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水泳をする様子を描いたローマのカラカラ帝時代の硬貨(2世紀末から3世紀初頭ころ)
イスラエルにある古代のプールの遺跡
SwimmingThomas Eakins画、 1895年
サントリーニ島のカルデラの温泉での水泳
現代の、健康法レクリエーションリラクセーションなどとしての水泳

水泳(すいえい、: swimming)とは、水の中を泳ぐこと [1]である。

概要編集

人類は昔から河川などで泳ぐことがあった。日本では、古くは[いつ?]水の中を泳ぐ技術は「水術」と呼ばれ、日本では武術のひとつとされ、実用的な観点からさまざまな技法(泳法)が編み出された。現在[いつ?]では水泳はスポーツレクリエーションとして行われることが多い。

実用

橋が無い川を渡る場合、腰あたりよりも水位が高い場所にたどりついたら結局泳がざるを得なくなる。 古代では、川に橋が整備されている場合のほうが珍しく、付近に渡し船も無ければ、結局、各人泳いで渡らざるを得なかった。こうした水泳は実用目的であり「泳ぎ切れるか、事前に適切に判断する」ことや、「溺れずに泳ぎ切る」ということが大切である。

現代でも、たとえば漁師が実用性重視で水泳を身につける場合、タイム(速さ)などというのは、どうでもいいことである。それよりも、たとえば沖合で船が転覆などした時に、「救助が来るまで、数時間(~数日)に渡り、水面に浮かんでいられるか?」ということが大切であり、仰向けになってゆらゆらと浮かぶように泳ぐことが大切になる。転覆した時に海岸が数キロ先に見えている場合には、「その数キロを、ゆっくりで良いから、自力で泳ぎきることができるか?」ということのほうが真に大切である。泳ぐ「速さ」などというのは、実用性という観点からは、どうでもいい問題であり、大切なことは「生き残ること」であって、遠泳を行う場合は、体力温存を最重要視し(平泳ぎなどの泳法を選び)、意識的にゆっくりと一定ペースで泳ぐことが大切である。あせって速くおよぐ人ほど 体力を無駄遣いし、早期に使い果たし溺れ死んでしまう。

レクリエーション
海で泳ぐ場合は特に海水浴といい、「健康法」の一種ともされる。
競技
競技としての水泳は競泳と言う[注 1]。初期には、川・池・湖・海などの水面をロープ(および浮きなどを組み合わせたもの)で区切って簡易なコースをつくり行われることが一般的であったが、次第に人工的なプールが普及し、競技のほとんどがプールで行われるようになってきた。プールも、初期には屋根の無いプールで行われていたが、屋根が無いと屋外の塵や枯葉などがプールに入りこんで水質が悪化してしまうので、後に屋根付きプールが普及した。さらに、水温まで適温に管理された恵まれた環境のプールで行われるようになってきた。現在、オリンピックなどの競技大会は屋内、屋外のプールでのみ行われている。
一方、自然環境の中で長距離を泳ぐことを競技としたのが、オープンウォータースイミングトライアスロンの「スイム」であり、海や湖で行われている。
水泳と健康
水泳は、全身の筋肉と総合的な身体能力を養える運動であり、水圧によるマッサージ効果によって全身の血行が促進されることから、健康維持に有効な運動として注目されている。また、浮力によって重力による負担が軽減されるため、ジョギングなどで起きやすいヒザなどへの負担が少ないことから、リハビリテーションとしても積極的に活用されている。運動時における熱中症の可能性がとても低いので暑いときの運動としても取り入れられている[注 2]
動物と水泳
 
