公案(こうあん)

  1. 中国で、古代から近世までの役所が発行した文書。調書裁判記録・判例など。唐代の通語に由来する。
  2. 禅宗において雲水修行するための課題として、老師(師匠)から与えられる問題である。この項目で記述する。

公案(こうあん)とは、禅宗で修行僧が参究する課題である。日本では昔から1千7百則とも言われ、法身、機関、言詮、難透などに大別されるが、その他に様々な課題がある。内容はいわゆる禅問答であって、にわかに要領を得ず、解答があるかすら不明なものである。有名な公案として「隻手の声」、「狗子仏性」、「祖師西来意」などがある。

 例: 両手を叩くと音がする。では片手の音とはなんだろう。(隻手の声)

禅道修行を志し、各地にある専門道場と呼ばれる養成寺院に入門した雲水は、公案を与えられ、これに取り組むことになる。数年間の修行中は僧堂で坐禅をしたり、寺の業務に従事しながら毎日、多い時には日に数度も、老師のもとに呼び出され、回答を求められる。思考の限りを尽くしてもそのたび老師に追い返され、なおも回答の提出を求められて懊悩する日々の生活は、きわめて厳しい。その過程を禅修行とする禅風を看話禅と呼び、臨済宗黄檗宗、韓国の曹渓宗看話禅に属する。近世には一定の数の公案を解かないと住職になれない等、法臘(年数)の他に僧侶としての修業度を表す基準ともなった。

主な公案集編集