株式会社松尾仁兵衛商店(まつおにへいしょうてん)は、かつて存在した酒造会社。灘五郷のうち、魚崎郷に位置した。

魚崎の旧家であり、酒造業は元文5年(1740年)に開業。清酒『金正宗』を持ち、当時多くあった正宗と名のつく酒の一角を占めた。明治17年(1884年)に商標登録。戦中には企業合同も経験するが、昭和20年(1945年)8月5日の空襲で幾つかの蔵が倒れた。昭和24年(1949年)に企業合同から独立する。

昭和期からも正宗と名のつく酒の一派として魚崎郷に所在したが、阪神・淡路大震災によって致命的な打撃を受けた。その後は規模を狭めて醸造していたが、平成20年(2008年)に生産が打ち切られ、廃業した。