ラッシュ (イギリスのバンド)

ラッシュ (Lush)は、イギリスロンドン出身のロックバンド1987年結成。フィードバック・ノイズを用いたシューゲイザー的なサウンドと、ファルセットを多用したボーカルが特徴である。

ラッシュ
Lush
'90年代初頭(左からフィル、エマ、クリス、ミキ)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル シューゲイザー
ドリーム・ポップ
ノイズポップ
ブリットポップ
活動期間 1987年 - 1996年
2015年 - 2016年
レーベル 4AD (UK) / リプリーズ (US)
公式サイト 4ad.com/artists/lush
旧メンバー ミキ・ベレーニ
エマ・アンダーソン
フィル・キング
クリス・アクランド
メリエル・バーハム
スティーヴ・リッポン
ジャスティン・ウェルチ

来歴 編集

イングランドのクイーンズカレッジで、14歳だったハンガリー人と日本人のハーフであるミキ・ベレーニと、エマ・アンダーソンが知り合う。

1988年にロンドンのPolytechnic Universityで英文学を勉強していたミキは、そこでクリス・アクランドとスティーヴ・リッポン、メリエル・バーハムと知り合い、エマと一緒に「The Baby Machines」というバンドを結成する[1]

エマの友人であるケヴィン・ピカリング (Kevin Pickering)がバンドを「ラッシュ (Lush)」と命名する。1988年の3月に最初のライブを行い、プレスから好意的な評価を受けた。しかし、当時ボーカルだったメリエルが脱退してペイル・セインツに加入したため、代わりにミキがボーカルを取ることになる。

1989年に4ADと契約して、ジョン・フライアー (John Fryer)のプロデュースで6曲入りミニアルバム『Scar』をリリースする。翌1990年、コクトー・ツインズのロビン・ガスリーによるプロデュースでシングル「Mad Love」をリリースし、続けてティム・フリーズ・グリーンのプロデュースで「Sweetness and Light」をリリースする。また、これまでの3つのリリースの曲をまとめた編集盤『ガラ』がアメリカでリリースされる。このタイトルは、画家のサルバドール・ダリの妻ガラ・エリュアールの名前から取っている。

1991年にはライドと共にアメリカ・ツアーを行う。同年末にスティーヴが小説を書くことに専念するために脱退し、代わりに元『NME』誌の記者であるフィル・キングが加入する。1992年、ロビン・ガスリーのプロデュースでファースト・アルバム『スプーキー』をリリースし、全英アルバムチャートで7位に入るヒットとなる。

1994年、マイク・ヘッジ (Mike Hedges)のプロデュースとアラン・モウルダーのミックスによるセカンド・アルバム『スプリット』をリリース。また、同時に『Hypocrite』と『Desire Lines』の2枚のEPをリリースする。

1996年、最後のアルバムとなる『ラヴライフ』をリリースする。シューゲイザー的なサウンドは薄れ、パルプのフロントマンであるジャーヴィス・コッカーが参加するなど、当時流行していたブリットポップの影響を受けた作風に変化し、全英アルバムチャートで8位に入っている。

同年10月、クリスが実家で首を吊って自殺。残されたメンバーは長い間悲嘆に暮れ、翌1997年2月に解散(公式に解散が宣言されたのは翌年2月)[1]

解散後、ミキは、レンタルズのアルバム『セヴン・モア・ミニッツ』や、コクトー・ツインズのサポートメンバーだったタテ・ミツヲのソロユニットFlat7の『Lost in Blue』にゲストとして参加している。エマは、リサ・オニール (Lisa O'Neil)とSing-Singを結成する。フィルは、ジーザス&メリーチェインに参加している。

2015年、20年ぶりに再結成を発表。翌年5月6日にロンドンのラウンドハウスにて、再結成後初ライブを行った。ドラマーには元エラスティカのジャスティン・ウェルチが参加した[2][3]。10月18日にベースのフィル・キングが抜け、モダン・イングリッシュのマイケル・コンロイのベース演奏による最終ライブを11月25日にマンチェスター・アカデミーで行った。

メンバー 編集

 
レンヌにて(1990年4月)
  • ミキ・ベレーニ (Miki Berenyi、1967年3月18日生まれ) - ボーカル、ギター (1987年–1996年、2015年–2016年)
日本人とハンガリー人のハーフである。[4]
  • エマ・アンダーソン (Emma Anderson、1967年6月10日生まれ) - ボーカル、ギター (1987年–1996年、2015年–2016年)
  • フィル・キング (Phil King) - ベース (1992年–1996年、2015年–2016年)
  • クリス・アクランド (Chris Acland) - ドラム (1987年–1996年) ※1996年死去
  • メリエル・バーハム (Meriel Barham) - ボーカル、ギター (1987年–1988年)
  • スティーヴ・リッポン (Steve Rippon) - ベース (1987年–1992年)
  • ジャスティン・ウェルチ (Justin Welch) - ドラム (2015年–2016年)

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • 『スプーキー』 - Spooky (1992年)
  • 『スプリット』 - Split (1994年)
  • 『ラヴライフ』 - Lovelife (1996年)

コンピレーション・アルバム 編集

  • 『ガラ』 - Gala (1990年)
  • 『クッキー』 - Cookie (1994年)
  • 『トポリーノ』 - Topolino (1997年)
  • 『チャオ! - ベスト・オブ・ラッシュ』 - Ciao! The Best of Lush (2001年)
  • Chorus (2015年)
  • Origami (2016年)

シングル、EP 編集

  • Scar EP (1989年)
  • Mad Love EP (1990年)
  • Sweetness and Light (1990年)
  • De-Luxe (1991年)
  • Nothing Natural (1991年)
  • For Love EP (1992年)
  • 「スーパーブラスト」 - Superblast (1992年)
  • Nothing Natural (1992年)
  • Hypocrite (1994年)
  • Desire Lines (1994年)
  • Single Girl (1996年)
  • Ladykillers (1996年)
  • 500 (Shake Baby Shake) (1996年)
  • Blind Spot (2016年)

脚注 編集

  1. ^ a b Thompson, Dave (2000) Alternative Rock, Miller Freeman, ISBN 0-87930-607-6, p. 478-9
  2. ^ 英バンド・ラッシュが、約20年ぶりにライヴを行うことが明らかに - NME Japan | 2015年9月29日
  3. ^ Lush, Roundhouse, gig review: Reformed band still have 'power to thrill and inspire' - The Independent | 2016年5月9日
  4. ^ Under the Rader Issue #19 Fall 2007

関連項目 編集

外部リンク 編集