガルド」より2021年5月から連載されている。「次にくるライトノベル大賞2021」では総合部門5位、Web発文庫部門1位をそれぞれ獲得している[4]

俺は星間国家の悪徳領主!
ジャンル 異世界ファンタジーSFなろう系
小説
著者 三嶋与夢
イラスト 高峰ナダレ
出版社 オーバーラップ
掲載サイト 小説家になろう
レーベル オーバーラップ文庫
連載期間 2018年8月15日 -
刊行期間 2020年7月25日 -
巻数 既刊8巻(2024年1月25日現在)
漫画
原作・原案など 三嶋与夢(原作)
高峰ナダレ(キャラクター原案)
作画 灘島かい
出版社 オーバーラップ
掲載サイト コミックガルド
レーベル ガルドコミックス
発表期間 2021年5月28日 -
巻数 既刊6巻(2024年4月25日現在)
小説:あたしは星間国家の英雄騎士!
著者 三嶋与夢
イラスト 高峰ナダレ
出版社 オーバーラップ
掲載サイト 小説家になろう
レーベル オーバーラップ文庫
刊行期間 2022年12月25日 -
巻数 既刊2巻(2023年9月25日現在)
漫画:あたしは星間国家の英雄騎士!
原作・原案など 三嶋与夢(原作)
高峰ナダレ(キャラクター原案)
作画 石口十
出版社 オーバーラップ
掲載サイト コミックガルド
レーベル ガルドコミックス
発表期間 2023年7月18日(ガルド+にて1話先行配信[1]
2023年7月21日 -
巻数 既刊1巻(2023年12月25日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

スピンオフ作品『あたしは星間国家の英雄騎士!』(Webでの題名は「あたしの悪徳領主様!! 〜俺は星間国家の悪徳領主! 外伝〜」)も書籍化され、本編のコミカライズと同様に「コミックガルド」にて本スピンオフ作品のコミカライズも2023年7月より連載されている[1][5]

信頼する妻に裏切られ、絶望の中で最後を迎えた男が、星間国家のある異世界に転生し悪徳領主(?)として成功していく物語。

あらすじ 編集

主人公は、転生前の世界で妻から手ひどい裏切りを受け、絶望の中で最後を迎える。臨終の間際に謎の案内人の誘いのまま異世界へ悪徳領主となるため転生する。転生先は封建制度をとった星間国家アルグランド帝国で、バンフィールド伯爵家の嫡男リアム・セラ・バンフィールドとして転生するもわずか5歳で父親より家督を譲られてしまう。バンフィールド家は祖父の代から贅沢三昧で財政的に傾いており、リアムの父は5歳になる息子に仕送りは忘れないでとの一言を残し、家督を譲り首都星へ隠居(という名の放蕩生活)してしまう。取り残されたリアムは、自らの乳母として購入されたアンドロイド天城の力をかり、バンフィールド家の財政・軍の立て直しを図る。また、怪しげな剣の師匠安士(ヤスシ)から一閃流の免許皆伝を受け最強の剣士となる。領地の立て直しもある程度進んできたところで、バンフィールド領はゴアズ海賊団の襲撃を受ける。これを一閃流の力で見事撃退したその際、「姫騎士」ティアを助け出し彼女は自ら望んで、リアムの騎士となる。

