消防41号(しょうぼうよんじゅういちごう、英語: ASH No.41)は、海上自衛隊の特務艇である。同型艇はない。

消防41号
基本情報
建造所 東造船
運用者  海上自衛隊
艦種 特務艇
艦歴
竣工 1964年2月28日
除籍 2001年3月16日
要目
基準排水量 45 トン
満載排水量 61トン
全長 23.0 m
最大幅 5.5 m
深さ 2.8 m
吃水 1.0 m
主機 三菱重工業DL-24Mディーゼルエンジン × 2基
DH-24Mディーゼルエンジン × 2基
出力 1,300 馬力
推進器 スクリュープロペラ × 3軸
速力 19 ノット
乗員 8 名
兵装 なし
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概要 編集

海上自衛隊が運用する飛行艇の離着水海面の警戒・支援、また事故の際の消火活動に備え、消防艇として1962年度計画で建造された特務艇が本艇である[1]

設計 編集

本艇は消火設備として、甲板の前後と操舵室上に計4基の放水銃、そして油火災用の泡沫消火装置2基を備えており、2台のポンプにより毎分10,000リットルの放水が可能であった。また、消防ポンプを用いた排水能力は毎分5,000リットルである。消火活動の際に火災の熱に耐えるため、自衛用に自艇保護用噴霧装置(プロテクター)を装備していた[2]

耐候性や強度を得るために艇体は鋼製で、操舵室や防波板は軽合金製であった。救助した人員については、艇内の居住区で応急手当が可能なように設計されていた[2]

機関は三菱重工業DL-24MディーゼルエンジンとDH-24Mディーゼルエンジン各2基の4基構成、3軸推進とした[2]。速力は最大19ノットである[1]

救難艇型特務艇と同様に、任務の性格上、視認性を高めるため艇体が、甲板が、上部構造物がに塗装されていた[1]

艦歴 編集

消防41号は、1962年度計画に基づき東造船で建造、1964年2月28日竣工した[1]

建造後は飛行艇が配備されていた大村航空基地に配備されたが、その後岩国航空基地に配置換えとなりPS-1US-1の支援に従事している[1]

1977年4月18日に支援船籍の「消防船1号」(YE-01)に類別変更され、これにより消防艇型特務艇(ASH)は廃止となった[2]。支援船籍となってからも本艇は従来と同様の任務に従事し、設標救難船(YR)の就役に伴い2001年3月16日に除籍された[1]

出典 編集

  1. ^ a b c d e f 高田泰光 他「海上自衛隊全艦艇史」『世界の艦船 11月号増刊』第869号、海人社、2017年10月、124頁、ASIN B075YP4PHS 
  2. ^ a b c d 大野鷹雄 他「海上自衛隊艦艇シリーズ 補助艦艇II」『スペシャル』第70号、潮書房、1982年12月、64頁。 

関連項目 編集