小田垣 雅也(おだがき まさや、1929年1月30日 - 2019年2月21日)は、日本キリスト教神学者牧師ブルトマン学派の神学的解釈学の検討から出発し、生涯にわたって信仰と理性の「間」[1]を思索した。神を「合理主義的認識構図を越えた全体性」[2]、あるいは「無」[3]ととらえる観点から、近現代のプロテスタント神学、とくにカール・バルト以降の現代神学の様々な潮流を読み解き、「非閉鎖的」[4]な神学の可能性を探究した。後年は、これらの探究を「ネオ・ロマンティシズム」の神学という形で、独自の神学思想へと結実させた。また、神学研究のかたわらに多くのエッセイを残した。

おだがき まさや

小田垣 雅也
生誕 1929年1月30日
死没 (2019-02-21) 2019年2月21日(90歳没)
出身校 青山学院大学
職業 神学者牧師
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略歴 編集

1959年:青山学院大学神学科卒業。1964年:同大学院博士課程修了。1969年:ドゥルー大学卒。Ph.D. 青山学院大学文学部専任講師、国立音楽大学教育部教授を歴任。1975年より「みずき教会」(家庭集会)を主宰。

主要著作 編集

  • 『解釈学的神学』(創文社、1975年)
  • 『知られざる神に:現代神学の展望と課題』(創文社、1980年)
  • 『哲学的神学』(創文社、1983年)
  • 『キリスト教概説』(国立音楽大学、1985年)
  • 『現代思想の中の神:現代における聖霊論』(新地書房、1988年)
  • 『神学散歩』(虹企画、1990年)
  • 『ロマンティシズムと現代神学』(創文社、1992年)
  • 『四季のパンセ:信仰とユーモア』(リトン、1993 年)
  • 『キリスト教の歴史』(講談社学術文庫、1995年)
  • 『現代のキリスト教』(講談社学術文庫、1996年)
  • 『ネオ・ロマンティシズムとキリスト教』(創文社、1998年)
  • 『それは極めて良かった』(リトン、2000年)
  • 『憧憬の神学:キリスト教と現代思想』(創文社、2003年)
  • 『一緒なのにひとり』(リトン、2004年)
  • 『コニュニケーションと宗教』(創文社、2006年)
  • 『友あり』(日本出版センター、2009年)

共著 編集

  • 『現代における神の問題』山本和編(創文社、1978年)
  • 『神観の研究:小田切信男博士感謝記念論文集』日本神観研究会編(創文社、1978年)
  • 『歴史の中のイエス:高柳伊三郎先生85歳祝賀論集』中村民男、川島貞雄編(新疆出版社、1983年)
  • 『日本神学史』(ヨルダン社、1992年)

翻訳 編集

  • J. A. T. ロビンソン『神への誠実』(日本基督教団出版局、1964年)
  • マイケルソン『実存と歴史:歴史のかなめ』
  • ペリカン『イエス像の二千年』(講談社学術文庫、1998年)
  • ペリカン『文化史の中のイエス:世紀を通じての彼の位置』新地書房、1991年

脚注 編集

  1. ^ 小田垣雅也ほか『日本神学史』ヨルダン社、1992年、189頁
  2. ^ 小田垣雅也『ロマンティシズムと現代神学』創文社、180頁
  3. ^ 小田垣雅也『解釈学的神学』創文社、1983年、303頁
  4. ^ 小田垣雅也『解釈学的神学』創文社、1983年、112頁