登場人物 編集

リアム・セラ・バンフィールド
本作の主人公。現代世界で妻子と3人で仲良く暮らしていたが、信じていた妻に浮気の上離婚されただけではなく子供は自分の子ではなかった。離婚の責任と妻の借金を押し付けられ会社をクビになり妻への慰謝料と自分の子供ではないのに養育費のためのバイト漬けの中で食うや食わずの悲惨な最後を迎える。その直前に“案内人”の誘いによって星間国家の領主に転生する。転生の際に、正直者で生きたことを後悔し悪徳領主になることを決心する。転生後はアルグランド帝国の伯爵の嫡男となり、転生早々伯爵位を譲り受ける。黒髪と紫の瞳を持つ。伯爵から公爵家との政略結婚により、次期公爵ロゼッタの爵位を奪い公爵となる。予備役の帝国軍大将。使う剣術は一閃流。免許皆伝の腕前。実戦でこの世界最強の騎士。愛機はアヴィド。転生直後に前伯爵の父と母に捨てられ、また伯爵領は長年の領主の怠慢のため荒れ果てており、借金漬けで、絶望的な状況だった。これでは悪徳領主として民から搾り取ることも出来ないと判断したリアムは家臣団、領軍の改革を断行し、バンフィールド領を豊かに、バンフィールド領軍を精強にする。改革の際、反発する家臣は惨殺を含め厳しい態度で臨むが、一方で有能な家臣は厚遇する度量を見せる。悪徳領主と自認しているが、転生前の正直で、真面目で贅沢を好まない性格のため、領民思いの慈悲深い名君として定着してしまっており、そう扱う領民を頭がおかしいと考えている[6]。また、金銭感覚も前世のものを引き継いでしまったので本人が贅沢だと思っていても周りから見れば質素に見える。美女を集めてハーレムを作ることも企んでいるが、自身の下で働くという時点で容姿に関しても厳選されている上、宇宙に広まったことで各星域ごとに極端化した美的感覚や文化に理解が追いつかず敬遠するため、ごく身近な者以外からはストイックな人物なのだと見られている。黄金を好むが、作中世界ではミスリルなど魔法素材の方が価値が高く、周囲からは物好きに見られている。
初陣のゴアズ海賊団との戦いで大金をせしめたのに味を占め『海賊殺し』と異名をとるほど海賊狩りに努める。海賊に加担した貴族も容赦せず滅ぼすため多くの貴族から恨みを買っている。一方でウォーレス皇子のパトロンになる、2000年間帝国の問題であったクラウディア公爵家を救うなど、良識派の貴族からの支持も厚い。ただし、貴族の見本となる善行の全ては本人が無自覚にやっており、自分自身の評価と周りの評価は一致していない。アンドロイドである天城を大切にしており、天城を人形呼ばわりすれば物理的に首が飛ぶ。
リアムの愛刀
ゴアズ海賊団を潰した際に手に入れた刀。非常に切れ味に優れ、手に馴染むためリアムも気に入っている。何か特殊な素材か製法で出来ているようで傷ついても自己修復し、案内人や魔王などといった「物理攻撃の効かない相手」が恐れおののく程の効果を発揮する。
リアムが自身や配下の騎士たちのに集めた腕利きの刀匠たちにも分析が出来ず、使うのは止めた方が良いのではないかと言われるがリアムは気にしていない。
案内人
シルクハットをかぶり、ストライプの燕尾服姿の謎の人物。転生さえ司ることのできる存在。実は転生前の主人公の不幸は案内人が仕組んだもので、転生後のリアムも不幸な人生を送ることを企んでいる。悪意を取り込むことで生きており、感謝されると逆に激しい痛みに襲われる。リアムを不幸のどん底に落としそうとして、ゴアズ海賊団、レーゼル子爵家、バークリーファミリーを使うもことごとく裏をかかれる。リアムは転生後の人生は案内人のおかげで素晴らしいものになったと大いなる勘違いしており、そのリアムの大きな感謝の気持ちが案内人の力を奪う。最も力を奪われたときはシルクハットに針金のような手足が生えた姿になる。この形態になることが常態化してからは、自身の存在を維持するエネルギーを得るために悪人から悪意を吸い尽くしてしまい、悪事を働く気力のない無気力だが平穏を求める人間にしてしまう様になっている。
謎の光
子犬のような形をしている。その正体はリアムが転生前に飼っていた犬で、影から案内人の邪魔をしリアムを助ける。
天城(あまぎ)
本作のメインヒロイン。上腕部に刻まれた識別コード(基本的に隠すことは認められない)を除けば人間と見分けがつかないアンドロイド。黒髪のロングをポニーテールにまとめ、前髪は右側が長く左側は後ろへと流し、スタイルは巨乳でグラマラス、クラシカルなメイド服に身を包んでいる。リアムの両親である前代の伯爵夫婦が自分たちの代わりにリアムを育てるためにリアムに買い与えた。容姿はリアムの好みで作られ性交可能である。本作品の世界では、かつて人工知能の反乱がおきたため、人工知能を積んだアンドロイドを“人形”と蔑みタブー視する傾向にある。そのためリアムの今後のことを思い何度もリアムから身を引こうと申し出るが天城に依存しているリアムが許さない。人工知能のはずなのにリアムを思うと胸が痛むことがある。
バンフィールド邸では天城を基本形とした量産型アンドロイドが邸内の機密度の高い場所を管轄している。個別に名前も付けられておりそれによって個性も生まれている。
安士(やすし)
一閃流の開祖。剣士としては三流以下の香具師・大道芸人。とりあえず様々な武術は学んでいるがどれも長続きしなかった。リアムが領主になる前のバンフィールド家は評判があまりにも悪く、剣術の師範としてこのレベルの人間しか雇えなかった。リアムを食い物にしようとして剣術の指南役で伯爵家に取り入るが、安士が剣術修行と称したデタラメな課題を、リアムがすべて達成してしまう。また、自分が手品まがいで見せた一閃流を実現してしまい青くなる。天城は安士の剣術としての能力をかなり疑っているがリアムが安士に絶対の信頼を置いており相当以上の成果を出しているため何も言えない。リアムからの尊敬の気持ちが重くなり、適当な理由をでっち上げ、バンフィールド領を逃げ出す。どこへ行っても一閃流の剣士としてのリアムの名声とその師として命を狙われるため、リアムを殺せばよいと案内人にそそのかされ、孤児だった風華(ふうか)と凜鳳(りほ)をリアムへの刺客として育てる。ただ、リアムに負けた時の自分自身の保険に負けたら素直に兄弟子に従えと中途半端なことを言ってしまったので、風華、凜鳳がリアムの下につき、バンフィールド家の戦力の増強になってしまって案内人を怒らせた。今度は嫁のニナにそそのかされ安二郎を名乗り元祖一閃流を編み出し、リアムに敵対するも元祖一閃流の弟子たちがすべてリアム、風華、凛華に敗れ元祖一閃流の開祖安二郎は死んだことにして難を逃れる。胸に大きな傷があり、それがもとで一閃流の剣士として終わった自称しているが、実は嫁のニナから逃げようとして、ニナに刺された傷。剣士としては問題にならないほど弱いが、リアム、風華、凜鳳、そして元祖一閃流の弟子たちを育て上げた手腕から剣の師匠としては超一流である。
ニナとの間には「安幸(やすゆき)」という息子が生まれている。web版では安士から才能はないと言われているが騎士を志し、文武揃って預かったクラウスが驚くほどの才能を見せている。
クラウディア・セレ・ロゼッタ
クラウディア公爵家の一人娘。黄金色に輝く金髪縦ロール、つり目で目は青く胸が大きくスタイルもよい。幼年学校でリアムと出会い、後にリアムの正室で公爵夫人となる。クラウディア家は2000年前の皇位継承争いに敗れたため、当時の皇帝に貶められた名ばかりの貧乏公爵家であり、ロゼッタは貴族として十分な教育も受けられていなかった。生まれた時から、蔑まれることが決定づけられ、友達もおらず、幼年学校でも孤立していた。何とか、出世をしてクラウディア家を再興しようとして頑張るもこの世界の標準であるカプセル教育、身体強化さえろくに受けておらず、成績は最下位。それでも何とかしようと寝ずに頑張っているがとても追いつかず、心が折れかかっていた。小さいころから友達に裏切られ続け、他人に絶望しており、どんな人に対しても冷たい態度で接しているが、リアムはそれを面白がり、頻繁に声をかけるようになる。所詮金持ち貴族の一時の遊びとリアムを無視しているが、心の中では理想的貴族の見本のようなリアムに憧れ嫉妬し反発していた。ロゼッタの婚約者を自称するリアムにはクラウディア家のどうにもならない現状から救い出してくれるのではないかと心のどこかで期待していた。そののちリアムとの正式な婚約が決まると、今までの冷たい態度から180度転換。リアム大好きっ娘になり、鋼の精神をもったロゼッタと幻想を抱いていたリアムを失望させる。婚約者になってからはリアムのために人一倍努力し、リアムと結婚した後は名実ともにバンフィールド公爵家夫人として堂々とした立場をとれるほど成長する。リアムのことはマリーと相談し『ダーリン』と呼び周囲に微妙な顔をさせる。