泳ぐ馬。
全ての動物は、起源をたどれば、もともとは泳ぐ動物から次第に形態を変化させてきた(進化した)ので、ほとんどの動物は生まれつき泳ぐことができると言われている。また、地球の70%が海で覆われ、陸地にも川・湖・池が多く存在していることから、動物にとって水泳は切っても切れない運動となっている。水中動物や両生類だけではなく、陸上動物や鳥類も生きていくための水や食料(魚貝類)の確保のために水辺に集まって水泳を行う。他にも水浴、移動のための川の横断、水害からの避難などによって水泳を行うため、ほぼ全ての動物は潜在的には水泳ができるとされている。ヒトゴリラなどの霊長類も太古から現在まで同様に生きていくための水泳は行っているが、他の動物と比較して相対的には泳ぎがあまり得意ではないと言われている。アメリカ合衆国などではコーチと母親が一緒になって乳幼児をプールに浮かべて泳がせる教室もあり、吸収の速い乳幼児に水に触れさせることで簡単に泳ぎを習得させることに成功している。その時期を超えると、逆に人は訓練無しには泳げなくなってしまう(ちょうど、どんな言葉でも乳幼児の段階で教え始めると「母国語」として簡単に習得できるのに、その時期を逃すと、意識的に習得しなければならなくなってしまうようなことが起きている)。一方で、一度習得すると長い間泳いでいなくても忘れることはなく、最も忘れ難い運動とも言われている。特に泳ぎが下手な人間のことを日本語では俗に「カナヅチ」という(参照)。

歴史編集

人が泳ぎ始めた時期については資料が無くはっきりとは分かっていない。 最初期の泳ぎは動物の泳ぎの模倣で、犬掻き平泳ぎに似ているものであったとされている。水泳は己の身体のみを使って行う普遍的な運動の一つとして始まった[要出典]とされている。 [2][3][4][5]

 
Cave of Swimmersの壁画に描かれている、泳ぐ人々。およそ1万年前に描かれたと推定されている。

アフリカにはCave of Swimmersという、人々が泳いでいる姿を描いた壁画が残されている洞窟がある。この壁画はおよそ1万年前に描かれたと推定されている。

古代ギリシア時代には水泳が盛んであったことも当時の絵画や彫刻からわかる。古代ギリシア・古代ローマ時代の身体訓練では水泳が重要な科目とされており、文化人の条件としても文字が読めることと並んで水泳ができることが必要とされていた。3000年前に西南アジアにあった古代王国アッシリアの旧地から発掘されたレリーフには、兵士が泳いで川を渡っている姿が描かれている。記録としては、古代エジプトのパピルス文書(紀元前2000年)、アッシリアのニムルド出土の兵士の図(紀元前9世紀)、古代中国荘子列子淮南子などがある。 [6]

[要出典]中世においても動物の泳ぎを模倣した段階であった。

19世紀に入ってイギリスの産業革命後、スポーツの近代化とブルジョワジーが賭けレースをするようになったことを背景として泳ぎにスピードが求められるようになった。そのため泳ぎに改良が加えられていき、もっとも原始的な泳ぎの形であるとともに平泳ぎの原型となる「両手で同時に水を掻き、両足で同時に水を後方に押しやる泳ぎ」から「両手で同時に水を掻き、両足を左右に開いたのち勢いよく水を挟んで前進力を得る『蛙股(現在のウェッジキック)』」が考案され、現在の平泳ぎが完成した。[6]

日本泳法は日本で古くからあった泳法で、武術の一部でもあり、戦(いくさ)の時に用いたり、生き残りをかけた場面での用いることを想定しており、きわめて実用的なものとして発達し、戦うために生きた武士が実用的な目的で身に付けたものであった。(つまり、もともと生死がかかった状況を切り抜けるなど、生き残り重視、「いくさ」の場での実用性重視の技能であり、他者との細かなタイムや点数比較ばかりに焦点を当てた現代風の非実用的な競技ではない。競技化に意識が向くようになったのは、あくまで近年のことにすぎない)。伸泳(のしおよぎ)、片抜手(かたぬきて)、扇平泳(あおりひらおよぎ)、抜手(ぬきて)、立泳(たちおよぎ)、潜(もぐ)り、浮身(うきみ)、逆飛(さかとび)などの技法を含む。江戸時代に神統流、小堀流踏水術、山内流、神伝流...といったように、10以上の流派が生まれた。

