(こつ)は、10-5(10万分の1)であることを示す漢字文化圏における単位である。の1/10、の10倍に当たる。国際単位系では0.01ミリまたは10マイクロに相当する。

「忽」は『孫子算経』に長さの最小単位として見える古い単位であるが、現実に使われることはきわめて少ない。『孫子算経』はカイコの繭糸(の太さ)とするが、仮に1寸を2.5cmとすると1忽は250nmとなり、この値は現実の繭糸よりもはるかに細い。

なお、忽という字には、「にわかに」「突然」「おろそかに」「なおざりに」などの意味があり、訓読みに「たちまち」「ゆるがせ」がある[1][2]。また、高句麗語では「城」の意味で日本の「こおり」の語源でもある。

『暦象考成』などの西洋の時法や1周360度の概念の伝来以降の中国・日本の古文献では、時間・角度の「」の60分の1に相当する単位(英語のthirdに相当)に「微」、その60分の1に相当する単位(英語のfourthに相当)に「繊」、その更に60分の1に相当する単位(英語のfifthに相当)に「忽」を割り当てたこともあった。ちなみにその更に60分の1に相当する単位(英語のsixthに相当)には「芒」が割り当てられていた。

関連項目 編集

脚注 編集