実際の地上位置線(じっさいのちじょういちせん、英語: Actual Ground Position LineAGPL)は、シアチェン氷河地方において、インド軍パキスタン軍が実際に展開している位置を分つ境界線[1][2][3]管理ライン(LoC)の北端の地点 (NJ9842) からインディラ・コル英語版まで引かれている。AGPLの全長は、およそ110km(68マイル)である[4][5]

日本語では、「実際の地上位置ライン[6]、「現実地上ポジションライン[7]などと訳されることがある。

歴史 編集

シアチェン氷河や国境を成しているサルトロ山稜 (Saltoro Range) では、1984年に最初の軍事行動が行なわれ、インド陸軍がパキスタン側の機先を制して氷河一帯を支配下に置いた。この作戦はメドゥート作戦英語版(メドゥートは「聖なる雲の使者」の意)と称された。その後、何度が両軍の展開位置には小規模な変動があったが、インド軍はサルトロ山稜を占拠し続けている。

地理的位置 編集

 
赤い点線がAGPL、その右側が、インド軍が支配するシアチェン氷河

AGPLは、7000m級の山々を抱えた起伏の大きい高原であるサルトロ山稜の縁を通っている。インド軍の兵士たちは高原の標高が高い地域に展開し、パキスタン軍がサルトロ山稜へ登って来るのを阻止している。現下のAGPLは、概ね以下のように引かれている。

インディラ・コル - シア・ラ峠 - サルトロカンリ - ビラフォンド・ラ英語版峠 - K12 - ギョン・ラ英語版峠 - NJ9842[8]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 英国内務省 (2008年2月7日). “出身国別情報報告書 パキスタン” (PDF). 外務省. p. 15. 2015年12月10日閲覧。 “11月25日には(カシミール北端にある)シアチェンで実際の地上位置線(AGPL)に 沿って停戦を延長することで一致したと述べている。”
  2. ^ The fight for Siachen
  3. ^ A glacial impasse
  4. ^ They shall not pass
  5. ^ Bullish on siachen
  6. ^ 英国内務省 (2007年1月26日). “出身国情報-主要な情報文書 パキスタン” (PDF). 外務省. p. 17. 2015年12月10日閲覧。 “… 11月25日、(カシミールの北端)シアチェン (Siachen) の Actual Ground Position Line (実際の地上位置ライン - AGPL) 沿いの停戦を延期することが合意されたと ...”
  7. ^ 英国内務省 (2005年10月). “出身国情報-主要な情報文書 パキスタン” (PDF). 外務省. p. 19. 2015年12月10日閲覧。 “Keesing’s Record of World Events は、11月25日、(カシミールの北端にある)Siachen の現実地上ポジションライン (AGPL) に沿って休戦を延長することに同意されたと述べている。”
  8. ^ Manning the Siachen Glacier”. Bharat Rakshak Monitor (2003年). 2012年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月27日閲覧。