忍者たちは、水音(みずおと)を全く立てないで泳ぐ技法などを特に磨いた。また、頭部(アゴから上、顔面)を水面につけず、衣類を紐でまとめて頭頂部に乗せ、アゴの下で結んでその衣類を濡らさないで泳ぐ技法も編み出し身に付けた(これらの泳法・技法を、敵の城のを夜間にこっそりと(裸で)泳いで渡り、渡り切ってから、乾いた衣類を身につけて、敵の城に潜入する手法として用いた。)この泳法なども、「音を立てない」「水しぶきを一切とばさない」「自分が作り出す波(波紋)も極限まで減らし、近くに人が通っても、気付かれないようにする」ということこそが最重要視されており、このように、戦国時代~江戸時代では、真に実用的な観点で水泳の技法が開発され、習得された。[7]

教育編集

 
Pont d'Iénaでの水泳教室(Garsonnet画、1852年

欧州での水泳教育編集

スウェーデンデンマークノルウェーフィンランドでは、5年生の11歳のカリキュラムで、すべての子供が泳ぐ方法と水の近くで緊急事態に対処する方法を学ぶべきだと定めている。

イギリスでは、 primary school 初等教育(小学校教育)での水泳教育について、 National Curriculum(イギリス版の「国定カリキュラム」。指導要領。)によって、以下のように目安を定めている[8]

  • pace themselves in floating and swimming challenges related to speed, distance and personal survival[8]水に浮かび、泳ぐことに挑戦し、速さや距離やサバイバルにつながることを行う。
  • swim unaided for a sustained period of time over a distance of at least 25 metres[8] 他者の補助無しで、時間をかけてでも、最低でも25m泳げるようになる
  • use recognised arm and leg actions, lying on their front and back[8] うつ伏せやあおむけになって、認められた腕と脚の動作を用いるようになる。
  • use a range of recognised stroke and personal survival skills (such as front crawl, backstroke, breaststroke, sculling, floating and surface dives)[8] さまざまな認められたストロークやサバイバル技術を用いるようになる(たとえば、クロール泳法、背泳ぎ、平泳ぎ、脚の蹴り、水面に浮かぶこと、水に飛び込むこと 等々)。

このように定められているので、各小学校ではこれらを教える責任がある。だが、National Curriculumで上記のように定められているにもかかわらず、イギリスの小学生の45%は 25mを泳ぐことができない[8]

英国には、11歳までに泳ぐことができない児童を対象に、集中的な毎日のレッスンを受けるよう求める「トップアップ制度」がある。スコットランドでは、プライマリ5年生である8歳または9歳の生徒が水泳レッスンを受ける。スコットランドのレッスンは、一般に、STA(水泳教師協会)またはASA(アマチュアスイミングアソシエーション)の2方式の制度に従う。スコットランドの優秀カリキュラムには泳げる距離についての定めがない。

オランダベルギーでは、授業時間中の水泳レッスン(schoolzwemmen、「学校の水泳」)を政府が支援している。

ドイツオーストリアでは、学校の水泳(Schulschwimmen)は子どもの約90%に「初歩泳者」(Frühschwimmer)資格を取らせることを目的とした小学校のカリキュラムの一部である。教育大臣によって設定された目標は95%であり、実際のパーセンテージは一部の学校で75%と低い。この資格を定めたのは、オーストリアでは民間組織と政府機関の共同委員会であるオーストリア水救助作業委員会(Arbeitsgemeinschaft Österreichisches Wasserrettungswesen)である。初歩の次のレベル1の 「自由泳者」(Freischwimmer)は、15分間の自由形水泳、水中への1メートルの飛び込み、および水泳のルール10項の習得を必要とする。記章は1波と青銅ピンのバッジ。レベル3「日常泳者」(Allroundswimmer)は、100メートルのフロントクロールと100メートルのバッククロールの都合200メートルの連続スイミング、2分30秒未満の100米スポーツスイミング、ダイブジャンプの後の水中での水泳10メートル、重り2,5キロをつけての水深2メートルからの厚い物体を拾い上げ、バッククロール50メートル、同程度の体重の人との20メートルの救助泳、水泳のルール10項の習得を必要とする。記章は1波とゴールドピンのバッジ。ドイツでは「水泳記章」(Schwimmabzeichen)は初歩、ブロンズ、シルバー、ゴールドの4つのレベルに分かれる。「初歩泳者」の水泳テストでは、周りからの飛び降り、自由形水泳25メートル、水面下のものの拾い上げをする。シルバーバッジでは、12分以内の400メートルの水泳、2メートル以上の深い水からの物体の拾いあげ、周りからの飛び降り、水中での10米水泳が必要である。ライフガード証明書は、組織ごとに別々に制定されている。初歩レベルは、世界最大の水難救命機関DLRGでは下級救助者(Junior-Retter)であり、ドイツ赤十字の水難救助分社である水守衛社では下級水救助者(Juniorwasserretter)である。

