大入島
大分県、佐伯湾にある島
大入島(おおにゅうじま)は、大分県佐伯市の佐伯湾に浮かぶ離島である。
大入島 | |
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大入島 | |
所在地 | 日本(大分県佐伯市) |
所属諸島 | 豊後諸島 |
面積 | 5.56 km² |
海岸線長 | 17 km |
最高標高 | 193.5 m |
最高峰 | 遠見山 |
プロジェクト 地形 |
地理 編集
佐伯市本土から北北東約700mに位置し、周囲約17km、面積5.66km2のひょうたん形の島である。最高地点は標高193.5mの遠見山。島の一部は、日豊海岸国定公園に指定されている。
地名 編集
江戸時代から以下の8つの集落があり、佐伯市への合併後も大字として残っている[1]。地元の人達の地名の呼び方は「浦」を省略しているが、「久保浦」だけは何故か「浦」を省略せずに呼んでいる。
- 日向泊浦(ひゅうがどまり)
- 塩内浦(しうち)
- 荒網代浦(あらじろ)
- 石間浦(いしま)
- 守後浦(もりご)
- 久保浦(くぼうら)
- 片神浦(かたがみ)
- 高松浦(たかまつ)
人口 編集
歴史と文学 編集
- 古墳時代 - 1901年(明治34年)に荒網代浦で古墳時代後期の東島(とうしま)古墳が発見されている[4]。
- 江戸時代 - 佐伯藩領上浦村の一部で、上浦村組に属する枝郷8ヶ村(石間浦、守後浦、荒網代浦、塩内浦、久保浦、片神浦、高松浦、日向泊浦)があった。
- 伊能忠敬も測量のため大入島に立ち寄った記録がある。
- 明治時代の作家 国木田独歩が佐伯市に滞在中に書いた小説「源叔父」の作中に登場する妻の人物は、大入島出身の人であるといわれている。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 8ヶ村が合併し、大入島及び片白島を村域とする大入島村が発足。
- 1941年(昭和16年)4月29日 - 合併により佐伯市の一部となる。
産業 編集
- 主要産業は漁業。また、水産加工業も盛んで、「佐伯イリコ」、「佐伯チリメン」として知られるちりめん・いりこが名産である[5]。1999年度(平成11年度)から島の農水産品を原料とした特産品づくりが行われており、「おおにゅうじまん」というブランドでごまだしやたこめし等を販売している[5]。
- やまももを収穫し、やまももジャムを、海の家 あじも[6]で販売している。
- 新栄丸[7]が、国内初となるフリップファームシステムという牡蠣の養殖方法により、「大入島オイスター」が通販でも販売され、全国に出荷している。
公共機関 編集
教育 編集
かつては以下の学校及び幼稚園があったが、すべて休校・閉校(休園・閉園)している。
交通 編集
戦前は山道しかなかったが、戦後は海岸沿いに道路が建設された。島の北半島は「一般県道691号大入島北循環線」、南半島は「一般県道692号大入島南循環線」の県道が整備されている。県道は島中心部で8の字に繋がって、1周を約17kmあり、車で通行することができるが、一部で幅員の狭い区間もある。
- 島外交通
- 大入島フェリー(旧社名:大入島観光フェリー)が佐伯港と島南端にある石間港(フェリー乗り場)の間でカーフェリー(所要時間約7分)を運航しているほか、佐伯港と大入島各地を結ぶ定期船(マリンバス)が就航している[15]。
- 大入島と本土とを結ぶ架橋構想(大入島連絡道路、大入島架橋)がある。1981年(昭和56年)に大入島架橋建設促進期成会が発足した。1994年度(平成6年度)から1996年度(平成8年度)にかけては、大分県と佐伯市が「大入島連絡道路基本計画検討調査」を実施し、建設手法、架橋位置、費用などの検討が行われたが、具体化の目途は立っておらず実現の可能性は限りなく低い[5]。
- 島内交通
- 大入島コミュニティバス(佐伯市コミュニティバス大入島線)が、「フェリー乗り場」と島東部の「荒網代東」の間を、海岸線に沿って運行している[16]。
祭事・催事 編集
名所・旧跡・観光スポット 編集
- 神の井(かみのい) - 神武天皇が砂浜に弓を突き立てて掘ったと伝えられる「神の井伝説」の井戸が日向泊浦にある。この井戸は海岸の近くにあるため、大潮満潮時には波が打ち寄せて海水が流れ込む様子が見られることもある。豊の国名水15選に選定されている[18]。
