筒井れんこん(つついれんこん)は、ハス科の根菜で、奈良県在来のレンコンの品種である。

大和伝統野菜「筒井れんこん」
直売所に並ぶ「筒井れんこん」

大和郡山市の筒井地区で古くから栽培されてきた伝統野菜の一つとして、奈良県により「大和野菜」に認定されている。

歴史編集

正倉院文書に、760年(天平宝字4年)の「漿料、栗子薯預梨子郁子蓮根干柿糯糒糯米胡麻胡麻油」をはじめ複数の「蓮根」の記録があり、奈良時代奈良の都でレンコンが食べられていたことが分かる。

大和郡山市にある筒井城跡の堀やその周辺地域は、湿地で稲作には適さないが、土質が柔らかく豊富な地下水があり、盛んに良質のレンコンが栽培されてきた。 宮崎県児湯郡新富町在来の「水神様のれんこん」は江戸時代秋月高鍋藩が民衆を飢餓から救済するため、大和から持ち込んだと伝えられ、宮崎公立大学の調査により、そのルーツが筒井れんこんであることが確認されている[1]。したがって、その栽培の歴史は少なくとも江戸時代に遡ることが確認できる。

筒井城跡を中心とする地区で栽培されてきた在来のレンコンが「筒井れんこん」と名付けられ、2011年(平成23年)12月20日に大和の伝統野菜として大和野菜に認定された[2]

特徴編集

  • 節が長い形態が特徴で、粘りが少なく、甘みと独特のシャリシャリ感がある。
  • 良質なレンコンのため地元では高い評価を得ている。
  • 収穫時期は8月初旬から翌年4月まで。

産地編集

 
筒井城跡のレンコン畑

大和郡山市筒井町を中心に栽培されている。

「筒井れんこん生産者の会・フレッシュつつい」の12戸が約1haで栽培し、収穫された筒井れんこんはJA筒井出張所の朝市や近隣の直売所で販売されている。 特に年末はおせち需要が高く、消費者がレンコン畑まで買い求めに来ることもある。

利用法編集

煮物、酢れんこん、すり流し、きんぴら天ぷらサラダなど。 長い節の部分には栄養が詰まっているため、すりおろして食べる人も多い。

その他編集

  • 圃場には7月下旬から8月上旬にかけて美しい白い花が咲く。

脚注編集

  1. ^ 永松敦 「民俗学から見た在来野菜の研究」(宮崎大学 産学・地域連携センター第21回技術・研究発表交流会) 2014年9月14日。
  2. ^ 奈良県農林部 「『筒井れんこん』が大和野菜に仲間入り」 奈良県公式ホームページ(インターネット・アーカイブ)、2015年10月2日。

関連項目編集

外部リンク編集