フランスでは、学校の水泳(natation scolaire)は小学校2年生、3年生、または4歳から6歳までの子どもたちの体育のカリキュラムの一部である。

スイスでは 「水泳試験」(Schwimmtests)は技能横断的な構成になっていない。各能力は単独でテストされ、複数のテスト証明書がグループを成す。基本レベル・グループなら「蟹」(Krebs)、「獺」(Seepferd)、「蛙」(Frosch)、「人鳥」(Pinguin)、「烏賊」(Tintenfisch)、「鰐」(Krokodil)、「北極熊」(Eisbär)の7種の試験がある。

米国での水泳教育編集

米国の疾病予防管理センターでは、溺死を防ぐための予防措置を講じたうえで、1-4歳の子供たちに水泳をレッスンすることを勧めている[9]ライフガード証明書はアメリカ赤十字が直接主催するコースで取得する。

米国では、ほとんどのスイミングスクールで、アメリカ赤十字社が定義したスイミングレベル「泳ぐことを学ぶ」を使用している。

  • レベル1:水技の紹介
    • 水になれる。キック、ボブ、水中探査、顔を水につけての往復浮動と滑り、水の中での開眼を行う。このスキルを習得する子供は、浮遊の助けとして、スチロフォームのキックボード、インフレータブルアームフロート、その他の水中装備を使用することが多い。
  • レベル2:基礎的水泳技能
    • 15フィート(4.6米)を往復して泳ぎ、頭を沈め、潜水して物を回収する。
  • レベル3:ストローク開発スキル
    • クロールで15ヤード(14米)を往復して泳ぎ、また周りから深い水に飛び込む。
  • レベル4:ストローク改善
    • 25ヤード(23米)を往復するクロール、15ヤード(14米)の蝶泳ぎと平泳ぎを行う。スイミング中に転回することは認められる。
  • レベル5:ストロークリファインメント
    • すべてのストロークを25ヤード(23米)で披露する。フリップターンは水中にいる距離が15ヤード(14米)以下ならば認められる。
  • レベル6:スキルの熟達
    • 往復100ヤード(91.4米)のを往復するクロール、それぞれ50ヤード(46米)の蝶泳ぎ、バックストローク、平泳ぎ、サイドストロークの、都合500ヤード(457米)の連続スイミングを行う。

カナダでの水泳教育編集

カナダでは、毎年100万人を超えるカナダ人がカナダ赤十字泳ぎプログラムに参加している。生徒がプログラムのレベルを進め、経験を積むにつれて、深い水で泳ぐために学んだテクニックの実用法を身に着け、水泳中も安全であるという自信を高めるようになっている。より速いペースかつ同じ構造の追加プログラムが、安全に水泳する方法を学び自信を深めたい10代の人や大人に向け用意されている[10]

シンガポールでの水泳教育編集

シンガポールでは、ほとんどの水泳学校が、新加坡体育理事会の支援を得て、2010年7月に新加坡國家水安全理事會によって導入された游泳安全計劃を教えている。游泳安全計劃では、子供たちに泳ぐ方法と水中での安全の保ち方を学ばせる。子供はまた、水の安全性一般、プールの出入り方、水中を前後に移動する方法についても学ぶことができる。游泳安全階段3:個人水生存和中風發展技能では子供たちは水中で生き残る方法と、さまざまなレスキュースキルの扱い方を学ぶ。また100メートル泳ぐ。課程の最後は游泳安全黃金:高級個人水生存和游泳技能熟練である。

