松崎半三郎
松崎 半三郎[1][2]（まつざき はんざぶろう、1874年（明治7年）9月14日[3] - 1961年（昭和36年）11月4日）は、日本の商人（貿易商）[4]、実業家。森永製菓2代目社長、立教学院元理事長。大日本製乳協会会長、日本菓子工業組合連合会理事長などを歴任した[5]。
経歴 編集
1874年（明治7年）9月14日、埼玉県榛沢郡桜沢村（現・大里郡寄居町）生まれ。松崎孝作の二男[6][7][8][9]。1896年（明治29年）[2]、立教学院（現・立教大学）卒業[1][5]。横浜の某商館に入って直接輸出業の実習を積む[3]。
1897年（明治30年）[10]、あるいは1899年（明治32年）[3]、南洋貿易業を開始する[3][10]。南洋ジャバに於いて貿易に従う[2]。しかし閉店の悲運に遭遇する[10]。1901年（明治34年）、分家して一家を創立する[6][8]。
再度の活躍を期して南洋に渡航し、同地の事情を観察する[10]。1903年（明治36年）、帰朝と共に輸出仲買店を開始する[3]。原料品売込みのため森永商店に出入りすると、たちまち森永太一郎と意気投合する[3]。輸出入商として獅子奮迅の飛揚をしつつあったが[10]、1905年（明治38年）、森永西洋菓子製造所（現・森永製菓）に入店、支配人となる。
1910年（明治43年）、森永商店が株式組織になると、専務取締役となる[2]。1935年（昭和10年）、社長に就任。同社を大手製菓会社に育て上げた。
この間、森永ベルトラインなど流通システムの構築にも貢献。大日本製乳協会会長、日本菓子工業組合連合会理事長などを歴任し、立教学院の理事長も務めた[5]。
人物 編集
森永太一郎と二人三脚で製菓事業の近代化を目指し、菓子製造の機械化に取り組んで、質の高い菓子を大量生産することに成功した。また、販売制度を確立し、先駆的な広告や独創的な販売促進策などを打ちながら事業規模を拡大[5][11]。
松崎半三郎を記念して立教大学には松崎半三郎記念奨学金が1964年（昭和39年）から創設されている[12]。
クリスチャンである[1]。趣味は大弓[2]、書道、読書[9]。住所は東京神田南乗物町[4]、麻布本村町[2][6][7][9]。
家族・親族 編集
- 松崎家
脚注 編集
- ^ a b c 『経済第一線』229 - 232頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年7月25日閲覧。
- ^ a b c d e f 『最新業界人事盛衰録』マの部33頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2023年5月29日閲覧。
- ^ a b c d e f 『大正人名辞典 3版』317頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2023年5月30日閲覧。
- ^ a b 『日本紳士録 第7版』東京ま492頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年8月10日閲覧。
- ^ a b c d 起業・独立ガイド『起業家・経営者列伝』松崎半三郎（森永製菓）
- ^ a b c 『人事興信録 第10版 下』マ89頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年7月25日閲覧。
- ^ a b c 『人事興信録 第13版 下』マ87頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年7月25日閲覧。
- ^ a b c d 『人事興信録 第9版』マ83頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年7月11日閲覧。
- ^ a b c d e 『人事興信録 第14版 下』マ81 - 82頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年7月12日閲覧。
- ^ a b c d e 『時と人』98 - 98頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2023年5月29日閲覧。
- ^ 『日本食糧新聞』2006年3月13日 9627号 10面
- ^ 渋沢社史データベース 森永乳業(株)『森永乳業五十年史』(1967.09)
- ^ a b 『人事興信録 第25版 下』（人事興信所、1969年）ま112頁
参考文献 編集
- 『日本紳士録 第7版』交詢社、1901年。
- 東洋新報社編『大正人名辞典 3版』東洋新報社、1917年。
- 渡部静江『時と人』新声社、1920年。
- 通俗経済社編『最新業界人事盛衰録』通俗経済社、1931年。
- 人事興信所編『人事興信録 第9版』人事興信所、1931年。
- 人事興信所編『人事興信録 第10版 下』人事興信所、1934年。
- 倉田春一『経済第一線』大鵬書房、1935年。
- 人事興信所編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。
- 人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。
- 『デジタル版 日本人名大辞典+Plus』講談社
- 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）
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