- 大正天皇駐蹕記念碑 - 1911年(明治44年)10月23日、皇太子時代の大正天皇が豊後水道での海軍大演習に際して大入島に上陸したことを記念する碑[19]。
- 大入島カンガルー公園 - 大入島食彩館の横にあるオーストラリア、グラッドストン市との友好の証としてオープンした広場。広場内にはグラッドストン市の彫刻家ポール・アダムソン氏の手によるブロンズ像「寝そべるカンガルー像」や、アボリジニーアートが描かれたトーテムポール、オーストラリアの木々が整備されている。
- 人形碑(にんぎょうばえ)、万葉歌碑 - 日向泊浦に、人の形に見える岩が海岸にある。
宿泊施設・お食事処・お土産・店舗 編集
出身者 編集
脚注 編集
- ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会 (18 November 1980). "大入島村". 角川日本地名大辞典 44 大分県. 角川書店. p. 199.
- ^ 平成26年版 大分県統計年鑑 1 土地および気象 5 島しょ (Microsoft Excelの.xls) 大分県
- ^ “統計で見る日本”. 2022年2月10日閲覧。
- ^ 佐脇貫一「佐伯地方の姓氏 8:清家氏と山田氏」『佐伯史談』第131号、佐伯史談会、1968年10月、15-23頁。
- ^ a b c “大分県離島振興計画 平成25年度~34年度” (PDF). 大分県 (2013年6月). 2019年6月22日閲覧。
- ^ a b “海の家あじも”. 2023年5月1日閲覧。
- ^ “合同会社新栄丸”. 2023年10月13日閲覧。
- ^ “大入島郵便局(大分県)”. 日本郵政グループ. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “佐伯警察署”. 大分県警察本部. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “佐伯市国民健康保険大入島診療所”. 大分県. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “佐伯市公共施設ガイド - 幼稚園”. 佐伯市. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “学校紹介 沿革”. 佐伯市立大入島小学校. 2019年6月22日閲覧。
- ^ a b “平成29年度 大分県学校要覧” (PDF). 大分県教育委員会 (2019年1月). 2019年6月22日閲覧。
- ^ “大入島中学校沿革史”. 佐伯市立大入島中学校. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “交通アクセス 大入島”. おおいたの島めぐり. 大分県離島振興協議会. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “市政ガイド|交通アクセス”. 佐伯市. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “大入島トンド火まつり”. 佐伯市観光大百科. 佐伯市観光協会. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “豊の国名水(神の井)”. 大分県. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “大正天皇駐蹕記念碑”. 佐伯市観光大百科. 佐伯市観光協会. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “研修宿泊施設 マリンハウス海人夏館”. 佐伯市観光大百科. 佐伯市観光協会. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “里の駅・海の駅 「大入島食彩館」”. 佐伯市観光大百科. 佐伯市観光協会. 2019年6月22日閲覧。
- ^ “赤いやね”. 2023年7月1日閲覧。
- ^ “香隆丸”. 2023年3月20日閲覧。
関連項目 編集
外部リンク 編集
- 大入島 おおいたの島めぐり(大分県離島振興協議会)
- 九州オルレ さいき・大入島コース GUIDE MAP 佐伯市観光協会
- 大分県グリーンツーリズム民泊 花水木 花水木