安全性

日本での水泳教育編集

1955年に起きた紫雲丸事故橋北中学校水難事件から全国の学校で海岸での水泳訓練や水泳プール(授業)を設置する動きが広まったとされる。学校に設置される主だった25m屋外プールの建設費用は、概算で1億円[11][12][13]。25mプール(422立方メートル)を一回満水にする必要な水道料金は約27万円。学校に於ける屋外プール設置総数は2万8千箇所(2007年時)となっている[14]

プールが無い学校(主に北日本・小規模校)の水泳授業、また天候や低水温により十分な水泳授業時間が確保できない場合は通年で利用可能な専用施設を借りて授業を行うことがある[15]。近年では学校生徒だけでなく一般市民向けにも利用可能な学校内プールも存在する。

体育ではスクール水着を着用して小学校低学年水遊びの授業、小学校中学年で浮く・泳ぐ運動の授業、小学校高学年中学校高等学校で水泳の授業、就学前児童のプール遊びが行われている。また授業以外でも、夏休みにプール指導が行われている学校も多い。なお、2012年度以降学習指導要領は小中学校の水泳授業での飛び込み指導を禁じている。

水害から身を守るために泳ぎを習得することの重要性、総合的な身体能力を養えるために身体能力向上の観点から、幼稚園児や小学生などの小さいころから水泳を習うことは非常に効果的であり、またスポーツ少年団より手軽で保護者負担がないことから、スイミングが習い事ランキングで不動の1位になっている。そのため、民間の施設としてスイミングスクールスポーツクラブが数多く開設されており、水泳の習得や身体トレーニングのためだけではなく、水泳(競泳)の有力選手を輩出する大きな役割を担っている。

また、学校や地域によっては競技としてだけではなく、水難事故に備えた着衣水泳の訓練なども行われている。また、日本古来の泳ぎかた(日本泳法古式泳法)の伝承、海での遠泳寒中水泳なども教育訓練の一環として行われている。

学校以外では水泳の習得は任意であるが、海上自衛隊では教育隊において一定上の水泳の能力を得られるように教育を行っている[16]

競技編集

日本語の「水泳」は字義的には「水の中で泳ぐこと」であり、このうち競技を特に「競泳」と言う。(その多くが「タイム(時間)の短さ」を競っているが、そうでない競技もある)。水泳競技には競泳飛込水球アーティスティックスイミングオープンウォータースイミングなどの競技を含むので、オリンピック世界水泳選手権日本選手権水泳競技大会で「水泳」という場合にはこれらすべてを含む場合がある。[17]

