張 南史(ちょう なんし、生没年不詳)は、中国詩人は季直。幽州の出身。

略歴 編集

の名手で、王侯の屋敷に出入りしていたが、中年から学問を志し、詩を作るようになった。粛宗のとき、推薦する人があって左衛曹参軍に任ぜられたが、兵乱を避けて揚州に流寓した。のちに再び調停から召されたが、都へ出発する前に亡くなった。

詩人としての彼 編集

作品に、『陸勝(りくしょう)の宅にて、秋暮、雨中に韻を探り、同(とも)に作る』(七言律詩)がある。

陸勝宅秋暮雨中探韻同作
同人永日自相将  同人 永日(えいじつ) 自ずから相将(ひき)い
深竹閑園偶辟疆  深竹(しんちく) 閑園(かんえん) 辟疆(へききょう)に偶す
已被秋風教憶鱠  已(すで)に秋風(しゅうふう)に鱠(なます)を憶(おも)わ教(し)められ
更聞寒雨勧飛觴  更に寒雨(かんう)の觴(さかずき)を飛ばさんことを勧むるを聞く
帰心莫問三江水  帰心(きしん)問う莫(な)かれ 三江(さんこう)の水
旅服従沾九日霜  旅服(りょふく)沾(うるお)すに従(まか)す 九日(きゅうじつ)の霜
酔裏欲尋騎馬路  酔裏(すいり)尋ねんと欲す 騎馬の路(みち)
蕭条幾処有垂楊  蕭条(しょうじょう)として幾処か垂楊(すいよう)有る

出典 編集