無水安息香酸(むすいあんそくこうさん、benzoic anhydride)とは、有機化合物の一種で、安息香酸から誘導されるカルボン酸無水物安息香酸無水物とも呼ばれる。合成中間体として利用される無色の固体。

無水安息香酸[1]
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識別情報
CAS登録番号 93-97-0 チェック
PubChem 7167
ChemSpider 6899 チェック
UNII 9K7X34FOV2 チェック
EC番号 202-291-1
バイルシュタイン 516726
特性
化学式 C14H10O3
モル質量 226.23 g mol−1
外観 白色の固体
密度 1.1989 g cm−3 at 15 °C
融点

42 °C, 315 K, 108 °F

沸点

360 °C, 633 K, 680 °F

磁化率 -124.9·10−6 cm3/mol
危険性
NFPA 704
2
1
1
引火点 113[2] °C (235 °F; 386 K)
関連する物質
関連物質 安息香酸
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

安息香酸に無水酢酸を作用させると、非対称酸無水物を経由して無水安息香酸が生成する。このとき、リン酸を触媒として加える[3]

安息香酸に塩化ベンゾイルを加えても、無水安息香酸が生成する。

無水安息香酸は求電子的なベンゾイル化剤としての反応性を示す。、あるいは塩基の存在下にアミンと反応してベンズアミド誘導体を、アルコールと反応して安息香酸のエステルを与える。求電子性は塩化ベンゾイルに劣るが、試薬としての取り扱いは容易である。

参考文献

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  1. ^ Sciencelab msds”. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月26日閲覧。
  2. ^ aldrich product page”. 2015年12月26日閲覧。
  3. ^ Clarke, H. T.; Rahrs, E. J. Org. Synth. Coll. Vol. 1, 1941, 91. [1]