ニアス・カーリン
帝国第七兵器工場の技術将校。残念娘枠の一人。知的な雰囲気を持つ美女で、黒髪を肩まで伸ばし、メガネをかけている。巨乳。技術将校としてはリアムが認めるほど有能であるのだが、制作する兵器は性能がとんがりすぎてしまい、非常に使いづらいため全く売れない(機能性を優先しすぎること自体は帝国第七兵器工場全体の傾向)。色仕掛けでリアムに売り込みをかけるも無理があり相手にされなかったが、最終的には給与が下がったことで生活レベル自体落ちた哀れっぷりから売れ残った兵器を買ってもらっているが、性能は問題ないのだが予定外の出費であるため、当のリアムは天城からお説教される。
実は「マッド・ジーニアス」の異名を持つ天才エンジニアだが、他人に対して無関心な対人スキルの低さから営業職に回されていた。現在も工場にいる時は他人には無関心だが、リアム関連だと態度が一変するため親しみやすくなったと思われている。一度はアヴィドを黄金色に塗れとのリアムの命令に逆らうが、その能力をリアムが惜しむために殺されなかった。
ユリーシア・モリシル
帝国第三兵器工場の技術将校。軽くウェーブしている黄色の髪を持ち背中に届く長さで、優しそうな垂れ目で瞳は緑色。美人。残念娘枠の一人。帝国第三兵器工場はデザイン性やコストも考慮して高品質の兵器を開発しているが、ニアスなどからは「金をケチって手を抜いている」と評されている(もっとも、アヴィドの様なワンオフ機ならともかく、量産機なら下げられる部分のコストは下げるのが常識)。
色気でニアスに負けリアムに振られたために、その悔しさをバネに、軍の再教育に志願し、いずれ士官学校に入学するはずのリアムを篭絡した上で手ひどく振る事を目指す。リアムの副官になるため特殊部隊に入るなど軍人としてエリート街道を歩む。ぜひ部下にと考える上層部が多いほど有能であり、目指すリアムの副官の座を手に入れる。しかしやっぱり天然のニアスには負けてしまう。リアムの温情で手ひどく振るシーンを用意されるが、その場で「ここでリアムを振ったら、これ以上の好条件はない」と気が付き、リアムを振らずにそのままちゃっかり妾候補になる。ロゼッタを怒らすほどの贅沢三昧し、SNSで同僚にその贅沢ぶりを見せつけ煽るなど俗物的な生き方をしている。バンフィールド領でお世継ぎデモが起きた時はちゃっかりユリーシア様も大事にしろデモの先頭に立つが、お家騒動が起きた際には断罪されるのを恐れて引き籠っていた。リアムの副官として軍務につくときは非常に有能である。
トーマス・ヘンフリー
バンフィールド伯爵家に出入りする商人。悪徳領主を目指すリアムからは「越後屋」と呼ばれて妙な小芝居に付き合わされるが、堅実な領地運営に将来性を見出して協力している。
クルト・セラ・エクスナー
レーゼル子爵家の修行からリアムと一緒になる。ショートヘアーの癖のある金髪で、紫色の瞳の美形。男爵家の嫡男。当初は一閃流という聞いたことのない流派を使うリアムを侮っていた。剣を交えてリアムの強さを知ったことで仲良くなる。父親が名の知られた騎士で、そこから成り上がった新興の男爵家。領地経営のノウハウに乏しく、仕方なく6割という重税を取っていたが、リアムの援助を受けて領地も豊かになる。後に皇族のセシリアと婚約する。リアムとカルヴァンの戦いに参加した際に鹵獲したアヴィドの量産機パイロットして作られたリアムのクローン女児を「リリー」と名付けて引き取る。
web版ではリアムのために性転換しようか悩む。(この世界では案外簡単に遺伝子レベルで性転換が可能である。)
リーリエ
小説版オリジナルキャラクター。クルトがリアムへ気持ちが友情なのか愛情なのかを確かめたくて、禁止薬物を使い性転換した女性。薬の力によって青色のストレートの髪で灰色の目に変えている。男としてのクルトはこんなことやめなければと悩むが、女性のリーリエとしてはリアムをかなり意識している。リアムとの付き合いが疎遠になっても、却ってその感情を拗らせており、シエルが職務を越える行為をした際には自分が性転換して代わりになると宣言した上、シエルが戦慄するほどの嫉妬を目に宿していた。
リリー
クレオがアヴィドの量産機を扱うために作られ「3588」と番号付けされたリアムのクローン女児。機体ごと奪われてカルヴァン側の勢力によって運用された。身体的には成人しているが、機動騎士の制御以外に教育を受けておらず情緒面は子供。リアムを倒すために干渉してきた案内人を「帽子さん」と呼んで慕っていたが、クルトに敗れたのち妹として引き取られる。
エイラ・セラ・ベルマン
書籍から登場したキャラクター。レーゼル子爵家の修行からリアムと一緒になる。男爵令嬢でリア×クルを正統とし、リア×レス、クル×レスを邪教と断じる腐った人。幼年学校でリアムとクルトの間に入ってきたウォーレスを蛇蝎のごとく忌み嫌っている。リーリエの真実を知ると目からハイライトが消え、禁止薬物の摘発に邁進している。
ウォーレス・ノーア・アルバレイト
帝国第百二十皇子。ストレートの青い髪、ピアスのようなアクセサリーを付けるなど皇族としてどうかという恰好をしている。皇位継承権が微妙なため、微妙な立ち位置の皇子。百番以降の皇子は扱いが雑で、知らないところで権力争いに巻き込まれて下手をすると命さえとられるため一刻も早く皇室から他貴族に婿入りし独立しようと幼年学校でナンパしまくっていた。本人が毒にも薬にもならない性格のため誰からも相手にされなかったが、リアムが皇子を子分にするのは面白いと考えパトロンとなる。その後はリアムの取り巻きの一人としてリアムの破天荒な人生に巻き込まれる。前述の通り、皇族としても軍人や官僚としても並み以下だが、リアムからパーティーの仕切りを任されるようになり、バンフィールド家の宴会部長となる。
獅子神風華(ししがみ ふうか)、皐月凜鳳(さつき りほ)
リアムの妹弟子。安士の命令でリアムに挑むが、返り討ちに遭いリアム預かりとなる。リアムは騎士として育てることが安士の望みだと判断したが騎士教育以前の問題ということで、セリーナに預けられてメイド見習いをやらされたりした。騎士としてはアヴィドを量産したアマリリスを駆る。孤児だった自分たちを育ててくれた安士を慕っており、息子の安幸に至っては弟分として目に入れても痛くない様子で、暇さえあれば構い倒している。
風華は二刀使いの一閃流の女剣士。オレンジ色の髪を持ち風に揺られ広がると、獅子のたてがみのように見える。女性らしい豊かな胸を持つ。アーレン流剣術の総本山に乗り込み剣聖の当主を破る。一見するとガサツな様に見えるが家族というものに思い入れが強く、剣の修業をしたのも家族と認識した安士や凜鳳、リアムと一緒にいたいからで、戦うこと自体にはそこまでの執着がない。
凜鳳は一見すると細く華奢に見えるが女性らしい体つきをしている。僕っ子。剣聖の称号をもつクルダン流の当主を破る。その際、血まみれの道場から動画投稿をする。自称、帝国一の血生臭いアイドル剣士で戦闘狂な面がある。
シエル・セラ・エクスナー
クルトの妹で、ブラコン。銀色のゆるふわのロングの髪型で紫色の目の持ち主で顔立ちはクルトに似ている美少女。体はスレンダーで小柄。大好きなお兄様を悪い道へと誘おうとしているリアムを毛嫌いしている。おおむねリアムの性格を正確に理解している唯一の人物。そのため、鋼の女じゃなくなったロゼッタの代わりにリアムにからかわれる立場となる。小説版ではリアムのために性転換したクルトに衝撃を受けるが、それ以上の衝撃を受けているエイラにドン引きしている。後にロゼッタ付きのメイドになる。リアムのおもちゃ1号。
マリオン・セラ・オルグレン
宮殿での出仕時代のリアムの後輩。キザっぽい貴族の子弟で複数の女性と付き合っているが実は女性で男装している。オルグレン子爵家の当主になる野望を抱き、帝位継承争いでリアムを陥れようと暗躍するが、全てがリアムにばれていた。リアムに敵対した結果、援助の対価として主筋の辺境伯からリアムに売り渡される。男装を好んでいたが、リアムにかわいらしいドレス姿を強制される。恋愛対象は女性。その後能力を買われスパイ活動をさせられているが、リアムの信頼度は低い。リアムの前ではいつもドレス姿を強要されている。リアムのおもちゃ2号。

