紀 有文(きの ありふみ、生没年不詳)とは江戸時代名古屋狂歌師、浮世絵師

来歴 編集

寺沢氏、名は安丸、後に有文といった。俗称は九左衛門。紀有文、白観堂、松寿園、葎庵、春甫と号した。名古屋伊勢町に住み、狂歌師であったが作画も能くしていた。師系は未詳であるが、寛政12年(1800年)から文政元年(1818年)にかけての間、牧墨僊が主となって描いた狂歌本などの絵本に多く挿絵を描いているため、あるいは墨僊の系統かと推測される。

作品 編集

  • 『七夕狂歌願能糸(たなばたきょうかねがいのいと)』 絵入狂歌本 蘆辺田鶴丸撰 寛政12年(1800年) 墨僊らと共画
  • 『狂歌弄花集』 絵入狂歌本 蘆辺田鶴丸撰 文化14年(1817年) 墨僊らと共画

参考文献 編集

  • 桑山好之 『金鱗九十九之塵』第23巻 天保-弘化ごろ 『名古屋叢書』収録
  • 井上和雄 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年
  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』第2巻 大修館書店、1982年 ※110頁