函館市交通局8000形電車

函館市交通局8000形電車(はこだてしこうつうきょく8000かたでんしゃ)は、1990年に登場した函館市交通局(現在の函館市企業局交通部。函館市電)の路面電車車両である。函館市電の主力車両である。

函館市交通局8000形電車
Hakodate city car 8003 in Hukabori-tyo.jpg
8003号(改修済)(2020年1月)
基本情報
製造所 アルナ工機→アルナ車両
主要諸元
軌間 1,372 mm
電気方式 直流600V架空電車線方式
最高運転速度 40 km/h
車両定員 80人(うち座席28)
車両重量 14.6t
全長 12,240 mm
全幅 2,340 mm
全高 3,100 mm
台車 住友金属工業FS77A
主電動機 50kW×2
駆動方式 吊り掛け駆動方式
制御装置 抵抗制御
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概要編集

1990年(平成2年)3月に800形の車体を更新して登場した。1997年までに8両が導入された。2002年からは8100形への更新となったが、一時計画されていた8100形の増備[1]がされなかったことにより、2012年より再度2両が導入された。

車体編集

これまでの更新車では引戸であった降車扉が折戸になったほか、ステップを3段として乗降性を改善した。落ち葉や積雪による滑走防止のため、初めて砂撒き装置が取り付けられた。前面は大きな1枚窓で、側面は全車上段下降・下段上昇式の2段窓となっている[1]

8001 - 8003はプロトタイプ的な存在で、[要出典]8001には当初側面の行先表示器が設置されていない[2]など、8004 - 8008とは側面の行先表示器の有無やその形状が異なる[1]。また、警笛の種類や行先表示の内容など随所で仕様が異なる。(現在この行先表示器は大規模改修が実施された車両と2012年に更新された8009・8010を除きカバーを付けられ使用されていない)[要出典]

15年ぶりの更新となった8009・8010は、前尾灯が角型から丸型となり、前面と側面の行先表示器が方向幕からLED式に変更された[3]

 
車体改修前の8001号車。側面の行先表示器が設置されていなかった。
 
8010号車。ヘッドライト・行先表示器などに差異が見られる。

製造編集

全車アルナ工機(現アルナ車両、8009から)で800形の車体更新により製造された。

  • 8001 - 1990年3月、旧803。
  • 8002 - 1990年12月、旧808。
  • 8003 - 1992年2月、旧804。
  • 8004 - 1993年1月、旧801。
  • 8005 - 1994年3月、旧802。
  • 8006 - 1995年3月、旧805。
  • 8007 - 1997年3月、旧806。
  • 8008 - 1997年3月、旧809。
  • 8009 - 2012年3月、旧810。
  • 8010 - 2012年12月、旧811。

なお「函館市交通事業経営計画(第2次)」において、2016年度までに車体更新車を3両導入する内容が盛り込まれていた[4]が、2両しか実施されなかった[5]。よって、種車となっている800形は2020年(令和2年)現在も1両が運行を続けている。なお2016年(平成28年)時点で交通部は、函館市電に残るレトロな車両を各形式1両ずつ、可能な限り残していきたいとしている[6]

大規模改修編集

1990年代に導入した8両は床下部分の痛みなどが目立ってきたことから、大規模な車体改修工事を行うこととなった[2]

各車両の改修時期は以下の通り。

改修工事の主な内容は以下の通り。

  • 行先表示器のLED化[2]
  • ヘッドライトのLED化[2]
  • 握り棒の増設[12]
  • 床下腐食部分の補修[2]
  • 配管や配線の更新[12]

前面行先表示器は、系統表示部分がカラーで表示できるタイプが採用された。また、行先の多言語表示や、電車発車時に駆け込み乗車をしないよう注意喚起する表示が行われるようになった[12][7]。側面行先表示器のLED化(8001は新規設置)も行われた[2]

塗装編集

標準塗装編集

2004年(平成16年)時点で8000形は全ての車両が広告塗装となっており、標準塗装車は1両もなかった[1]2012年(平成24年)に8009号が導入された際は、前面のみ標準塗装・側面は白一色の姿で導入された[3]2020年(令和2年)現在もすべての車両が広告塗装であるが、車体側面のみ広告が施される部分ラッピング広告車両の前面は、白地に緑色の標準塗装となっている[13]

広告塗装編集

函館市電の車両の多くには、企業などの全面広告が施されている。なお、2019年(令和元年)10月から当形式は全面ラッピング広告の対象車両からは外れ、部分ラッピング広告の対象車両となっている[14]。以下に、各車に施されている広告主を示す[15]

その他編集

2013年(平成25年)1月11日から営業運転を開始した8010は、同年2月10日までの期間、鉄道むすめの「松風かれん全国巡り仕様ラッピング」として運行し、人気を集めた[16]

事故編集

脚注編集

  1. ^ a b c d 服部重敬 (2004). “都市交通新世紀 11 函館市交通局”. 鉄道ファン 44 (44): p. 135. 
  2. ^ a b c d e f g 市電8001号車、車体改良へJR五稜郭車両所に搬出”. 函館新聞電子版 (2016年9月7日). 2016年9月19日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年2月9日閲覧。
  3. ^ a b “【函館市】8009号営業運転開始”. RMニュース. (2012年5月7日). オリジナルの2016年9月15日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20160915003411/https://rail.hobidas.com/rmn/archives/2012/05/8009.html 2020年6月12日閲覧。 
  4. ^ 函館市交通事業経営計画(第2次) (PDF)”. 函館市. p. 17. 2012年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  5. ^ 函館市LRT整備計画(案) (PDF)”. 函館市. p. 4. 2020年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  6. ^ 平成28年度第3回 函館市企業局経営懇話会 会議録”. 函館市. p. 5. 2020年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  7. ^ a b 安全報告書 平成29年度版 (PDF)”. 函館市. p. 8. 2020年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  8. ^ a b 市電8003号車改修終え入庫、今年度の車体改良が完了 / 函館新聞電子版” (日本語). 函館新聞電子版. 2019年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月13日閲覧。
  9. ^ a b “7001号車試運転開始 函館市電13年ぶり新形式”. (2020年2月14日). オリジナルの2020年3月10日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20200310120716/https://digital.hakoshin.jp/news/politics/59222 2020年6月12日閲覧。 
  10. ^ 函館市電、1990年代製車両の計画的改良進む” (日本語). 函館新聞電子版. 2020年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月6日閲覧。
  11. ^ 函館市電、1990年代製車両の計画的改良進む” (日本語). 函館新聞電子版. 2020年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月6日閲覧。
  12. ^ a b c 安全報告書 平成28年度版 (PDF)”. 函館市. p. 7. 2020年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  13. ^ カラー電車広告説明資料 (PDF)”. 函館市. p. 3. 2020年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  14. ^ カラー電車広告説明資料 (PDF)”. 函館市. pp. 2-3. 2020年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  15. ^ 車両のご紹介(函館市電) | 函館市”. www.city.hakodate.hokkaido.jp. 2019年1月20日閲覧。
  16. ^ 函館市電新車輌8010号が「松風かれん全国巡りラッピング」で登場”. TOMYTEC. 2015年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  17. ^ 函館新聞 1999年1月3日、4日
  18. ^ 北海道新聞 1999年1月3日
  19. ^ 十字街電停付近で防護壁にドア衝突 函館新聞 2002年9月10日