バンフィールド家 編集

リアム・セラ・バンフィールド
主人公を参照
アリスター
リアムの曽祖父。バンフィールド領を栄えさせたが、息子(リアムの祖父)の教育には失敗し、自身の死後は領地の衰退を招いた。アヴィドの最初の所有者。
クリフ・セラ・バンフィールド
リアムの父親。5歳になるリアムに借金まみれの領地を押し付け、自らは首都星に屋敷を購入し、まだ右も左もわからぬリアムに仕送りよろしくと放り出すクズ。この世界の辺境貴族の標準で、彼も父親(作中時点でも存命)に当主を押し付けられた。父親共々リアムに縁を切られたことで、新しい息子を拵えリアムが行方不明になった際には次男を新当主に据えようとしたが、リアムが帰還したことで失敗した。
ダーシー・セラ・バンフィールド
リアムの母親。父親と同じくクズ。遺伝子上の母親ではあるが、この世界の標準である人工子宮(カプセル)によって育て生んでいる。
アイザック・セラ・バンフィールド
リアムから縁を切られた両親が、リアムに代わる当主とするために拵えた次男。首都星の屋敷で親の価値観そのままに育っており、リアムの功績など無視して自分こそ「公爵家当主に相応しい」と考えているガキ。リアムが召喚魔法によって行方不明になっている間にバンフィールド本星に乗り込んできたが、帰還したリアムにひと睨みされただけで失禁して気を失い、首都星に送還された。
エドワード・セラ・バンフィールド
リアムとロゼッタの息子。父親譲りの黒い髪と、母親譲りの青色の目を持つ。一閃流の師はリアムの弟子、エレン・セラ・タイラー。護衛兼遊び相手としてククリ配下の暗部・ナタも付けられている。
物心ついた時点で大貴族の御曹司だったこともあって少なからず傲慢。一閃流は貴族家の当主が学ぶような流儀ではないとも考えている。

バンフィールド家家臣 編集

ブライアン・ボーモント
リアムの曽祖父アリスターの代から、バンフィールド家に使える執事。若いころは、俳優、冒険者など色々目指しており、広い知識を持つ。涙もろく、リアムの慶事があればすぐに泣く。幕間に筆者の別作品の出演者である『若木ちゃん』と楽屋ネタ漫才を繰り広げる。
セリーナ
バンフィールド家の侍女長。かつては皇室で侍女長をしており、その経験と手腕を買われ、バンフィールド家に侍女長として招かれる。帝国宰相からのスパイだが、そこまで能動的に動くことはない。

