短十二糎砲
短十二糎砲(短12cm砲/たんじゅうにせんちほう)は、第二次世界大戦中期に日本海軍が開発した高角砲である。短二十糎砲と同時開発された。
短十二糎砲 | |
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使用勢力 | 大日本帝国海軍 |
採用年 | 1943年 |
口径 | 120mm |
砲身長 | 1,510mm(12.6口径) |
砲腔(ライフリング)長 | 1,440mm[1] |
初速 | 290m/s(常装) 200m/s(弱装) |
最大射程 | 5,300m |
最大射高 | 3,100m |
発射速度 | 7-12発/分 10発/分(標準) |
俯仰角 | -15度から+75度 |
俯仰速度 | 13度/秒 |
旋回角 | 360度 |
旋回速度 | 12.5-13.5度/秒 |
動力 | 人力 |
重量 | 約1.8トン(内、砲身重量:218kg[1]) |
使用弾 | 通常弾(榴弾) 阻塞弾 焼夷弾 焼霰弾 演習弾 対潜弾 |
弾薬包全長 | 630mm(一号通常弾) |
弾丸重量 | 13.0kg(一号通常弾)[1] 11.8kg(一号通常弾、信管を除く)[2] |
炸薬重量 | 九一式爆薬:2.515kg(一号通常弾)[1] |
装薬重量 | 八九式火薬:0.5kg(常装) |
弾薬重量 | 17kg[3] |
信管 | 九一式時限信管改一 八八式信管二型 四式信管 対潜信管 |
概要
編集短十二糎砲は、商船(特設艦船)の自衛用に開発された簡易急造高角砲である。大仰角を取ることが可能で、対空攻撃も行うために高角砲に分類されているが、実質は対潜を主とし、対潜・対水上・対空兼用の迫撃砲に似た特性を有する榴弾砲である。外見の特徴として、駐退機が砲身の上方に1本ある。砲身の下方には短い円筒があるが復座機の可能性がある。閉鎖機は正面向かって右開きの螺旋式閉鎖機である。
TM型戦時標準船などに搭載された。
短十二糎砲は初速が低く、射程や射高も短く、砲弾装填時には砲身の仰角を約10度にせねばならなかったので発射速度も低い。そのため、主目的は潜水艦による通商破壊に対抗するための、対潜弾を使用した対潜攻撃であり、対空攻撃は副次的な目的と思われる。
開発と製造は呉海軍工廠にて行われ、短十二糎砲と短二十糎砲は合わせて、昭和18年に230門、昭和19年に230門、昭和20年に40門の計500門が製造された。
脚注
編集参考文献
編集- 館山海軍砲術学校研究部『陸戦兵器要目表』昭和17年、68頁。(アジア歴史資料センターのオンライン版:レファレンスコードA03032103400、39コマ目)
- 大砲と装甲の研究 短十二糎砲 http://sus3041.sakura.ne.jp/contents/shell_db/12cm_common.htm