片野坂 栄子(かたのさか えいこ、1941年1月17日[1] - )は、日本のソプラノ歌手、オペラ歌手。鹿児島県出身。

来歴 編集

武蔵野音楽大学を経てウィーン国立アカデミーを首席で卒業。1964年ウィーン国際オペラ・コンクール入賞、1965年バルセロナ「フランシスコ・ヴィーナス」国際音楽コンクール第1位優勝。以来、バーンスタインマタチッチミュンヒンガーなどの著名な指揮者のもとでウィーン・フィルハーモニー管弦楽団NHK交響楽団北ドイツ放送交響楽団などと、コンサート歌手として共演する。1974年より第1ソプラノ歌手として、ドイツ・パッサウ市立歌劇場ヒルデスハイム歌劇場、デュッセルドルフ歌劇場、ミュンヘン歌劇場などと専属客演契約で活躍する。

歌ったレパートリーも幅広く、主なものに、モーツァルトではパミーナ(『魔笛』)、ドンナ・エルヴィラ(『ドン・ジョヴァンニ』)、ドンナ・アンナ(『ドン・ジョヴァンニ』)、フィオルデリージ。他ではミミ(『ラ・ボエーム』)、ルサルカ、マッダレーナ(『アンドレア・シェニエ』)、アガーテ(『魔弾の射手』)、蝶々夫人(『蝶々夫人』)などがある。特に1977年にミュンヘン国立ゲルトナー歌劇場のプレミエで歌った「蝶々夫人」は絶賛を博し、“黄金のばら賞”を受賞。この他、ヨーロッパの各歌劇場にて「蝶々夫人」を200回以上も主演したことは特筆される。

現在は日本国内において定期的にソプラノ・リサイタルを開催している。

大分県立芸術文化短期大学名誉教授。

脚注 編集

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.504