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聖母被昇天』(せいぼひしょうてん)は、イタリアの画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオによる絵画である。同名の作品が2点確認されている。

  1. ヴェネツィアサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂に収蔵されている作品[1]。本項では、この作品について扱う。
  2. ドゥブロヴニクドゥブロヴニク大聖堂英語版に収蔵されている作品[2]
『聖母被昇天』
イタリア語: Assunta
英語: The assumption
Tizian 041.jpg
作者 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
製作年 1516年 - 1518年
種類 油彩キャンバス
寸法 690 cm × 360 cm (270 in × 140 in)
所蔵 サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂ヴェネツィア
『聖母被昇天』
Tiziano e bottega, polittico dell'assunta della cattedrale di dubrovnik, 01.JPG
作者 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
所蔵 ドゥブロヴニク大聖堂英語版ドゥブロヴニク

聖母被昇天』(: Assunta, : The assumption)は、サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂のためにティツィアーノによって描かれた祭壇画である[3]

『ペーザロの祭壇画』

1516年に製作が開始され、1518年に完成し、同年5月19日に聖堂内に設置された[4]。ティツィアーノは、本作によって名声を確固たるものにし、ジョヴァンニ・ベッリーニが亡くなった後にセンサリーア (Senseria) と呼ばれる公式画家に就任する[3][5]

本作が成功したことをきっかけに、キプロス島の司教、ヤコポ・ペーザロによって注文されたのが『ペーザロの祭壇画』(1519年 - 1526年)であり、これは同聖堂の左側廊に置かれている。

作品編集

本作は、キリスト教の教義「聖母被昇天」を表現している[5][6]。画面の上部が半円状になっており、聖母マリアの頭部がちょうど円の中心にくるように描かれている[5]。画面の中央には、たくさんの天使たちに囲まれながら、黄金色に輝いている天空に向かって、赤色の衣を身につけ、青色のマントを羽織ったマリアが昇っていく様子が描かれている[5][7][8]

画面の上部には、威厳をもちながらも穏やかな佇まいを見せている父なる神が描かれている[7]。その左右には、神にマリアの霊を示す大天使ミカエルと、王冠をマリアの頭に被せようとしている小さい天使が描かれている[8]

画面の下部には、信じられないことが起きているために、驚いたり動揺したりしながらも、マリアの様子を見守っている使徒たちが描かれている[7]。画面の最下部、赤い服を身にまとい、両手を高く上げている人物の左足の付近に、ティツィアーノのサイン “TICIANVS” が入れられている[7]

脚注編集

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  1. ^ ジャン・アベール. “ルーペで見る《うさぎの聖母》”. ルーヴル美術館. 2019年3月31日閲覧。
  2. ^ デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2019年3月31日閲覧。
  3. ^ a b 渋沢和彦 (2017年2月5日). “ティツィアーノとヴェネツィア派展 太陽のように光り輝く至宝”. 産経新聞. https://www.sankei.com/life/news/170205/lif1702050033-n3.html 2019年3月31日閲覧。 
  4. ^ Assunta”. サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂. 2019年3月31日閲覧。
  5. ^ a b c d 『ヴェネツィア物語』 2012, p. 87.
  6. ^ 大辞林 第三版の解説”. コトバンク. 2019年3月31日閲覧。
  7. ^ a b c d The assumption”. サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂. 2019年3月31日閲覧。
  8. ^ a b 『名画の謎』 2012, p. 252.

参考文献編集

  • 塩野七生・宮下規久朗『ヴェネツィア物語』新潮社〈とんぼの本〉、2012年5月。ISBN 978-4-10-602231-9
  • 中野京子『中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇』文藝春秋、2012年12月。ISBN 978-4-16-375930-2