VHSVolkshochschule (民衆大学)、通称:VHS)は、ドイツ語圏またはによって運営されている市民の為のカルチャースクールである。略してVHS。Volks(フォルクス)は「民衆の」と言う意味で、Hochschuleは「大学」と言う意味であるが、日本では「市民大学」や「市民学校」とも呼ばれてきた。

ドイツ語で会話の中で表現する時はフォルクス ホッホ シューレとフルネームで発音されるが、文書として書く時はVHSと略される事が多い。外国人の多い大都市では英語読みのブイ・エイチ・エスの方が通じやすい事もある。現地の日本人の間ではフォルクスまたはブイ・エイチ・エスと呼ばれている[要出典]

概要 編集

許可を得た一般市民が講師となり、公立の学校や市が保有する建物を使ってコースを開いている。その市に居住している住人であれば誰でもコースを申請して講師として教える事ができる。ただしコースが承認されるには、一定の能力があると言う証明書などを市に提示しなければならない。市からの補助金もあり、講師が完全なるプロとは言いきれないため、VHSのコースは破格に安い金額で用意されている。安価に趣味を学べるためドイツ語圏では大変人気のあるカルチャースクールである。

VHSは学校法人として認められている訳ではなく、日本で言えばカルチャースクールに値するため、コースを終了しても学位は得られない。VHSに通う生徒は社会的に学生と認定されておらず、電車や美術館の学割などは対象外である。

コース内容 編集

ドイツ語講座、英会話、水泳ヨガ空手、絵画など、様々なコースが用意されている[1]。一般に、大都市ほどいろんなスキルを持った市民が居住しておりバラエティーに富んだコースが存在する。

ドイツ語講座 編集

外国人の為のドイツ語講座(Deutsch als Fremdsprache)はレベルや頻度や時間帯によってコースの選択肢が豊富にある事が多い。授業は大人数制で、1コースにつき最大20人(最小8人)[2]の生徒を入れてコースを進める。レベルは大きく3つに分けられるが、都市によってさらに細かく6段階[3]や12段階に分けられる事もある。上のクラスに進む場合はレベルチェックテストを受けなければならない。または、担当講師の独断によってテストなしで入れる場合もある。

頻度は週5日から週1日まで都市によって様々な頻度が用意されている。時間帯も午前中、午後、夜間とさまざま。

コース料金は市からの補助金があるため安価である。各都市によって値段が違うが、例えば週20時間を8週間行うコースがベルリンのVHSでは114ユーロ(2012年3月現在)[2]

生涯教育と言えど、ドイツ語コースは他国からの移民を対象としているため、通って来る生徒は今後ドイツ語圏で勉強や就労を目的とした18歳から25歳の生徒が多い。しかし年齢制限はなく、居住している住民なら誰でもコースに申し込む事ができる。

外部リンク 編集

脚注 編集

  1. ^ Kursprogramm der Berliner Volkshochschulen ベルリンVHSのプログラム一覧
  2. ^ a b Kursliste ベルリンVHSのコースリスト
  3. ^ Deutsch als Fremdsprache ベルリンVHSのレベル分け