国鉄テラ1形貨車
国鉄テラ1形貨車(こくてつテラ1がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した鉄製有蓋車である。
国鉄テラ1形貨車 | |
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貨物鉄道博物館に保存されているテラ1形、テラ146 | |
基本情報 | |
車種 | 鉄製有蓋車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 日本国有鉄道 |
製造所 | 協三工業、鉄道車輛工業 |
製造年 | 1963年(昭和38年) - 1966年(昭和41年) |
製造数 | 180両 |
消滅 | 1986年(昭和61年) |
常備駅 | 陸中松川駅、栃木駅、他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,920 mm |
全幅 | 2,806 mm |
全高 | 3,662 mm |
荷重 | 17 t |
実容積 | 42.5 m3 |
自重 | 8.6 t |
換算両数 積車 | 2.0 |
換算両数 空車 | 0.8 |
走り装置 | 二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 4,000 mm |
最高速度 | 75 km/h |
概要
編集本形式は、国鉄が1963年(昭和38年)から1966年(昭和41年)にかけて、協三工業および鉄道車輛工業において180両(テラ1 - テラ180)を製造した、国鉄初の17トン積み二軸鉄製有蓋車である。国鉄所有の鉄製有蓋車は、本形式が最後である。15トン積みであった前級テム300形を基本に、新しい拡大車両限界を採用して車体を大型化したものの、台枠等の軽量化を行って自重は同形式比0.6トン軽くなった。
車体は、漏水を防ぎ、積荷の化学反応による発熱に対応するため、床板・側板・屋根まですべて鋼板製である。積荷のばら積みに配慮して内側を平滑にするため、内張りはなく、側柱を外側に配して側板に平鋼板を使用している。また、荷役用扉として車体中央部に幅1,700mmの片引の鋼製戸を配し、横に2条の補強用リブがある。側引戸は、粉塵によるつまりを防ぐため、吊戸であった。屋根カーブは単一曲線とされており、側板との接続部には折れ線がついているのが特徴である。
荷室の寸法は、長さ7,120mm、幅2,485mm、高さ2,400mm、床面積は17.4m2、容積は42.5m3である。全長は7,920mm、全幅は2,805.6mm、全高は3,662.1mm、軸距は4,000mm、自重は8.6tである。
本形式の軸ばね支持装置は二段リンク式で、最高運転速度は75km/h、車軸は12t長軸である。ワム60000形やワラ1形と同じく、ばね吊り受けを横梁に設置した近代構造としている。
本形式は、生石灰の輸送用として、盛岡鉄道管理局(陸中松川駅)や高崎鉄道管理局(栃木駅)、名古屋鉄道管理局(美濃赤坂駅)などに専属配置されて使用されていたが、貨物輸送システムの転換に伴って廃車が進み、1986年(昭和61年)に形式消滅した。
保存
編集参考文献
編集- 日本国有鉄道「100年の国鉄車両 2」1974年、交友社刊
- 「国鉄貨車形式図集 I」1992年、鉄道史資料保存会刊 ISBN 4-88540-076-7
- 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車-技術発達史-」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