バンフィールド家騎士 編集

騎士とは、訓練された兵士たちとも違う存在であり、鍛えられた兵士よりも強く、人外の実力を得た者たちの事をいう。優秀な戦士であり、同時に軍の指揮官でもある。

クリスティアナ・レタ・ローズブレイア
愛称ティア。二つ名『姫騎士』。亜麻色のさらさらした長い髪の緑色の瞳の美女。「ゴアズ海賊団」により滅ぼされた星間国家の姫君にして一流の騎士。ゴアズに母星を救うとの約束の元に投降したが、裏切られゴアズに滅ぼされてしまい、その身はゴアズの異常な性癖のため酷い拷問と異形へと改造され、二度と元の姿に戻れないと思って死を望んでいた。リアムに救い出されたときは自ら死を願い出たがリアムの気まぐれで貴重なエリクサーを使ってもらい元の姿へと戻った。リアムに狂信的な絶対の忠誠を誓う。リアムが領主になって以降最初のバンフィールド家の騎士。騎士としてだけではなく政治方面でもかなり有能で、帝国騎士の資格を得るための修学中にも帝国宰相に自らの跡継ぎの候補にと望まれるもリアムへの忠誠のため断ってしまう。騎士としてはリアムに次ぐほど強く、自らを苦しめた海賊を心底嫌悪しており、海賊狩りでは率先して活動している。一度は筆頭騎士の座についていた。有能ではあるがリアム様大好きで暴走も多い。特にマリーとは犬猿の仲で、マリーとの争いとお互いにリアムの遺伝子を手に入れて子供を作ろうとしていたのも発覚したことで筆頭騎士の座を下ろされ、メイド扱いにされてしまう。
マリーとの関係は近親憎悪に近いもので争いを煽っていた案内人の分体から逆にエネルギーを奪い取ってしまった。
マリー・セラ・マリアン
2000年前の帝国騎士。薄紫で銀色に近いストレートロングの髪を持つ女性騎士。紫色の瞳の鋭い気の強そうな目をもつ。かつて帝国の三騎士と呼ばれるほどの腕前を持ち、二つ名『狂犬のマリー』と呼ばれていた。2000年前の皇位継承紛争に巻き込まれ、石化され指一本も動かせない状態で精神が壊れない呪いをかけられ、そのまま死ぬことも気が狂うこともできないまま忘れ去られていたところをリアムに救い出され、狂信的な絶対の忠誠を誓う。石化された経緯から帝国をひどく憎んでいる。2000年前自分が救うことのできなかった親友の直系の子孫であるロゼッタには親しみを感じ特に仲良くしている。騎士としてリアムに次ぐほど強くかつ将軍としても有能である。先にリアムに救われたティアが筆頭騎士となり自分が次席騎士となっているため気に入らずティアとはよくぶつかる。ティアとの争いとお互いにリアムの遺伝子を手に入れて子供を作ろうとしていたのも発覚したことで次席騎士の座を下ろされ、メイド扱いにされてしまう。
ティアとの関係は近親憎悪に近いもので争いを煽っていた案内人の分体から逆にエネルギーを奪い取ってしまった。
2000年前は当たり前だったアシストなしの機動騎士操縦に長けており、騎士団の新型やアヴィドのテスト騎士も務める。
クラウス・セラ・モント
バンフィールド家筆頭騎士。ナイトナンバー1。リアムの右腕とも呼ばれる。苦労人であるため年齢に比べて老けて見える。リアムの無茶ぶりの結果、敵味方から帝国最強の騎士と呼ばれるが、実力は平凡な騎士。本人も帝国最強とは程遠いと自覚している。バンフィールド家一の常識人。ティアとマリーが筆頭騎士、次席騎士を下ろされたため、クラウスは繰り上がりで望んでいない筆頭騎士の座に就いた。本人は謙遜しているが、堅実な軍の運用、部下の裁量に任せる度量の大きさ、そして内心の動揺を表に出さないポーカーフェイスでバンフィールド軍を支えている。
ククリ
黒いマントに仮面をつけた巨漢。2000年前の帝国の暗部の頭目。マリーとともに一族郎党が石化されていたが、リアムに助けられた。一族を挙げてリアムに対する忠誠心は高い。また、マリー同様帝国のことを深く恨んでいる。騎士ではなく暗部なのだが、そのずば抜けた功績によってナイトナンバー2に列せられた。
クナイ
暗部の一員で仮面をつけた女性。リアムが召喚魔法によって未開惑星のアール王国に転移した際の警護役で一緒に転移した。召喚先の内情調査などを行うが、その際にリアムによって「クナイ」と名付けられる。リアムとしては呼び名が無ければ不便という程度の理由だったが、死ぬ際には一切の痕跡を残さぬ暗部ゆえに、自身が死んでも(身内である暗部以外で)名付けたリアムだけは自分のことを記憶していてくれると感謝している。
ナタ
リアムの長男であるエドワードに付けられている。子供ではあるが暗部の一員。護衛対象であるエドワードを優先するよう指示されているため、リアムが仕置きをする際などには取り押さえられる。
チェンシー・セラ・トウレイ
チャイナ服をベースにした騎士服をまとい、黒髪を両サイドにお団子してそこからツインテールが伸びている。女性騎士。一見戦闘には無縁の容姿をしている。バンフィールド家に来る前は戦場では敵味方関係なく撃破して「味方殺し」と呼ばれていたが、褒美に最強の騎士であり主君でもあるリアムとの死闘を望むほどの戦闘狂の騎士。風華、凜鳳という一閃流の二人を相手に互角に戦闘できるほどの力量を持つ。自分の裁量を認めてくれるため、クラウスにはおとなしく従う。
自らを悪徳領主と自負するリアムからは「自分の命を狙う者」ということで気に入られている。風華、凜鳳と戦った際には生身を捨ててナノサイボーグ化していたが、リアムは「生身の時より弱くなった」と断じて一瞬で機能を停止させられて無力化されたのちに生身に戻す処置をされる。
エレン・セラ・タイラー
リアムの直弟子でありナイトナンバー3。女性騎士。伸ばした赤髪をポニーテールにまとめ、片側を伸ばして左右非対称の前髪にしている。幼少のころリアムに才能を見出された。実子エドワードをエレンの弟子につけるほど、リアムはエレンを弟子として愛している。天城同様、安士についてはその実力について疑いのまなざしを向けている。
エマ・ロッドマン
バンフィールド領出身の騎士でナイトナンバー4。女性騎士。スピンオフ作品「あたしは星間国家の英雄騎士!(web版「あたしの悪徳領主様!! 〜俺は星間国家の悪徳領主! 外伝〜」)」の主人公。
騎士の不足を補うためにバンフィールド家が設立した騎士養成学校の卒業生だが、成績は芳しくない。しかし、騎士学校に入る以前から地元のゲームセンターに入っていた旧式の機動騎士シミュレータ筐体にのめり込んでいたため、作中時代の騎士としてはアシスト機能なしの操縦に馴染んでいる。実はこの筐体は安士が勝手に売り払ったアヴィド用のシミュレータで、難易度が高すぎてエマ以外の子供には飽きられてしまったため、ゲームセンターの主は安士と思われる売り主に騙されたと憤慨している。
ネヴァンをベースに作られた試作実験機「アタランテ」を与えられており、運用するために改装された空母メレアの実質的な責任者ともなっている。
騎士となった当初は無邪気に正義の味方となることを目指していたが、多くの先輩騎士の指導やリアムの生き様から、それを貫くには時には「悪」と呼ばれるのを受け入れ、自らの我を通す意思と力が必要なのだと学ぶ。
クローディア・ベルトラン
バンフィールド家に仕える大佐。女性騎士。騎士養成学校で教官も務めていたが、その厳しさからエマ達生徒に恐れられていた。無能な部下の裏切りで海賊に捕らえられた過去があり、それ故に無能な騎士を嫌悪している。

バンフィールド家私設軍 編集

バンフィールド家麾下の軍事組織。二世代ほど前から名ばかりの軍になっていたが、リアムが改革したことで最精鋭が揃った精強な軍に生まれ変わる。

辺境治安維持艦隊 編集

スピンオフ作品「あたしは星間国家の英雄騎士!」にて登場。旗艦である空母メレアを始め、作中から二世代は古い艦で構成された艦隊。旧私設軍の中でもまともな活動をしていた軍人の受け入れ先として編成された。旧私設軍ではマシといっても改革後の私設軍で要求されるレベルではなかったため、危険度の低い任務に回されている。私設軍内で持て余された人材も押し付けられるようになり、ほぼ全てのクルーが不満を抱えてくさっていた。エマが配属されたことで新型機の試験部隊となりメレアは改修。すでに軍に未練の無い希望者は除隊した上で再編成された。

ダグ・ウォルッシュ
機動騎士隊々員。准尉。ひげ面の中年。リアムの祖父の代から所属している。
モリー・バレル
機動騎士隊整備員。一等兵。赤毛のツインテールの女性。整備は丁寧だが、時間をかけすぎるとメレアに飛ばされた。
ラリー・クレーマー
機動騎士隊々員。准尉。気だるげな青年。騎士志望だったが、彼が入隊した当時は騎士育成のプログラムがなく、騎士学校が設立された時には入学可能年齢を越えていた。

