笑ひのガス

1914年公開のアメリカ合衆国の短編サイレント映画

笑ひのガス』(わらいのガス、Laughing Gas)は、1914年公開の短編サイレント映画キーストン社による製作で、監督はチャールズ・チャップリン。1971年に映画研究家ウノ・アスプランドが制定したチャップリンのフィルモグラフィーの整理システムに基づけば、チャップリンの映画出演20作目にあたる[1][注 1]

笑ひのガス
Laughing Gas
監督 チャールズ・チャップリン
脚本 チャールズ・チャップリン
製作 マック・セネット
出演者 チャールズ・チャップリン
フリッツ・シェイド
アリス・ハウエル
ジョゼフ・サザランド
スリム・サマーヴィル
ジョゼフ・スウィッカード
マック・スウェイン
撮影 フランク・D・ウィリアムズ
配給 キーストン・フィルム・カンパニー
公開 1914年7月9日
上映時間 16分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 サイレント映画
英語字幕
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Laughing Gas

あらすじ 編集

チャーリーは歯科医(フリッツ・シェイド英語版)のもとで歯科助手を務めていたが、ある時歯科医が患者に麻酔笑気麻酔?)を与えたところ、突然患者が笑い出して止まらなくなり、チャーリーはハンマーで一殴りして患者を黙らせる。歯科医の指示で薬局に行ったチャーリーは通行人と喧嘩をし、二人の通行人にレンガを投げつけて歯を折る。さらに歯科医の妻(アリス・ハウエル英語版)のスカートをふとした拍子に引き下ろしてしまう。笑っていた患者は、自然に回復して歯科医の知らぬ間に出て行ってしまう。戻ってきたチャーリーの頓珍漢な治療は続き、女性客にまとわりついたり歯を折られた被害者の正常な歯をペンチで抜いたりして、被害者二人や歯科医、同僚とも喧嘩。ついには女性患者に張り倒されてノックダウン(右映像または#外部リンクのインターネットアーカイブ・YouTube映像参照)。

背景 編集

歯科は、チャップリンが少年期に直接接し、のちに自身も身を置いたミュージックホールの世界においては定番のネタであった[2]。チャップリンは『笑ひのガス』の完成後に『チャップリンの道具方』と『チャップリンの画工』を続けて撮影するが、結果としての出来栄えの差はあれど、3作連続でヴォードヴィルに由来する作品を手掛けることとなった[2]

キャスト 編集

ほか

日本語吹替 編集

俳優 日本語吹替
チャールズ・チャップリン 高木渉
フリッツ・シェイド 駒谷昌男
アリス・ハウエル 小宮和枝
(ナレーター) 羽佐間道夫
この作品はサイレント映画だが、チャップリンのデビュー100周年を記念し、日本チャップリン協会監修のもと、スターチャンネルで日本語吹替が製作された[4]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1914年製作、2010年発見の『泥棒を捕まえる人』を除く。

出典 編集

  1. ^ 大野 2007, p. 252.
  2. ^ a b ロビンソン 1993a, p. 166.
  3. ^ 吹替で蘇る!チャップリン笑劇場”. STAR CHANNEL. 2014年11月1日閲覧。[リンク切れ]
  4. ^ 笑いのガス”. STAR CHANNEL. 2022年10月14日閲覧。

参考文献 編集

  • デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴高田恵子 訳、文藝春秋、1993年4月。ISBN 978-4-1634-7430-4 
  • 大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年3月。ISBN 978-4-1408-1183-2 

外部リンク 編集