持金剛仏(じこんごうぶつ、: རྡོ་རྗེ་འཆང་། rdo rje 'chang: Vajradhara)は、大乗仏教の信仰対象である如来の一尊。チベット仏教カギュ派ゲルク派において崇拝され、新派(サルマ)においては法身仏として扱われている。

持金剛仏
持金剛仏像。18世紀の作

持金剛仏
梵名 Vajradhara
(ヴァジュラダラ)
蔵名 རྡོ་རྗེ་འཆང་།
(ドルジェ・チャン)
信仰 チベット仏教カギュ派ゲルク派
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純粋な名称は「持金剛」だが、この漢訳名は執金剛神 (Vajrapāṇi) の呼称として用いられることもあるため[1]、両者を区別するために、それぞれ「持金剛」「持金剛」と書き分けられる。

梵名「ヴァジュラダラ」(Vajradhara) の「ダラ」(dhara, 持、執持) を「ダーラニー」(dhāraṇī, 陀羅尼、総持) と混同したと考えられる金剛総持(こんごうそうじ)の漢訳名でも知られる。

元来は、五仏(五智如来)に続く第六尊として配置されていたが、その後、五仏の特性の全てを兼ね備えると同時に、五仏を統括する第六尊へと昇格した。法身普賢金剛薩埵と並んで本初仏Ādibuddha)として尊崇されている。

参考文献 編集

  • 密教大辞典

脚注 編集

関連項目 編集