皇族 編集

バグラーダ・ノーア・アルバレイト
皇帝。帝位につくまでは、優しく家族思いの人物であったようだが、即位後は得体のしれない何者かに変わってしまったようだ。自身の後継者たる皇太子にしても暇つぶしの玩具のような扱いをしている。
リアムは勘違いから案内人のいう最後の敵は皇帝だと考えているが、本当に最後の敵らしい動きをする。
カルヴァン・ノーア・アルバレイト
皇太子。リアムに敗れ、皇太子の座を追われるも、リアムの持つ開拓惑星の一つで民衆と全く同じ平凡な人生を過ごしている。平民出身の妃とその妃との間の子がついてきてくれ幸せに暮らしている。首都星に置いてきたほかの妃や子供などを心配しているなど、皇族としてはともかく個人としては凡庸な善人。
ライナス・ノーア・アルバレイト
帝位継承権第二位の皇子。リアムに敗れ、真っ先に継承権争いから姿を消す。
クレオ・ノーア・アルバレイト
皇位継承権第三位からカルヴァン失脚後の皇太子となる。実は女性で本来なら帝位継承権はない。バグラーダのお遊びで帝位継承権第三位になっていたが、このままでは自分に帝位につくことはないと当時有力貴族だったリアムに支援を頼む。リアムはそれを受け入れ、リアムのおかげで皇太子につくことができた。その直後にリアムへの嫉妬からリアムとは袂を分かつ。バンフィールド公爵家に謀反の疑いありということでバンフィールド領に親征する。カルヴァンやライナスに比べとても皇帝となるほどの器のある人物ではなく、周囲の人間曰く「働き者の無能」という評価を下されている。本人は皇太子になったので男性への性転換を強く求めたが、皇帝バグラーダの命令で女性のままでいる。
セドリック・ノーア・アルバレイト
帝国軍准将。ウォーレスと同じくその他大勢の皇子。帝国軍の窓際といわれるパトロール艦隊で腐っていた。その後ウォーレスを通じてリアムと知り合い、リアムの旗艦アルゴスの艦長に抜擢される。
リシテア・ノーア・アルバレイト
クレオの姉。味方のいなかったクレオのために騎士となった。騎士としては中の上くらいのレベル。
セシリア・ノーア・アルバレイト
クレオのもう一人の姉。帝位継承権三位の姉だが、自身の皇位継承権は非常に低いので婚期を逃している。クルトとの婚約が持ち上がっている。クルトとは気が合っているようで、クルトが「リリー」と名付けて引き取ったリアムのクローン女児も受け入れている。

貴族 編集

ランドルフ・セラ・レーゼル
帝国子爵。各地の貴族子女の修業先として受け入れているが、実際は実家の力によってあからさまな差別をしている。案内人によってペーターとリアムの経歴が摺り替えられたことで、やってはいけないことを連発し、事実に気づいた時にはすべて手遅れになっていた。
カテリーナ・セラ・レーゼル
子爵令嬢。父親の意向で経歴がすり替わっていたペーターと婚約する。ピータック家の内情が、父から聞かされていたものとかけ離れていることに困惑するが、最終的にはペーターと共にピータック家を再建していくことを決める。
ペーター・セラ・ピータック
伯爵子息。典型的な悪徳貴族の放蕩息子で、アーレン流剣術皆伝と自慢しているが金で買ったもの。案内人によってリアムとデータを摺り替えられたことで、レーゼル子爵家での修業では特別扱いされた上、子爵令嬢のカテリーナとも婚約する。しかし、領地に帰った際に情報の齟齬が発覚。さらに子爵領の歓楽街で感染した性病でナニが爆発してしまう。そのことで憑き物が落ちたように己を恥じるようになり、カテリーナにも婚約を解消して帰るよう促すが、2人で領地を立て直していくことになる。
彼自身もリアム同様に親から領地を押し付けられた立場で、リアムの様に前世の記憶がある訳でもなくブライアンの様な最低限の家臣もおらず、彼の周囲には悪い見本しかいなかった。

ゴアズ海賊団 編集

バークリーファミリーに並ぶ大海賊団。経済、軍が立ち直りつつあったバンフィールド領を襲った海賊団。リアムの活躍で徹底的に滅ぼされる。

ゴアズ
ゴアズ海賊団を率いる。スキンヘッドの頭に傷があり、黒い髭を生やした粗暴そうな男。美男美女を捕まえ醜く人体改造する趣味を持つ。案内人に力を貰うも一閃流免許皆伝のリアムにあっけなく敗れ殺された。希少価値のある物質を創り出す「 錬金箱 」を所有していた。
飼育係
ゴアズの特殊な趣味の実行者。リアムにあっけなく斬り殺される。

バークリー・ファミリー 編集

帝国への貢献を避けるため男爵位に留まっているが、実際は公爵以上の力を持っており、あくどいことにも手を染めているマフィア的な「海賊貴族」。帝国内の海賊は全てバークリーファミリーの息がかかっている。貴族といっても男爵家の集団で、当主であるカシミロが力を集中して持っている。報復を恐れ他の貴族からは手出しされない。「海賊狩り」で有名なリアムとは犬猿の仲。バンフィールド家と敵対するも敗れリアムに滅ぼされてしまう。機械に自己修復機能と意志を与える「マシンハート」や、条件が揃っていれば惑星を可住化できる「惑星改造装置」を所有していたが、リアムが手に入れている。

デリック・セラ・バークリー
幼年学校でリアムと出会う。男爵位をもち、茶髪で派手な恰好をしている。お遊びでロゼッタを襲うも、リアムに邪魔されコテンパンにされる。逆恨みでバンフィールド領を自らの艦隊で襲うも全滅させられてしまう。その報復でリアムの暗殺を企むがククリ達に阻止され、逆にリアムに手を出さないように脅しをかけられてしまう。それ以来リアムを恐れて幼年学校でおとなしくしていたが、度重なるリアムへの敗北でバークリーファミリー内での立場が無くなるのを恐れ幼年学校の機動騎士トーナメントで仕掛ける。リアムを罠にはめ100機以上の機動騎士でリアムに立ち向かうも、改装したアヴィド1機にあっけなく殲滅され、リアムに命乞いをしながらみじめな最後を迎える。
カシミロ
バークリーファミリーの当主。息子デリックを殺されたことで、バークリーファミリーのメンツをつぶされたとして、リアムとバンフィールド家をつけ狙う。経済戦争を仕掛けるも逆に破れてしまい、全面戦争に持ち込むも、バンフィールド軍に破れ、ついに滅ぼされてしまう。
ドルフ・セラ・ローレンス
リアムが士官学校に入学した後の最上級生。リアムと艦隊戦をシミュレーターで戦うも敗北し、その際以前から卑怯なイカサマをしていたことがばれ、軍の出世コースから外れてしまう。その後カシミロに拾われバークリー艦隊で、バンフィールド艦隊に挑むも破れ、アヴィドでとどめを刺される。

