掌底打ち
掌底打ち(しょうていうち)は、格闘技や武道における打撃技の一種である。掌打(しょうだ)、底掌(ていしょう)、掌底(しょうてい)などの略称でも呼ばれる。掌の手首に近い部分で相手を叩く技である。
概要編集
正拳突きやパンチ攻撃などと比べて打撃対象の内部に浸透する重いダメージを与える技である。
使用部位編集
掌(てのひら)の手首に近い肉厚の部分または付け根の堅い部分(使用部位の絵を参照)。
使用法編集
ストレート、フック、アッパーカットと拳と同様の使い方ができるが特に鼻、顎先を狙うストレート打ち、顎先、こめかみを狙うフック打ちが頻度が高い。
オープンフィンガーグローブが一般化する前の総合格闘技では素手の拳による顔面への直接攻撃を禁じていたため、掌底打ちで顔面を攻撃することが多かった。
正面から顔面を狙う掌底突きに対して士道館の添野義二が大山道場時代によく用いた掌底技は頭上から相手の横面や、こめかみ目掛けて掌の付け根を振り下ろす様に当てるもので「上から切り落とす」ようにするのがダメージを与えるコツだという[1]。
空手の型(形)では、松濤館流の「慈恩」「十手」の中に掌底による側面中段打(受)が含まれている。
相撲で使われる突っ張りと張り手も掌底突きや掌底打ちに共通した技である。
長所編集
- 拳と比較すると打った面を痛めることが少ない。
- 拳と比較すると手首を傷めにくい。
- 相手に裂傷や過度の傷を与えにくい。
- 掌底打ちを狙うと指先がサミングの形になりやすい。格闘技等の競技としては危険だが緊急の護身としては有効。
短所編集
脚注編集
- ^ 参考文献の3、94頁、「大山道場の手技 - 掌底」〈特集PART3〉