神戸国際フロンティアメディカルセンター
神戸国際フロンティアメディカルセンター(こうべこくさいフロンティアメディカルセンター)は、兵庫県神戸市[1]中央区にある肝臓病及び消化器病に関する医療サービスを提供していた民間の医療施設である。生体肝移植手術を受けた患者の死亡が相次いだことで経営難となり、開設後約1年で休院[2]、2016年3月30日に破産手続開始決定を受けた。略称はKIFMEC(キフメック)。
神戸国際フロンティアメディカルセンター | |
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情報 | |
英語名称 | KIFMEC |
開設者 | 医療法人社団 神戸国際フロンティアメディカルセンター |
管理者 | 破産管財人 吉村弦 |
開設年月日 | 2014年11月17日 |
所在地 |
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町一丁目5番地1 |
位置 | 北緯34度39分36.63秒 東経135度12分59.57秒 / 北緯34.6601750度 東経135.2165472度 |
法人番号 | 5140005021064 |
特記事項 | 2016年3月30日破産手続開始決定 |
PJ 医療機関 |
概要
編集- 神戸市が主体となった産学官連携による医療関連産業の集積を目的とした神戸医療産業都市構想の一翼を担い、最先端医療の特区として医療関連企業、研究施設が進出するポートアイランド2期地区に立地するメディカルクラスター(高度専門病院群等)のひとつとして2014年11月に開業[3]。
- アジアのメディカルセンターを見据え[4]、腹腔鏡手術、内視鏡治療、肝・胆・膵臓手術(肝臓移植)を中心とした、肝臓病と消化器病の先端治療の病院として発足した[5]。代表には、生体肝移植に1980年代から取り組み、約2000例の術歴を持つ生体肝移植の第一人者である元京都大学医学部附属病院長の田中紘一が就いた[6]。
- 跡地として2017年4月に神戸大学医学部附属国際がん医療・研究センターを開院した[7][8]。
沿革
編集- 2014年11月17日 - 開院。
- 2015年4月 - 生体肝移植を受けた患者8人中4人が死亡した件が報道され、調査をした日本肝移植研究会が病院側の体制の不備を指摘し、3人に救えた可能性があったとする報告をした[9]。田中紘一院長は反論[10](9人中5人死亡の報道もあり[11])。
- 2015年5月 - インドネシアでも生体肝移植の患者3人が術後1か月程度で死亡していたことが判明[12]。これは経済産業省の事業の一環としての施術だった。現地での手術は2014年10月、2015年3月、異なった病院で行われたことが分かっているが、もう1件の手術場所や時期などは不明。
- 2015年6月1日 - 田中紘一が院長のみ退任(理事長には留任)し、副院長の木内哲也が院長に就任[13]。
- 2015年6月5日 - 6月3日から4日にかけ同病院で生体肝移植を受けた患者が死亡(死亡は5例目)。
- 2015年7月 - 生体肝移植で患者の死亡が相次いだ件で、「専門家の意見も割れる」との報道[6][14]。
- 2015年11月27日 - 外来診療を停止し入院患者については転院を進め事実上の休院状態にあることを公表した。今後は支援者を求め再建を図る[15]。
- 2016年3月15日 - 支援者が見つからず、債権者らに対して弁護士より自己破産申し立ての意向を記した文書を発送し事実上倒産[2]。
- 2016年3月30日 - 神戸地方裁判所に破産手続きを申請、破産開始決定を受けた。負債総額はおよそ42億8100万円[16]。
アクセス
編集- 神戸新交通ポートアイランド線の医療センター駅より徒歩5分
脚注
編集- ^ “手術の常勤医5人のみ 生体肝移植で4人死亡の神戸の病院”. 日本経済新聞 (2015年4月15日). 2023年9月27日閲覧。
- ^ a b “肝移植死相次いだ神戸の病院、破産申し立てへ”. 日本経済新聞 (2016年3月17日). 2023年9月27日閲覧。
- ^ メディカルクラスター ~高度な医療の提供を目指す病院等が集積~神戸市役所
- ^ “主要施設一覧”. 神戸医療産業都市. 2016年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月27日閲覧。
- ^ “神戸医療産業都市の病院紹介”. 神戸医療産業都市. 2016年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月27日閲覧。
- ^ a b 神戸の病院で術後患者相次ぎ死亡/生体肝移植巡り論争日本経済新聞 2015年7月8日
- ^ 毎日新聞(2016年8月12日)
- ^ 神戸大学ホームページ
- ^ 3人、救えた可能性 肝移植後に4人死亡の神戸国際フロンティアメディカルセンター朝日新聞 2015年4月24日(リンク切)
- ^ 神戸の院長、調査報告書に反論 肝移植4人死亡日本経済新聞 2015年4月26日
- ^ https://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/#3709 NHK
- ^ 読売オンライン (2015年5月9日). “生体肝移植、インドネシアの手術でも3人死亡”. 2015年5月10日閲覧。
- ^ 院長交代「神戸国際フロンティアメディカルセンター」生体肝移植問題で…新院長「チーム医療に徹する」産経West 2015年6月1日
- ^ 神戸肝移植死亡事故、つくられた冤罪?他病院で断られた難しい患者受け入れか におう利権上昌広、ビジネスジャーナル、2015.06.11
- ^ 移植死の病院、診療停止 患者減でスタッフ解雇神戸新聞 2015年11月28日
- ^ 医療法人社団神戸国際フロンティアメディカルセンター(消化器疾患の先端医療機関 兵庫県神戸市中央区)破産手続き開始決定受ける - 帝国データバンク(2016年4月5日)
関連項目
編集外部リンク
編集- 神戸国際フロンティアメディカルセンター(公式ウェブサイト、2015年10月30日時点のアーカイブ)