全部事務組合
日本の地方公共団体の一種(廃止)
全部事務組合(ぜんぶじむくみあい)は、かつて地方自治法上の制度として認められていた地方公共団体の組合の一種である特別地方公共団体。町村のみが組織できた。
概説
編集かつては地方自治法第284条の規定に基づく地方公共団体の組合の一種で、町村の議会及び執行機関の事務の全部を共同処理することができた。全部事務組合の成立とともに、組合内の町村の議会及び執行機関は消滅し、組合管理者と組合議会議員は住民が直接選挙するものとされた。
実質的には、通常の市町村合併と同様の役割を果たすものと言える(ただし、合併と異なり、組合議会の決議により組合を解散し、元の町・村に戻すことができる)[1]。したがって、それまでの町村の名称・地域的まとまりに対する住民のこだわりが強い場合に、それらを保存しながら実質的に一つの自治体になる方法として利用されることが想定された。
制度の廃止
編集しかし、「全部事務組合」という名称では、市町村とほぼ同様の制度であるというイメージを想起しにくく、一般的に知られていないためか、1959年(昭和34年)10月1日以降、存在していなかった[2]。2011年(平成23年)8月1日、地方自治法の一部を改正する法律(平成23年5月2日法律第35号)[3]の施行により、全部事務組合に関する規定は地方自治法から削除され、全部事務組合の制度は廃止された。