館シリーズ > 水車館の殺人

水車館の殺人』(すいしゃかんのさつじん)は、推理作家綾辻行人の二作目の作品であり、長編推理小説館シリーズの第二作である。

水車館の殺人
著者 綾辻行人
発行日 1988年2月5日
発行元 講談社
ジャンル ミステリー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 講談社ノベルス
ページ数 274
前作 十角館の殺人
次作 迷路館の殺人
コード ISBN 4-06-181345-5
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

あらすじ 編集

古城を思わせる異形の屋敷「水車館」。

それは一年前の嵐の夜。塔から落ちた一人の女、およそ不可能な状況で消失した一人の男、盗まれた一枚の絵。その事件はひとつの「解決」のうちに葬り去られたはずだった。しかし、探偵・島田潔が訪れたとき、再び惨劇は幕を開ける。

登場人物 編集

島田 潔(しまだ きよし)
本作における探偵。古川とは大学時代に親交があり、彼を「つねひと」ではなく「こうじん」と呼ぶ。

水車館 編集

藤沼 一成(ふじぬま いっせい)
故人。「幻視者」といわれた画家。莫大な遺産と「水車館」を残した。
藤沼 紀一(ふじぬま きいち)
藤沼一成の息子。過去のある事故で顔と手足に深い傷を負ったため、仮面をつけ、車椅子生活となり、由里絵と共に「水車館」に隠棲している。
藤沼 由里絵(ふじぬま ゆりえ)
藤沼紀一の妻。藤沼一成の弟子の柴垣浩一郎の娘。柴垣浩一が病気で死亡した時に藤沼紀一が由里絵を引き取り、後に結婚する。
倉本 庄司(くらもと しょうじ)
執事。自分は「水車館」そのものに仕えていると考える初老の男。
根岸 文江(ねぎし ふみえ)
住み込みの使用人。元看護婦であり、紀一の生活面のサポートをほぼ一手に引き受けていた。一年前の事件で塔のバルコニーから落下して死亡している。
野沢 朋子(のざわ ともこ)
通いの使用人。あまり他人に干渉しない。

藤沼紀一の友人 編集

正木 慎吾(まさき しんご)
藤沼紀一の大学の後輩であり友人。紀一が大怪我を負った事故の際、車に同乗していた。半年前から水車館で暮らしている。かつて藤沼一成に師事し、将来を期待された画家だった。
大石 源造(おおいし げんぞう)
美術商。大声で喋る癖がある。
森 滋彦(もり しげひこ)
M**大学の美術史教授。聴力が弱く、補聴器を内蔵した眼鏡をつけている。
三田村 則之(みたむら のりゆき)
外科病院を経営する外科医師。スマートな物腰の青年。
古川 恒仁(ふるかわ つねひと)
藤沼家の菩提寺の副住職。一年前の事件の夜に失踪している。

書籍情報 編集

綾辻は新装改訂版のあとがきで、先に発売された『十角館の殺人』の新装改訂版に続いて、「この『水車館』も、本書をもって決定版としたい」と述べている。

関連項目 編集