制度通

江戸時代の歴史書

制度通』(せいどつう)は、江戸時代中期の日本における歴史書で、古代中国の制度の沿革および、対応した日本の制度の関係を各項別に記述した書物である。

撰者は伊藤東涯1670年 - 1736年)、全13巻。

成立 編集

成立は享保9年(1724年)であるが、子の伊藤善韶(東所)校訂本として、寛政9年(1797年)に公刊された。

なお、天理大学附属天理図書館には、古義堂旧蔵の『制度通刪』が蔵されている(『古義堂文庫目録』「上巻 東涯書誌略」)。この書を併せ検証することで、本書の編纂経過が明らかとなる。

内容 編集

東涯は、各種の制度全般にわたり、中国の上代よりに至る制度の変遷を跡付け、それに対して、律令制国家時代の日本の制度の沿革を記し、更によりに至る中国の制度の沿革について述べている。

構成 編集

  • 巻1 「天文・暦法」
    • 元年改元の事
    • 正朔三統の事
    • 日星躔度の事
    • 暦法の事
  • 巻2 「地理・都邑」
    • 州県郡国の事
    • 郡県大小等差の事
    • 内朝・外朝並びに朝会の事
    • 宮殿名称の事
    • 都邑坊城並びに皇城・宮城門号の事
  • 巻3 「官僚制度」
    • 三公・三師・三少の事
    • 唐三省・本朝太政官の事
    • 六官・九寺・六部・八省の事
    • 後宮官の事
    • 東宮官属の事
  • 巻4 「官僚制度」
    • 官秩位階正従の事
    • 兼行守試の事
    • 功臣号並びに賜の事
    • 官職四等四分の事
    • 詔勅制誥並びに位記等の事
    • 冊授・勅授等の事
  • 巻5 「官僚制度」
    • 服章の事
    • 印章の事
    • 俸禄の事
    • 符牌勘合の事
    • 僧尼度牒の事
  • 巻6 「選挙」
    • 進士及第・状元・三場の事
    • 考課の事
  • 巻7 「廟制」
    • 任子蔭補の事
    • 廟制並びに間架の事
    • 九族・五宗・五服並びに本朝五等親の事
    • 廟号・陵号並びに臣下諡号の事
  • 巻8 「財政・経済」
    • 古今戸口多寡の事
    • 墾田並びに税糧総数の事
    • 田賦並びに井田・租庸調・両税の事
  • 巻9 「財政・経済」
    • 田法歩畝頃並びに本朝町段の事
    • 行程里数の事
    • 成丁の事
    • 復除並びに蠲符の事
    • 旌表の事
    • 常平倉・社倉並びに本朝屯倉・公廨田の事
  • 巻10 「財政・経済」
    • 銭貨の事
    • 尺度の事
    • 斗斛の
    • 権衡の事
    • 端匹屯絇の事
    • 姓氏の事
    • 名字の事
  • 巻11 「文教」
    • 釈奠の事
    • 楽の事
    • 経籍の事
    • 学校の事
  • 巻12 「律令・兵制」
    • 律令格式の事
    • 兵制並びに本朝軍団の事
  • 巻13 「刑法」
    • 五刑の事
    • 十悪並びに本朝八虐の事
    • 八議並びに本朝六議の事
    • 議請減贖・官当・除免の事
    • 大赦・常赦・曲赦の事
    • 私度・越度・冒度の事
    • 保辜限の事
    • 才技長上の事
    • 土功並びに長功・中功・短功の事

刊行書籍 編集