女医博士(にょいはかせ)は、律令制下における女医を養成する医博士で、男性が任命された。

概要 編集

続日本紀』、養老6年(722年

十一月甲戌、始めて女医の博士を置く。[1]

とあり、養老5年11月1日勅で設置が指示され[2]、この時に実員を置いている。律令の規定によると、女医は女性であって、毎月医博士が、年度末に内薬司が試験して、7年以内に修了させることになっていたが[3]、女医の養成専任の医博士は置かれてはいなかった。

類聚三代格』の寛平8年10月5日に内薬司を典薬寮に併合したときの太政官符によると、中務省内薬司に定員1名、相当位は医博士と同じく正七位下である[4][5]

脚注 編集

  1. ^ 『続日本紀』巻第九 元正天皇 養老6年11月7日
  2. ^ 『弘仁格抄』・狩野本『類聚三代格』
  3. ^ 『医疾令』第16条「女医条」
  4. ^ 『類聚三代格』巻4「加減諸司官員并廃置事〈雑任〉」20条寛平八年十月五日官符
  5. ^ 『職原抄』

参考文献 編集

  • 『続日本紀』2 新日本古典文学大系13 岩波書店、1990年