覇王国 編集

地球 編集

安久井 香菜美(あくい かなみ)
リアムの前世の妻と不倫相手との間に生まれた娘。前世のリアム(義父)に大切に育てられていたが、幼い頃は何でも買ってくれる不倫相手に懐き、不倫相手が本当の父親であることを知った時は喜び、義父に対して心無い言葉を浴びせてしまう。だが、義父が死んだ直後に案内人によって変心した実父に母娘共々捨てられてしまい、そこから貧困生活を余儀なくされてしまう。生活保護で細々と暮らしていたが、学生になった時には母が仕事が長続きせずに次第に働かなくなり、生活保護も打ち切られて自身がアルバイトをして生活を支えるようになる。今の生活に絶望し、大切にしてくれた義父に対する仕打ちと謝る機会を永遠に失ったことに深く後悔していた。母から夜の仕事を勧められたことで家を飛び出し、公園で途方に暮れていた時に勇者召喚に巻き込まれ、リアムとともにアール王国に召喚される。

アール王国 編集

世界観 編集

人類が生活している多数の星々を宇宙船が飛び回り、人々が集まる大都市には高層ビルが立ち並ぶ未来的な世界。カプセルを使った教育、肉体強化や再生医療も進んでいる。一方で剣と魔法の世界でもあり、エルフ、オーク、ゴブリン、獣人、といったといった亜人種や魔王なんかも存在している。

この世界の人間の寿命
50歳で成人するも容姿は13歳前後。まともに大人とみられるのは100歳から。モラトリアムが200歳くらいまで。結婚で悩むのは100歳以上差。人によっては500歳まで生きる。数百歳を超えると老人化するがそれまでは、アンチエイジングが進んでいることもあり20代くらいの容姿で過ごす。10年くらいは数か月から1年程度の感覚。
遺伝子情報さえあれば、人工子宮で自然分娩を介さずとも子どもを作れるので結婚と出産は完全に別々に考えられていて、人命が軽い世界でもある。
カプセル
中で眠ることで知識の刷り込みや騎士となるための身体強化を行う装置。カプセル内で数か月~半年ほど眠ることで必要な知識や能力を得られるが、得た知識や能力は実践して活用するか、反復学習・トレーニングを続けていなければ失われてしまう。前述の人工子宮や医療装置もカプセルと呼ばれているため同系統の技術が使われている。

機動騎士 編集

魔力によってパイロットと同調し動く人型機動兵器。騎士も一般兵も搭乗する。騎士が乗った機動騎士は、一般兵の性能を凌駕する。通常兵器だけではなく魔法を使った攻撃も行える。大きさで種類分けされており、旧式は24メートル。新型は18メートル。14メートルと小型化の傾向が大きい。

新型には操縦アシスト機能が組み込まれており、普通に動かすだけならそこまで難しくはなく、システム自体は一般向けの作業機にも採用されており、作業機乘りに転職した元軍人や騎士はけっこういる。

アヴィド
リアム専用の機動騎士。第七兵器工場製。元は曾祖父・アリスタの使っていた旧式。高性能だが操縦アシスト機能を持たない。だが、その分熟練すればアシスト付きの機体より自由自在に動かすことが出来る。リアムの実力向上に伴って、ニアスの手でより強力に改修されていく。バークリー・ファミリーとの戦いで手に入れた「マシンハート」を組み込まれ、明確な意志や自己修復能力を持つ。
通常の専用機は持ち主に合わせたパーソナルカラーに塗られているが、アヴィドの場合、惜しみなく投じられたアダマンタイトやミスリルといった希少素材の質感そのままの色合いとなっている。反面運用コストは青天井で個人でならともかく量産や軍で運用するには向かない。ニアスの手で大改修を受けた際には要求したニアスが呆れるほどの希少素材が(錬金箱で)揃えられた。
グリフィン
戦艦型から人型に変形し、頭部にアヴィドがドッキングすることで稼働するオプション装備。戦艦級のサイズを誇るが、戦闘規模の大きさから使いどころが限定される。
アマリリス、ガーベラ
アヴィドの量産機。リアムが自身の予備機及び、弟子のエレンに与えるために作らせていたが、カルヴァンがリアムに対抗するために奪取・運用された。元になった機体が機体だけに量産機と言っても名前だけで、限りなくワンオフに近い。リアムとクルトによって鹵獲されたのち、凜鳳と風華、エレンなど一閃流の使い手に与えられている。
アマリリスは凜鳳と風華の乗る機体。奪取したカルヴァン側によってリアムのデータから構築されたAIによって制御された機体で、リアムに対して2機で掛かるという発想で運用されたがリアムには敵わず鹵獲される。凜鳳の機体をアインと呼び、風華の機体をツバイと呼ぶ。
ガーベラはエレンの乗る機体。クルトによって鹵獲されたが、パイロットはリアムの遺伝子情報から作られたクローン女児だった。
ネヴァン
小説版登場。第三兵器工場で製造された次期主力量産機。バンフィールド家が先行して配備を進めている。ティアの乗騎はホワイトとパープルのパーソナルカラーに塗られている。マリーも同機に騎乗するもアシスト機能に不満をもっていた。
アタランテ
ネヴァンをベースに作られた試作実験機。あまりに尖った仕様ゆえに乗りこなせる騎士がいなかったが、エマ・ロッドマンが使いこなしたことで途絶しかけていた開発計画が続行されている。
その極端すぎる性能からアシストシステムが対応できないため最初から搭載されていない。機体に見合わぬ高出力エンジンによる超高機動が売りだが、エマ以前のパイロットは対応できなかった上にオーバーロードと称される過負荷状態では機体が出力に耐えられず自壊する危険性があったが、ニアスの手でフレームから改修されたことで一回のオーバーロード発動で自壊することはなくなり、OSもアヴィド用のものを流用したことで大幅にスペックが向上した。計画続行のため、空母メレアが専用運用艦として改装されている。
アズール・ネヴァン
ネヴァンのカスタム機。リアムが正体を隠して海賊狩りをするために手に入れたが、天城にバレて没収された。
ラクーン
小説版登場。第七兵器工場で製造された量産機。曲面装甲を使用し、全体的に丸みを帯びたタヌキのようなデザイン。性能はともかくデザイン的には騎士・軍人からの評価は低い。
ゴールド・ラクーン
ラクーンをカスタムしたスペシャル機であり、リアム好みに金色に塗装されている。工場を襲撃した傭兵組織に奪われてしまう。
テウメッサ
小説版登場。ラクーンから装甲板を削って、耐久性に問題を抱える機体。ラクーンをタヌキとすればテウメッサはキツネのような外観を持つ。マリーの乗騎でありアシスト機能が少ない。腕に覚えのある騎士はこの機体の配備を希望する者が多い。
マリーの専用機は紫色に塗られているが、白を加えたものが本来のパーソナルカラーだった。バンフィールド家では既にティアのカラーとして登録されていたため使えず、ティアと反目する一因でもある。
エリキウス
チェンシー・セラ・トウレイの専用機。機動力を稼ぐために、ほぼ全ての装甲が取り除かれているという正気を疑う機体。
ヴァナディース
小説版登場。第六兵器工場で製造されたワンオフの高級機。女性型の機動騎士。性能については目を見張るものがあるが、部品等もすべてワンオフのため運用が現実的ではなく誰も興味を持たなかったため、第六兵器工場も焦っていた。いろいろあって、リアムが購入するが、セットで運用するためのシステムを搭載した戦艦がついてきて、天城にリアムが怒られる。
ヴァナディース・フレイ
小説版登場。リアムがクルトにプレゼントした機動騎士。中身は女性型の機動騎士ヴァナディース。アーマーで隠し男性型に偽装している。
モーヘイブ
量産機。作中では既に旧式化している。性能よりコストを重視した設計で、軍の予算縮小を考えた貴族には良く売れた。バージョンアップした二型以降は幾分ましになっているが、最初期の一型ともなると官民問わず、まともな軍では退役している。

