熱音響効果(ねつおんきょうこうか)とは音波相互作用

概要 編集

熱音響効果の原理は古くから知られていた。加熱した釜を使って日本の神社などで祈祷や占いに用いられた文献が多数残る[1][2]。熱が空気という流体そのものを振動させていて音波を作り出すが、摩擦などの抵抗を伴う機械駆動する部分がないため、原理的に高効率でエネルギー転換が可能とされる[3]。廃熱を利用して冷熱を発生させることが可能か、各国で有効活用する方法が検討されている。

応用例 編集

熱音響エンジン 編集

熱音響エンジンも参照。熱音響効果によって作動する[4][5]

熱音響冷却 編集

音が細い穴を通過するフィルター部(スタック)が2箇所設けられた熱音響を起こす管を環状にして連続的に発熱して、一方のスタックを加熱すると、管の中に進行音波が発生して管内を循環してもう一方のスタックでは音が吸熱反応が生じて、周囲から熱を奪う[3]

脚注 編集

  1. ^ 富永昭「熱音響現象の理解とその応用」『日本物理学会誌』第55巻第5号、日本物理学会、2000年、326-331頁、CRID 1390282680382396672doi:10.11316/butsuri1946.55.326ISSN 00290181 
  2. ^ 矢崎太一「熱音響現象の理解と応用を目指して(非線形波動の数理と応用)」『数理解析研究所講究録』第1483巻、京都大学数理解析研究所、2006年4月、100-111頁、CRID 1050282810528785280hdl:2433/58097ISSN 1880-2818 
  3. ^ a b 「熱」を「音」にエネルギー機器の概念変える「熱音響」, http://www.nikkei.com/article/DGXBZO05347570X00C10A4000000/ 
  4. ^ 上田祐樹「熱音響発電機」『電気学会誌』第128巻第12号、電気学会、2008年、812-815頁、CRID 1390282679971669376doi:10.1541/ieejjournal.128.812ISSN 13405551 
  5. ^ 畠沢政保, 杉田洋, 小川孝廣, 瀬尾宜時「自動車用ガソリンエンジンの廃熱を利用して駆動する熱音響音波発生機の性能」『日本機械学会論文集B編』第70巻第689号、日本機械学会、2004年、292-299頁、CRID 1390001206262212096doi:10.1299/kikaib.70.292ISSN 0387-5016 

関連文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集