内田百閒文学賞(うちだひゃっけんぶんがくしょう)は、岡山県と公益財団法人岡山郷土文化財団が主催する文学賞[1]

内田百閒文学賞
(うちだひゃっけんぶんがくしょう)
受賞対象岡山にゆかりのある文学作品
日本の旗 日本
主催岡山県
公益財団法人岡山郷土文化財団
初回1990年
最新回2020年
最新受賞者江口ちかる「たまゆら湾」

概要 編集

岡山市生まれの作家、内田百閒の生誕100年を記念して、1990年平成2年)に創設された[2][3]。岡山の文化の振興を図るとともに、岡山の良さを多くの人に知ってもらうために創設された[4]。岡山が舞台となる作品や、岡山県出身の人物自然文化風土などを題材とした随筆短編小説が、応募資格を問わず公募され、審査によって優秀作品が決定される[4]。優秀作品については賞金が授与され、株式会社作品社から出版される[4]。隔年で開催されている[5]。岡山県の財政難により2008年度に休止されたが、長編小説部門をなくすなどして規模を縮小し再開された[6]

受賞作一覧 編集

受賞作 著者
第1回 【長編部門】
受賞 「丘の雑草たち」 森下陽
【短編部門】
最優秀賞 「黄色いコスモス」 草川八重子
優秀賞 「木山捷平さんと備中」 栗谷川虹
佳作 「楷の木のように」 島崎聖子
佳作 「備中高松城水攻異聞」 脇本幸子
第2回 最優秀賞 「赤い勲章」 磨家信一
佳作 「村の器」 畠山憲司
佳作 「ハンカチ落とし」 江川さい子
第3回 【長編部門】
優秀賞 「教師」 黒薮次男
優秀賞 「木馬に宛てた7通の手紙 - 国吉康雄外伝」 秋元秋日子
【随筆部門】
最優秀賞 「鬼若」 四方木四五六
佳作 「残り火」 帰来冨士子
佳作 「白石精子さん」 松原澄子
第4回 【長編部門】
優秀賞 「備中の二人」 栗谷川虹
優秀賞 「菫花抄・解説編」 岡本昌枝
【随筆部門】
最優秀賞 「山椒魚の故郷」 長谷部文孝
優秀賞 「平成の錬金術士たらむ」 陶次郎
優秀賞 「天狗の面」 高橋治
第5回 【長編部門】
最優秀賞 「残照龍ノ口」 黛信彦
【随筆部門】
最優秀賞 「おばあちゃんの愛犬」 藤原師仁
優秀賞 「花吹雪」 川口澄子
優秀賞 「猫男 - 西東三鬼随想」 長沼都
第6回 【長編部門】
最優秀賞 「墳墓」 黒薮次男
【随筆部門】
最優秀賞 「牛追い」 吉谷省三
優秀賞 「岡山ばら寿司はいかが?」 山成せつこ
優秀賞 「メロンとお好み焼き」 備仲臣道
第7回 【長編部門】
最優秀賞 「茅原の瓜 - 小説 関藤藤陰伝・青年時代」 栗谷川虹
【随筆部門】
最優秀賞 「トントコ飯」 片山ひとみ
優秀賞 「ユーモアの正体 - 内田百閒の場合」 風越みなと
優秀賞 「柴錬さん」 日置卓也
第8回 【長編部門】
最優秀賞 「まだ、いま回復期なのに」 早瀬馨
【随筆部門】
最優秀賞 「わたしの「クラシッキ」」 山野優花
優秀賞 「またたちかえる城の下」 田中迪夫
優秀賞 「塩ふく大地」 高津寿美恵
第9回 【長編部門】
最優秀賞 「おおづちメモリアル」 榊原隆介
【随筆部門】
最優秀賞 「ひらけ、胡麻」 山本森平
優秀賞 「しゃもじの家族」 山之内朗子
優秀賞 「番台さん」 久保よしの
優秀賞 「青色草紙」 井関古都路
第10回 最優秀賞 「猿尾の記憶」 浅沼郁男
優秀賞 「くるり用水のかめんた」 小薗ミサオ
優秀賞 「物原を踏みて」 吉野栄
優秀賞 「震える水」 畔地里美
第11回 最優秀賞 「平野の鳥」 岩朝清美
優秀賞 「セピア色のインク」 木下訓成
優秀賞 「伯備線の女 - 断腸亭異聞」 三ツ木茂
第12回 最優秀賞 「漱石の忘れもん」[7] 三ツ木茂
優秀賞 「夕凪から」 里海瓢一
優秀賞 「硬い水」 畔地里美
優秀賞 「字隠し」 小田由紀子
第13回 最優秀賞 「プラット」[8] 畔地里美
優秀賞 「桃の寺」 伊藤大輔
優秀賞 「夏眠線」 小浦裕子
優秀賞 「大正受験事情」 馬場友紀
第14回 最優秀賞 「月痕」[9] 小浦裕子
優秀賞 「手裏剣公方」 中野ふ菜
優秀賞 「海と影」 江口ちかる
優秀賞 「妙薬」 馬場友紀
第15回 最優秀賞 「たまゆら湾」[10] 江口ちかる
優秀賞 「岡山駅から」 松本利江
優秀賞 「糸」 馬場友紀
第16回 最優秀賞 「アニマの肖像」 ゆきかわゆう
優秀賞 「児島の夢」 鷲見京子
優秀賞 「ももちゃん」 須田地央

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 岡山県郷土文化財団|内田百閒文学賞
  2. ^ 第十二回岡山県「内田百閒文学賞」の最終審査結果発表! | 岡山県
  3. ^ 内田百けん文学賞に短編小説4編 最優秀は岡山の三ツ木さん: 山陽新聞デジタル|さんデジ
  4. ^ a b c 内田百閒文学賞 | 独立行政法人 日本芸術文化振興会
  5. ^ 内田文学賞に三ツ木さん 岡山県郷土文化財団 - 産経ニュース
  6. ^ 最優秀賞に岩朝さん(京都) 内田百けん文学賞 - 山陽新聞ニュース
  7. ^ 「漱石の忘れもん」本紙朝刊連載 9月2日から 百けん文学賞最優秀: 山陽新聞デジタル|さんデジ
  8. ^ 最優秀は高梁出身の畔地さん 内田百けん文学賞発表 : 山陽新聞デジタル|さんデジ
  9. ^ 小浦さんら受賞者たたえる 岡山で内田百閒文学賞表彰式:山陽新聞デジタル|さんデジ”. 山陽新聞デジタル|さんデジ. 2021年2月11日閲覧。
  10. ^ 内田百閒文学賞 江口さん最優秀 優秀賞は松本さん、馬場さん:山陽新聞デジタル|さんデジ”. 山陽新聞デジタル|さんデジ. 2021年2月11日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集