競泳
プールを使用して、定められた距離を泳ぎきるのにかかる時間を競う。男女別に行われ、それぞれに個人種目とリレー種目がある。個人種目には、自由形(通常はクロール泳法を用いる、Free Style、略称Fr)、平泳ぎ(Breast Stroke、略称Br)、背泳ぎ(Back Stroke、略称BaまたはBc)、バタフライ(Butterfly Stroke、略称BuまたはFly)の4つの泳法と、4泳法を1人で決められた順番にすべて泳ぐ個人メドレー(Individual Medley、略称IM)がある。リレー種目は、4人とも自由形で泳ぐフリーリレー(略称FR)と、4人が背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ・自由形の順に泳ぐメドレーリレー(略称MR)がある。なお、リレー種目のみ男子2名・女子2名の混合競技がある。距離は、種目により異なるが最短 25m(短水路のみ)から最長200mまで、自由形のみ400m、800m、1500mもある。使用されるプールには片道 50m の長水路と、片道 25m の短水路があり、ターンの回数が多い25mプールの方が良い記録が出るため、短水路記録として別に扱われる。泳法やスタート、ターン、リレーの引継ぎなどには細かい規定がある。第1回オリンピックから実施され、世界的に競技人口が多いメジャーな競技とされている。また、競泳を含むスポーツとして、近代五種競技がある。
飛込
専用の飛込プールを使用して、高い位置にある台から水面に向かって飛び込み、その過程の技術を競う競技である。飛び板飛込と高飛込に大別される。男女別に行われ、個人種目の1m飛び板飛込、3m飛び板飛込、10m高飛込と、2名で同時に同じ演技を行いその同調性を競うシンクロナイズド種目の3m飛び板飛込、10m高飛込がある。シンクロナイズド種目は男子1名・女子1名の混合3m飛び板飛込、10m高飛込がある。チームダイビング(団体)は男子1名・女子1名がそれぞれ3m飛び板と10m台を使って競技する。
水球
プールをフィールドとして、7名ずつの2チームで行う球技で、男女別に行われ、相手のゴールボールを入れることで得点を挙げる、ハンドボールに似た競技である。プールの底に足をつけてボールを扱うことは反則であるため、基本的には立ち泳ぎをしながらゲームを行う。
アーティスティックスイミング
1名(ソロ)、2名(デュエット)、あるいは団体(チーム、通常8名)で、音楽に合わせて技術と芸術性を競う競技である。音楽なしで基礎技術のみを行うフィギュア(通常はテレビ放送されることはない)、音楽に合わせて規定の技術を盛り込んで短時間で演技するテクニカルルーティン、それより長時間で音楽に合わせて技術と芸術性を競うフリールーティンがある。競技会はこの3種目の組合せで行われるが、オリンピックや日本選手権はテクニカルルーティンとフリールーティンで行われる。8〜10名の競技者がルーティンを組み合わせて構成するフリーコンビネーションが行われる競技会もある。女子のスポーツとされていたが、国内では2001年公開の映画『ウォーターボーイズ』のヒットにより「だんののシンクロ」も知られるようになったきょとしてはだんのみのきょうなく、。国際的には男子1名・女子1名のミックスデュエット種目のテクニカルルーティン、フリールーティンが行われている。
オープンウォータースイミング
海・川・湖など自然環境で行われる競泳である。日本泳法の訓練あるいは行事として行われる「遠泳」が、団体での協調性や泳ぎ切るための精神的側面を重視するのとは対照的である。
泳法に制限がないのでクロール泳法が主体だが、泳ぐ方向や風向・潮流の方向などを判断しながらの競技であるため、その局面に合わせた技術が必要である。天候や潮汐など外部からのさまざまな影響を受けやすいため、危機管理も含めて自然の中で泳ぐための知識や経験も必要とされるのは遠泳とも共通する。世界オープンウォータースイミング選手権では、男女ともに5km、10km、25kmで競技が行われている。また、オリンピックではマラソンスイミングとして10kmの競技が行われる。また、オープンウォータースイミングを含むスポーツとして、トライアスロンがある。
ハイダイビング
人工環境で行われる競泳に対して、自然環境で行われるオープンウォータースイミングがあるように、飛込プールで行われる飛込に対して、自然環境(崖など)から飛び込むことを競技化したものがハイダイビングである。競技会では港湾などに男子は27m、女子は20mの飛び込み台を設置して行われ、個人種目が行われる。足からの入水に限定されており、安全のため着水地点の周囲にダイバーが配置されている。
日本泳法
日本泳法は、主に江戸時代に日本各地で武術として発祥・伝承された技術である。自己鍛錬、自己訓練として行われ遠泳、寒中水泳等の行事を伝統とする団体も多い。他方、競技としても行われる。競技会では、泳法技術の完成度を競う泳法競技、おもりを持って立ち泳ぎをして耐久時間を競う支重競技、横泳ぎでの競泳が行われる。毎年夏の日本泳法大会は、日本水泳連盟公認13流派が集う全国大会である。

以上のほか、水泳をきそ的技術として必要とするスポーツは多く、例としてサーフィンライフセービングスキューバダイビングフィンスイミングなどのウォータースポーツが挙げられる。

水泳を行う際は、一般的には水着を着用する。インナーウェア下着)として水着インナーを着用する場合もあるが、競技によってはインナーウェアの着用が禁止されている場合がある。競泳ではスイムキャップゴーグルも使用する。アーティスティックスイミングのルーティン競技では演技に合わせた水着をデザインし特注品を使うこともある。水球では、相手選手に引っ張られたりしにくい特殊な生地の水着を着用する。初心者が水泳技術を習得したり、トレーニングのために使用する用具として、抵抗を増し推進力をつけるためのパドルフィン、浮力を得るためのビート板プルブイなどを使うこともある。