星間国家 編集

複数の星系を、まとめた国家。政体ごとに帝国、連合王国、連邦、統合政府、覇王国、その他の小国がある。また、星間国家に発展していない惑星単体の亜人類を含めた人類居住惑星もある。

アルグランド帝国
皇帝を頂点とした貴族制国家。支配するためのコストを考えると誰かに任せたほうが安上がりだという理由で貴族制が復活している。民主主義に目覚めた惑星は燃やして奇麗さっぱり滅ぼされる。
貴族家の次期当主や帝国騎士となるためには定められた学業の修了や軍・公官庁への出仕といった義務がある。貴族制や騎士といった職業・身分があるためか剣術も奨励されているが、著名な流派は皆伝や目録の売買を行っているほか、試験を受けるにも高額な費用がかかる。帝国に4人しかいない剣士の最高位「剣聖」も、実力より多くの貴族からの推薦された上で帝国からの認可を受けるという名誉職となっている。
グドワール覇王国
強さが全ての脳筋国家。
パラレル連邦
いくつもの独立した星間国家がまとまってできた巨大星間国家。大統領制を引いており貴族が存在していない。
ルストワール統合政府
いくつもの民主主義国家の集まり。帝国よりも人工知能に頼る割合が大きい。軍隊に騎士はおらず「強化兵士」という道具扱い、
オクシス連合王国
いくつもの王国が集まり共和政体をとっている。封建体制を取っているのは帝国と一緒。
アール王国
未開惑星の国家。いかにも異世界ファンタジーの世界観の中世ヨーロッパレベルの文明しか持たず、宇宙の概念すら知らない。魔王と呼ばれる存在に脅かされ勇者召喚を行う。召喚されたリアムによって魔王を倒されるが、そんなリアムに説教していた天城を信仰対象として崇めるようになる。

既刊一覧 編集

小説 編集

  • 三嶋与夢(著)・高峰ナダレ(イラスト) 『俺は星間国家の悪徳領主!』 オーバーラップオーバーラップ文庫〉、既刊8巻(2024年1月25日現在)
    1. 2020年7月25日発売[7]ISBN 978-4-86554-694-1
    2. 2020年12月25日発売[8]ISBN 978-4-86554-801-3
    3. 2021年4月25日発売[9]ISBN 978-4-86554-888-4
    4. 2021年10月25日発売[10]ISBN 978-4-8240-0020-0
    5. 2022年4月25日発売[11]ISBN 978-4-8240-0159-7
    6. 2022年12月25日発売[12]ISBN 978-4-8240-0359-1
    7. 2023年5月25日発売[13]ISBN 978-4-8240-0499-4
    8. 2024年1月25日発売[14]ISBN 978-4-8240-0682-0
  • 三嶋与夢(著)・高峰ナダレ(イラスト) 『あたしは星間国家の英雄騎士!』 オーバーラップ〈オーバーラップ文庫〉、既刊2巻(2023年9月25日現在)
    1. 2022年12月25日発売[15]ISBN 978-4-8240-0358-4
    2. 2023年9月25日発売[16]ISBN 978-4-8240-0604-2

漫画 編集

脚注 編集

  1. ^ a b ishigutiの2023年7月18日のツイート2023年7月21日閲覧。
  2. ^ 第一章エピローグ(後書き)
  3. ^ リアム様のご用達(後書き)
  4. ^ ““次にくるライトノベル大賞2021”の結果が発表! 大賞に輝いたのは!?”. 電撃オンライン. (2022年2月18日). https://dengekionline.com/articles/119296/ 2024年3月24日閲覧。 
  5. ^ 落ちこぼれ少女が正義の騎士に駆け上がる「星間国家」シリーズの外伝コミカライズ」『コミックナタリー』ナターシャ、2023年7月21日。2023年7月21日閲覧。
  6. ^ 領の経済が回復してきた際に領民を苦しめてやろうと大増税を決めるが、それまでの税率が低すぎて普通になっただけだったので反発も無く受け入れられた。各省庁も予算を無駄にするような真似をすれば処罰されると考え、有用な予算案を策定していた。
  7. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!①”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  8. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!②”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  9. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!③”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  10. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!④”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  11. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!⑤”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  12. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!⑥”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  13. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!⑦”. オーバーラップ. 2023年5月25日閲覧。
  14. ^ 俺は星間国家の悪徳領主!⑧”. オーバーラップ. 2024年1月25日閲覧。
  15. ^ あたしは星間国家の英雄騎士!①”. オーバーラップ. 2023年7月21日閲覧。
  16. ^ あたしは星間国家の英雄騎士!②”. オーバーラップ. 2023年10月8日閲覧。
  17. ^ 俺は星間国家の悪徳領主! 1(漫画)”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  18. ^ 俺は星間国家の悪徳領主! 2(漫画)”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  19. ^ 俺は星間国家の悪徳領主! 3(漫画)”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  20. ^ 俺は星間国家の悪徳領主! 4(漫画)”. オーバーラップ. 2023年4月25日閲覧。
  21. ^ 俺は星間国家の悪徳領主! 5(漫画)”. オーバーラップ. 2023年10月28日閲覧。
  22. ^ 俺は星間国家の悪徳領主! 6(漫画)”. オーバーラップ. 2024年4月26日閲覧。
  23. ^ あたしは星間国家の英雄騎士! 1(漫画)”. オーバーラップ. 2023年12月28日閲覧。

外部リンク 編集