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2013年11月7日 (木) 19:43時点における版

メジャーリーグベースボールのポストシーズンは、レギュラーシーズンの終了後の10月に開催されており、最終的にアメリカンリーグナショナルリーグの優勝チームがワールドシリーズで対戦してチャンピオンを決定する。

概要

10月にアメリカンリーグナショナルリーグそれぞれ5チームずつ、つまり合計10チームがプレーオフへ進出する。レギュラーシーズンにおいて東地区、中地区、西地区で1位の成績で地区優勝した3チームと、ワイルドカードの2チームとなっている。ワイルドカードは地区優勝を除いたリーグ12チームのうちで最も勝率の高いチームと2番目のチームに与えられる。1試合限りのワイルドカードプレーオフにおいて、ワイルドカードの2チームが対戦する。1試合決着で、ディビジョンシリーズへ進出するワイルドカードチームを決定する。

ディビジョンシリーズは両リーグ2カードずつ組まれる。ワイルドカードプレーオフの勝者と地区優勝3チームの中で最も勝率の高いチームが対戦し、もう1カードは残りの地区優勝2チームが戦う。試合は最大5戦の予定で行われ、先に3勝した勝者2チームがリーグチャンピオンシップシリーズへ進むことになる。

リーグチャンピオンシップシリーズは7戦4勝制で行われ、先に4勝したチームが出た時点でリーグ優勝となり、ワールドシリーズへの出場権を獲得する。

ワールドシリーズはアメリカンリーグ、ナショナルリーグの優勝チームが対戦する。7戦4勝制で行われ、4勝したチームがワールドシリーズチャンピオンとなる。1903年1919年1920年1921年は9戦5勝制で行われている。

歴史

1903-1968年の1ラウンド制

1903年にメジャーリーグベースボールの2つのリーグ、アメリカンリーグとナショナルリーグは第1回ワールドシリーズを開催している。しかし、翌1904年にナショナルリーグ優勝チームのニューヨーク・ジャイアンツがアメリカンリーグ優勝チームのボストン・アメリカンズとの対戦を拒否したために第2回ワールドシリーズは中止となった。ジャイアンツへの批判が集中したために1905年以降は毎年ワールドシリーズが開催されることになった。

1969-1993年の2ラウンド制

1969年には、両リーグ12チームにまで拡大した。この拡張に伴い、各球団のフランチャイズの地理的条件に基づいて地区制を導入し、両リーグともに東西6球団ずつに分かれた。これにより、前年までの公式戦優勝がそのままワールドシリーズ出場権を得る形ではなくなり、東西両地区の優勝チームがリーグ制覇を決めるリーグチャンピオンシップシリーズが導入され、プレーオフ制度が成立した。当初は5戦3勝制で行われていた。ニューヨーク・メッツ1962年の創設以来、最高9位の弱小球団だったが、この1969年に驚異的な快進撃を見せて地区優勝。リーグチャンピオンシップシリーズでもアトランタ・ブレーブスに3連勝、ワールドシリーズでもボルチモア・オリオールズを4勝1敗で下し、その奇跡的な勝利からミラクル・メッツと呼ばれた。1981年ストライキでシーズンが長期中断したために、前期と後期の最高勝率チームによる地区優勝決定シリーズを戦い、その後にリーグチャンピオンシップシリーズを行った。

1985年からはリーグチャンピオンシップシリーズもワールドシリーズと同じ7戦4勝制に移行した。ピーター・ユベロスコミッショナーがテレビの放映権収入を増やすことを目的として変更したものであった。この年のカンザスシティ・ロイヤルズが早くも新システムの恩恵を享受した。リーグチャンピオンシップシリーズトロント・ブルージェイズに4試合で1勝3敗と苦戦しており、去年のシステムであればこの時点で敗退していた。ここから一気に3連勝してリーグ制覇。ワールドシリーズでもセントルイス・カージナルスに1勝3敗から3連勝でワールドシリーズチャンピオンに輝いた。

1994-2011年の3ラウンド制

人気低迷や選手の年俸高騰によって財政難に陥るチームが出てきた。そこでシーズン終盤戦の観客動員数やテレビ放映権料の増大を目的として1994年から両リーグともに従来の東部・西部の2地区制から東部・中部・西部の3地区制に再編された。それに伴い、NFLを参考にして3つの地区優勝チームのみではなく、地区優勝チーム2位のうち最も勝率の良いチーム(ワイルドカード)も含めたディビジョンシリーズ(地区優勝決定シリーズ)が新たに導入された。勝率1位のチームがワイルドカードと、勝率2位のチームと勝率3位のチームが5回戦制を行うものだが、最高勝率チームとワイルドカードが同一地区の場合に限り、勝率2位のチームがワイルドカードと対戦するようになっていた。このディビジョンシリーズの勝者2チームがリーグ優勝を決める7戦4勝制のリーグチャンピオンシップシリーズへ進出する。