水泳選手編集

脚注編集

  1. ^ 「競泳」ではなく単にそのまま「水泳」と呼ぶことも多い。
  2. ^ 水中での運動をしている限り、熱中症の可能性はとても低いが、水中以外で補強運動などが行われる場合は他の運動時並の注意が必要(水泳の水分補給「熱中症、熱射病、日射病のHP」
出典
  1. ^ 広辞苑【水泳】
  2. ^ 人類は二足歩行を始めた原始時代から生活を維持していくための食物として川や海などに棲む魚貝類の捕獲を必要とした。[要出典]
  3. ^ 移動のための川の横断、水害からの避難、衛生のための洗身、宗教的信仰のための水浴などの機会を通して[要出典] 水の浮力の存在を知った。[要出典]
  4. ^ 浮力を利用して泳ぐ技術を覚えた[要出典]
  5. ^ 地球の70%が海であり、陸地にも川や湖、池が多数存在することから、人類の誕生から生活のために水泳が必要不可欠であったことは当然と考えられる。[要出典]
  6. ^ a b 水泳の歴史
  7. ^ 現代のスポーツ選手が、偏執狂のようになって、やたらと気にしているような「(数パーセントや、1秒、0.01秒)の速さ(タイム)を競う」という要素は、武士や忍者が重視した実用性重視の立場からは、ある意味「ほとんど、どうでもいいこと」である。 現代人でも、たとえば漁師が、実用性重視で水泳を身につける場合、タイム(速さ)などというのは、どうでもいいことである。それよりも、たとえば沖合で船が転覆などした時に、「救助が来るまで、数時間に渡り、水面に浮かんでいられるか?」「海岸が数キロ先に見えている場合に、その数キロを、ゆっくりで良いから、自力で泳ぎきることができるか?」ということのほうが真に大切である。泳ぐ「速さ」などというのは、実用性という観点からは、どうでもいい問題であり、遠泳を行う場合は、体力温存を最重要視し ゆっくりと一定ペースで泳ぐことが大切である。あせって速くおよぐ人ほど 体力を無駄遣いし、早期に使い果たし溺れ死んでしまう。
  8. ^ a b c d e f England, TheSchoolRun
  9. ^ "Drowning Happens Quickly– Learn How to Reduce Your Risk". 疾病予防管理センター。 2014年8月18日閲覧。
  10. ^ Swimming Lessons Information from the Canadian Red Cross – Canadian Red Cross. カナダ赤十字。 2016年6月12日閲覧。
  11. ^ 参考資料① (17645kbyte) - 富山市
  12. ^ 平成 26 年度 七ヶ浜中学校プール改築工事基本設計及び実施設計業務委託 実施設計仕様書
  13. ^ 初の学校プール完成 | 大磯・二宮・中井 | タウンニュース
  14. ^ 体育・スポーツ施設現況調査の概要 文部科学省
  15. ^ 多摩区で水泳の授業に温水プール利用、天候に左右されず水道代削減も/川崎 神奈川新聞
  16. ^ 水泳
  17. ^ オリンピック委員会では、さまざまな競技を大分類する分類名として「swimming」や「水泳」を用いている。その下位分類として「競泳」「飛込」「アーティスティックスイミング」「水球」などを用意している[1]。(たとえば、オリンピックで「陸上競技」という大分類を用意しておいて、下位分類として「トラック」「フィールド」「ロード」「混成」と言う分類項目を用意しているのと同じ手法[2]。これらの競技は、競技大会の日程及び会場等がそれぞれ異なることや競技性の違いから一般的にはそれぞれ別の競技とされる。  なお、オリンピックでの分類手法は、あくまで大会運営をするための便宜的な手法である。世の中には多種多様なスポーツがあるが、大会を運営するとなると、それらを便宜的に分類せざるを得なくなり、便宜的に「陸上競技」や「水泳」という大分類項目も用意する。この分類手法は大会ごとに異なっている場合があり、オリンピックの分類法が最良とも限らないし、手本とも限らないし、標準というわけでもない。スポーツを学問的に分類する手法でもない。あくまで巨大な大会を運営するために編み出された便宜的な分類法、便宜的な整理整頓法である。

関連項目編集

外部リンク編集