経営者(けいえいしゃ)は、企業を経営マネジメント)する役割を担う人のこと[1]。 狭義には最高経営責任者を指すが、広義には(実際には集団で意思決定したり、経営の仕事を分割して分担をしていることも多いので、経営集団のひとりとして)経営の役割を担当している人[1]

概説編集

日本の企業の場合

日本企業の場合、従来の(大手の株式会社の)経営統治機構は、株主総回の下に取締役会と監査役会をおく構成になっており、監査役会には監査役、取締役会には多段階の役位を置き、一般的にはそれらの人々を総称して経営者と呼んでいる[2]

役位の階層の設定のしかたは企業ごとに異なるが、取締役、常務、専務、(代表取締役)社長 などを置くのはかなり共通性がある[2]。一方、会長、副会長、副社長などの役位については設置しない企業もある[2]

なお日本の企業の数は、上場企業に限っただけでも2018年時点で3759社におよび[3]、非上場の中小企業なども含め法人全般となると264万社におよび(2015年の統計)[4]、それらの法人にそれぞれ経営者がいる。

各役位の役割

一般的に、取締役は特定部門の上端に位置し執行責任を持つ役位である[2]。一方、社長は全社経営の統括責任をもつ役位である[2]。それらに対して副社長、専務、常務などはそれら(社長と取締役)の中間的な役位としてとらえることができる[2]

種類編集

経営者には、所有経営者と、独立専門経営者がいる[1]。いわゆる「オーナー経営者」と「雇われ経営者」がいるのである。

  • 所有経営者とは、その企業を「所有」つまり、自身が主たる出資者で株式の過半数などを所有するなどして支配しており、なおかつ自身で経営(マネジメント)も行っている人である。
  • 独立専門経営者とは、「企業の所有と経営の分離」という現象・制度によって現れた存在であり、資本家(出資者や株主)が別におり(自身は基本的に出資をしておらず)、その資本家から委任される形で、自身が持っている経営管理の専門的知識や技術を活用して、企業を経営することを担当する人である。


上場企業などの経営者の役位構成編集

日本の上場企業などの経営者の役位別構成

東洋経済新報社の『役員ファイル』は、企業の役員の役位や学歴などの個人情報を集めたデータベースであるが、その1999年版の1部上場企業、二部上場企業、地方単独上場企業、非上場生損保の2573社分のデータによると(に限ったデータによると)、企業一社あたりの役員の数の平均は15.56(人/社) であり、そのうち常勤役員は12.78(人/社)であり(全役員の82,1%)、非常勤役員は2.78人であり(全役員の17.9%に相当)、およそ8割が常勤で2割が非常勤という構成になっている[2]

副会長は一社平均0.03人しか置いておらずとても珍しく、会長も0.38(人/社)なので2社に1社も置いていない。それ以外にも相談役取締役というのも例外的な存在である[2]

経営者の一般的な役位としては、取締役が41%、常務21%、専務9%、社長が8%、監査役13%という構成になっている。主要な役位の人数比は、取締役4に対して常務が2で専務や社長が1という比率になっている[2]。(つまり経営者の中では、特に別の役位名がついていない「取締役」の人数比が一番高い)

日本で上述のデータベースに掲載されるような企業の平均では、取締役と中間役位の人数がほぼ同数になるような構成になっている[2]

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企業の成長段階と経営者に求められる仕事や人間的性質の変化

一般に、経営や企業診断の教科書などでは、企業(事業)の成長には次のような段階がある、などと解説される。[要出典]

  • 幼年期の段階
  • 成長期の段階
  • 成熟期の段階
  • 衰退期の段階

[要出典]企業(事業)というのは、誕生してからどの段階にあるかによって、経営者が主に注力すべき仕事や、経営者に求められる人間像も変化してゆく。

つまり、事業というのは、誰かが新規事業を思いついて起業スタートアップ)する段階、(それがうまくいった場合に)次に成長させる段階(いわば青年期の段階)、(それがうまくいった場合には)成熟期の段階を迎えることができる。そして多くが、やがて衰退期を経験することになる(長年月にわたり継続する場合も、少ない割合ではあるが、ありはする。だが大多数は実際には衰退してゆく。)。それぞれの段階で、経営者がおこなうべき仕事、注力すべきこと、経営者に求められる人間的資質などが異なっている、と経営の教科書や企業診断士のための本などでは解説されている。[要出典]

