登山計画書(とざんけいかくしょ)とは、登山の際に提出する書類のこと。「登山届」「登山者カード登山カード)」「入山届」ともいう。

概要

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登山計画書は警察へ提出し、家族にも通知する。基本的には提出は任意だが、自治体によっては登山条例によって特定の山岳に登山する場合に登山計画書の提出を義務づけ、または努力義務化している場合もある[1]。2017年3月、北アルプス西穂高岳で登山届を出さないまま入山し、滑落事故に遭った男性2人に対して、岐阜県は条例に基づく罰則(過料5万円)を初めて適用している[2]

登山計画書を提出することで、遭難や行方不明時の初動捜索が容易になり、救出が行いやすくなる。

山域によっては、登山後に「下山届」による下山報告を求められる場合もある。

2014年の御嶽山噴火では登山届を出さずに入山した人が多く、行方不明者数の把握を難しくしたとの指摘がある[3]

家族への通知

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登山計画書や下山届を提出しても、提出した個々人が無事に下山したかどうかを警察が把握する運用とはなっていない。下山予定日に下山しなかった遭難者の検知は、警察ではなく家族(あるいは職場)の通報により行われる。

従って、登山計画書は警察だけでなく家族にも渡しておくことが重要である。

たとえ、警察に登山計画書を提出したとしても、家族に行き先を告げずに登山に行くと、万一遭難した時に、「どの山に登ったのか家族も警察も誰も知らない」ということになり、捜索しようがなく、救出できない恐れがある。

警察への提出

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JR東日本 御嶽駅構内にある提出箱

登る山を管轄する警察署への提出を基本とする。あるいは道府県警察本部地域課あてでもよい。郵送・FAXのほか、最近はインターネットでの受付を行っている自治体もある[4]

その他、以下の場所でも提出を受け付けている。

  • 登山口に近い駐在所(常勤ではないから、深夜早朝は郵便受けに投函する)
  • 主要登山口にある提出箱(必ずあるとは限らない)
  • 山の麓の鉄道駅の提出箱(必ずあるとは限らない)

電子登山届

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下記のWebサービス・アプリにより提出することも可能である。これらには下山時に下山通知する機能がある。これらのサービスでは地図上で地点をクリックするとそれをつなぐように経路を作成し、想定される所要時間なども計算してくれる。

山と自然ネットワーク・コンパス
2022年12月現在、大半の都道府県の自治体・警察と連携している。非対応は、秋田県、岩手県、山形県、茨城県、千葉県、大阪府、奈良県、広島県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、沖縄県。[5]
YAMAP
2022年11月28日現在、岩手県、群馬県、神奈川県、長野県、静岡県、大阪府、奈良県、鳥取県、山口県、熊本県が対応している。[6]

ヤマケイオンライン[7]などPDFの形式で登山計画書を作成できるサービスもあり、それらをメールで送ることもできる。

登山計画書の書式

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基本的に自由様式である。警察などが作成した雛形がインターネットで公開[8][9]されているので、それを利用することもできる。

最低限、以下の項目は記入したほうがよい。

  • 登山者それぞれについて、氏名・性別・年齢・住所・携帯電話番号・緊急連絡先(家族)の電話番号
  • 登山ルート(登山口、目的の山、経由する山、下山口)
  • 登山日数、入山予定日時、下山予定日時
  • 非常時対策はどうするか
    • 非常時は、どの山小屋に泊まるのか、あるいは、どのルートで下山するのか。
    • ここでいう非常時とは、予定時間を大きくオーバーしたり、突然の荒天・負傷、想定以上の積雪などをいう。
    • 計画変更時の緊急下山ルート
  • 食糧の数量

脚注・出典

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関連項目

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外部リンク

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