導入初年は、この年に発生した232日間に及ぶ長期ストライキの影響でポストシーズンゲームは行われなかった。1997年フロリダ・マーリンズはこのワイルドカードでディビジョンシリーズへの進出を果たし、ディビジョンシリーズリーグチャンピオンシップシリーズを勝ち進み、ワールドシリーズクリーブランド・インディアンスを4勝3敗で下して球団創設からわずか5年でワールドシリーズチャンピオンに輝いた。一方で、1996年ナショナルリーグ中地区におけるロサンゼルス・ドジャースサンディエゴ・パドレスのように、リーグ史上88年ぶりに最終日に優勝を決める直接対決になったが、既に両チームとも勝敗関係無しにディビジョンシリーズへの進出が決まっていたので、緊張感の欠ける試合展開になってしまうというマイナス面もあった。

2012年-現在の4ラウンド制

バド・セリグコミッショナーが2011年11月に2年以内に新たなプレーオフシステムを2年以内に開始すると発表した。このシステムは翌2012年シーズンから1試合限りのワイルドカードプレーオフ形式で導入された。プレーオフ進出チームを各リーグ5チームに拡大し、レギュラーシーズン終了後に地区優勝チーム3チームを除いた各リーグ12チームの中で勝利数の上位2チームが1試合限りのワイルドカードプレーオフを行う。その勝者がディビジョンシリーズに進出する。

ホームフィールド·アドバンテージ

ワイルドカードプレーオフ

当該2チームのうち成績の良かったチームのホームゲームによる1試合決着で行われる。

ディビジョンシリーズ

ホーム開催権は前者の場合では地区優勝チーム、後者の場合では2チームのうち勝率の高い方にあり、ホーム開催権を持つチームの球場で最初の2戦が行われる。このために早期に優勝が決まっても残りを消化試合に出来ずに最終的な勝率によって対戦カードが決まるという見所も出てきた。

ホーム開催は、2試合-2試合-1試合と割り振られる。1997年まではホーム開催は2試合-3試合と割り振られ、最初の2試合のホーム開催権のある地区(ホストチーム)があらかじめ決められており、ワイルドカードはホストチームまたは同地区チームとは対戦しないとの規定があったため、ワイルドカードで出場するチームの所属地区により組み合わせが決まっていた。1995年のアメリカンリーグはホストチームが中地区とワイルドカードだったため、クリーブランド・インディアンス(勝率1位)対ボストン・レッドソックス(勝率2位)、シアトル・マリナーズ(勝率3位)対ニューヨーク・ヤンキース(ワイルドカード)の組み合わせとなった。

2012年はワイルドカードプレーオフの新設が日程発表後に決定したため、地区シリーズの日程に影響が出ないようにこの年のみホーム開催が2試合-3試合に戻された。また、このシーズンからディビジョンシリーズでは同じ地区に所属している球団同士では対戦しないという決まりは廃止された。

リーグチャンピオンシップシリーズ

2試合-3試合-2試合とホームで先に開催するホームフィールド・アドバンテージは、勝率の高いチームにある。同勝率の場合の決め方はワイルドカードプレーオフやディビジョンシリーズと同じだが、ワイルドカードのチームは勝率にかかわらずホームフィールド・アドバンテージを得られない。1984年までは5戦3勝制で行われ、ホーム開催も2試合-3試合と割り振られていた。

リーグ準決勝とリーグ優勝決定戦では、シーズン勝率が高い方(同じ場合は直接対決で勝ち越した方)にホームアドバンテージ(シリーズ開幕権)が与えられる。ただし、ワイルドカードのチームは勝率・対戦成績にかかわらずホームアドバンテージは持てない。1997年頃まではこの制度は存在せず、シーズン勝率が低いほうにシリーズ開幕権が与えられたケースもあった(1995年のアメリカンリーグの場合、チャンピオンシップは勝率1位のインディアンス対勝率3位のマリナーズの組み合わせとなったが、現行のルールではクリーブランドで開幕するのに対し、この年はシアトルで開幕)。

ワールドシリーズ

ホーム開催の割り振りは2試合-3試合-2試合となっており、ホームアドバンテージは2003年からその年のオールスターゲームの勝利リーグに与えられることになり、真剣度の高い大事な試合へと変わっていった。この規定になる以前は毎年交代でホームアドバンテージが与えられていた。ホームフィールド・アドバンテージを持つチームの球場で第1、2戦(第6、7戦)が開催される。また、アリーグのチームの球場で行う試合では指名打者制があり、ナリーグの球場では指名打者制が採用されない。

脚注