起業(スタートアップ)段階の仕事をうまく行える経営者が、必ずしも企業が大きくなってから、適切な経営をできるわけではない、といったことがマネジメントの教科書などには解説されている。逆に、資本家(大株主)から委任されて大企業で経営者の役割を担うと高い能力を発揮できる人が、自分で新しいビジネスを思いついて小さな会社をオーナーとして立ち上げ起業家としてうまく事業を成長させられるわけでもない、とも解説されている。[要出典]

起業(スタートアップ)段階の経営に求められるのは、強い思い入れ(情熱)、型にとらわれない発想、無秩序であることも苦にしない性質、全てを自分自身で確認し実行しようとしたがる性質(嫌がられても自分がさまざまなことに頭をつっこみ、自分で確認し、おせっかいを焼く性質)、人並みはずれた行動力、などである。 だが事業が成熟し組織の構成員の人数が大きく増えた後で求められるのは、反対に、冷静さや緻密さ、すでにある組織の秩序の尊重、経営の仕事を細かく分割し他の経営者(経営陣、取締役たち)に委譲し分業体制で組織を運営してゆくこと、などである。小さな規模のビジネスならば一人きりで抱え込んで仕事を進めることができる場合もあるが、ビジネスの規模が大きくなると、たとえどんなに能力があろうが気力があろうが、たったひとりの人間で全てを行うことはできなくなる。[要出典]

そしてスタートアップの段階では、経営者は少人数の従業員との強い心理的な絆があればよく、多少非常識な人や多少品格に問題がある人でも従業員は赦してくれるが(たとえば家族・親族であるとか、幼馴染であるとか、同級生であるとかいった、特別な人間的つながりのおかげで、人間的欠陥があっても赦されてしまい問題も放置されてしまうが)、大組織の経営者ではそうはゆかず、大組織では、そうなるまでに求人を行い(家族・親族・幼馴染・同級生などでは一切ない、赤の他人を)雇用し、そういう従業員の割合のほうが圧倒的に増えてゆき、従業員ひとりひとりと経営者との個人的で特別なつながりは薄くなり、従業員を動機づけるのは主に雇用契約の内容や給与額や労働環境となるので、経営者には大組織で多人数の人々の上に立つのにふさわしい良識や品格も求められるようになってゆく。大組織の上部に良識を欠いたり品格に欠ける人間が経営者として居座っているだけで、従業員の多くが、そんな組織に身を置き、良識や品格の欠ける人間(経営者)とつながりを持ってしまっている自分自身に強い嫌悪を感じ、意欲を失い、しばしば仕事も嫌悪し、組織から離れていくという結果をうみがちである。だから大組織の経営者は、起業者、小組織の経営者のように単に仕事をバリバリとしさえすればそれでいいというものではなく、大組織にふさわしい人格や品格をも備えなければならなくなるわけである。 そして、しばしばそれが不可能なので、さんざん混乱を招いたあげく、別の経営者に経営をまかせなければならない事態に陥る。さもなくば、経営不振状態に陥ったり、あるいは運よく生き延びた場合でも、いわゆる「ブラック企業」のような企業になっていってしまうことが多いわけである。[要出典]

その他編集

以下のような主張をする者もいる

  • 最高経営責任者については同義語が代表取締役だ[要出典]
  • その他の経営責任者については同義語が取締役だ[要出典]
  • 労働法上の規定については、同義語は使用者だ[要出典]

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c ブリタニカ国際大百科事典、経営者
  2. ^ a b c d e f g h i j 今野浩一郎「日本企業における経営者の構成とキャリア」学習院大学経済研究所年報 第15巻(2001年12月)
  3. ^ [1]
  4. ^ https://shadan-houjin.jp/article/%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%AE%E6%B3%95%E4%BA%BA%E6%95%B0%E3%80%81%E5%89%8D%E5%B9%B4%E3%82%88%E3%82%8A2%E4%B8%875000%E7%A4%BE%E5%A2%97%E3%81%88%E3%81%A6264%E4%B8%87%E7%A4%BE%E3%81%AB%E3%80%9C%E9%BB%92/

関連項目編集

外部リンク編集