モン・ミエン語族(モン・ミエンごぞく、Hmong-Mien languages)またはミャオ・ヤオ語族(ミャオ・ヤオごぞく)は、中国南部から東南アジア北部の山岳地帯に分布する少数民族言語からなる語族である。代表的な言語としてミャオ語ミャオ族)とヤオ語ヤオ族)、さらにシェ語福建などに住むシェ族)がある。この地域には、シナ・チベット語族タイ・カダイ語族に属する言語が多く、これらに比べるとモン・ミエン語族の言語数・話者数ははるかに少ない。

モン・ミエン語族
ミャオ・ヤオ語族
話される地域中国, 東南アジア
言語系統オーストリック大語族?
下位言語
ISO 639-5hmx
分布図 橙:モン語派、緑:ミエン語派

かつてはシナ・チベット語族に含められたが、現在では別の語族とされる。故地は中国中部から南部と考えられる。この語族の住民は現在、中国南部の雲南貴州広西湖南湖北四川などの地域に多く住んでいるが、歴史的には漢民族に圧迫されて南に移動したといわれており、現在ではさらに南のタイミャンマーラオスベトナムの山岳地帯にも住んでいる。大渓文化の遺骨からモン・ミエン語族に関連するY染色体ハプログループO-M7が高頻度で発見されており、もともとは大渓文化の担い手であったとされている[1]

単音節的な孤立語で、声調言語である。特に声調は多数あって、周辺諸言語の声調は本語族の影響で成立したものではないかとの考えもある。

分類 編集

ミャオ・ヤオ語族 Hmong-Mien languages zh:苗瑤語系

ミャオ語派

ミャオ語(湘西方言黔東方言川黔滇方言)

布努語Bunu(布努方言Bunao、瑙格劳土語努茂土語)

巴哼‑優諾諸語

巴哼語Paheng/Pathen(巴哼方言Paheng/Pathen、唔奈方言Wunai)

優諾語Yuno

炯奈‑畲諸語

炯奈語Kiongnai

畲語(活聶語)

ヤオ語派

ヤオ語「勉・金門方言(勉方言Mien d.、金門方言)、標敏方言Biao-jiao d.、藻敏方言Zaomin d.」

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Li, Hui; Huang, Ying; Mustavich, Laura F.; Zhang, Fan; Tan, Jing-Ze; Ling-; Wang, E; Qian, Ji; Gao, Meng-He; Jin, Li (2007). "Y chromosomes of prehistoric people along the Yangtze River". Human Genetics 122 (3-4): 383–388. doi:10.1007/s00439-007-0407-2. PMID 17657509.