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強風域(きょうふういき)とは、強い風が吹く領域のこと。気象用語としては、台風または発達した低気圧の周囲において、15m/s(毎秒15m)以上の平均風速を有する領域[1]。実際の平均風速が15m/sに及ばなくても、地形などの影響がないとすれば、平均風速が15m/s以上に達する可能性のある場合も、強風域に該当する[1]。平均風速が25m/s以上の領域については、暴風域と呼ばれ、強風域とは区別される[1]

台風の強風域以外についても、「弱風域」の対義語などとして用いられる[2][3][4][5][6][7][8]

台風の強風域編集

強風域の呼称編集

かつては「強風圏」と呼ばれていたが、1975年気象庁が呼称を「強風域」へと改めた。そのため、現在は放送でも「強風圏」の語は用いられず、「強風域」が使用されている[9]

なお、気象庁が強風域を発表する場合には、「風速15メートル以上の強風域に入ったと見られる」「風速15メートル以上の強風域に入る見込み」のように、風速と併せて示される[9]

強風域の表現編集

強風域の範囲は、一般に円をもって表される[1]

自然現象であるから、実際の強風域は正円を描くわけではなく、いびつな非対称の形状をなすこともある。そのような場合は、平均半径に基づき、強風域の範囲の表現を決定することとされている[10]

また、天気予報などの際、強風域は黄色の円で表現されることが多いとされている[11]

台風の大きさの区分編集

台風の大きさについては「大型」「超大型」等の類型があるが、これらは平均風速が15m/s以上の領域、すなわち強風域の広さを基準として区分される[12]

強風域が半径500km以上800km未満の広さをもつ場合、「大型の台風」または「大きい台風」と呼ばれ、800km以上の広さをもつに至ると「超大型の台風」または「非常に大きい台風」と呼ばれる[12]

なお、かつては強風域の半径が500kmに満たない場合にも、その広さに応じて「小型」「並」という類型があったが、現在、このような表現は用いられていない[12]。台風への警戒心を薄れさせる弊害があることから使用をやめたものだとされる[13]

強風域の測定編集

海洋においては、時化であっても波の高さが5メートルに達しない程度ならば、大型船の航行も可能とされ、台風周縁部の船舶からの観測データが得られることも多い[14]。そのため、推定ではない実測データを基にした強風域の範囲の解析が可能である[14]

脚注編集

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  1. ^ a b c d 台風に関する用語”. 気象庁. 2012年7月31日閲覧。
  2. ^ 目野幹雄「風波スペクトルの発生・発達と海面摩擦力に関する研究(3)」 海岸工学講演会講演集12号61頁(1965)
  3. ^ 真木太一「農林水産省構造改善局が実施した防風施設に関する実態調査概要」 農業気象39巻3号230,232頁(1983)
  4. ^ 近藤純正「東北地方の大規模林野火災時の異常強風」 日本風工学会誌23号34頁(1985)
  5. ^ 鵜野伊津志ほか「コンピューターグラフィックスによる大気環境の可視化」 大気環境学会誌32巻1号A7頁(1997)
  6. ^ 伍培明ほか「NASA散乱計(NSCAT)で観測された寒気吹き出し時の日本海の風の収束帯」 日本リモートセンシング学会誌17巻5号520,522頁(1997)
  7. ^ 久保猛志「都市環境の保全と分散エネルギーシステム」 電気学会論文誌 B 電力・エネルギー部門誌118巻7=8号752頁(1998)
  8. ^ 林農ほか「移動船舶によるオフショア風況観測法の基礎研究」 日本機械学会論文集 B編74号841頁(2008)
  9. ^ a b NHK放送文化研究所編『NHK気象ハンドブック』124頁(日本放送出版協会、改訂版、1996)
  10. ^ 日本気象予報士会編『身近な気象の事典』118頁(東京堂出版、2011)
  11. ^ 岩槻秀明『最新天気図の読み方がよ〜くわかる本』231頁(秀和システム、2010)
  12. ^ a b c 台風の大きさと強さ”. 気象庁. 2012年8月5日閲覧。
  13. ^ 村山貢司『降水確率50%は五分五分か』73頁(化学同人、2007)
  14. ^ a b 朝倉正ほか編『気象ハンドブック』339頁(朝倉書店、新版、1995)

参考文献編集