臭化水銀(II)
臭化水銀(II)(しゅうかすいぎん、Mercury(II) bromide)は、組成式が HgBr2 の臭素と水銀の化合物である。臭化第二水銀(しゅうかだいにすいぎん)とも表記される。塩化水銀(II)と同様に猛毒である。
臭化水銀(II) | |
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臭化水銀(II) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7789-47-1 |
RTECS番号 | OV7415000 |
特性 | |
化学式 | HgBr2 |
モル質量 | 360.41 g/mol |
外観 | 白色の固体 |
密度 | 6.03 g/cm3, 固体 |
融点 |
236 ℃ |
沸点 |
322 ℃ |
危険性 | |
EU分類 | 猛毒 (T+) 環境への危険性 (N) |
Rフレーズ | R26/27/28, R33, R50/53 |
Sフレーズ | S13, S28, S45, S60, S61[1] |
引火点 | 無し |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | フッ化水銀(II) 塩化水銀(II) ヨウ化水銀(II) |
その他の陽イオン | 臭化亜鉛 臭化カルシウム 臭化水銀(I) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
結晶は白色、もしくは黄色を帯びた白色で、融点は 236 ℃。水に難溶 (0.55 g/100mL, 20 ℃)、熱エタノールに可溶。CAS登録番号は [7789-47-1]。水銀と臭素を混ぜると生成する。光に弱く、遮光下で保存される。
反応
編集炭水化物に結合して配糖体を形成するケーニッヒ・クノール反応の試薬として使われる[2][3]。
また、ヒ素の検出にも使われ、薬局方によって推奨されている[4]。サンプル中のヒ素は水素で処理することにより速やかに気体のアルシンに変換され、アルシンは臭化水銀(II)と反応する[5]。
もしヒ素がサンプル中に存在すると、白色の臭化水銀は黄色、茶色または黒色に変化する[6]。
臭化水銀(II)は高温でインジウムと激しく反応し[7]、カリウムと接触させると刺激に敏感な爆発性混合物を形成する[8]。
脚注
編集- ^ “437859 Mercury(II) bromide 99.998%”. Sigma-Aldrich. 2008年5月29日閲覧。
- ^ Horton, Derek (2004), Advances in Carbohydrate Chemistry and Biochemistry, Amsterdam: Elseveir Academic Press, pp. 76, ISBN 0120072599 2008年5月29日閲覧。
- ^ Stick, Robert V. (2001), Carbohydrates: The Sweet Molecules of Life, San Diego: Academic Press, pp. 125, ISBN 0126709602 2008年5月29日閲覧。
- ^ Pederson, Ole (2006), Pharmaceutical Chemical Analysis, Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 107, ISBN 0849319781 2008年5月29日閲覧。
- ^ Odegaard, Nancy; Sadongei, Alyce (2005), Old Poisons, New Problems, Rowman Altamira, pp. 58, ISBN 0759105154 2008年5月29日閲覧。
- ^ Townsend, Timothy G.; Solo-Gabriele, Helena (2006), Environmental Impacts of Treated Wood, Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 339, ISBN 0849364957 2008年5月29日閲覧。
- ^ Bretherick, L.; Urben, P. G.; Pitt, Martin John (1999), Bretherick's Handbook of Reactive Chemical Hazards, Elseveir Academic Press, pp. 110, ISBN 075063605X 2008年5月29日閲覧。
- ^ Bretherick, L.; Urben, P. G.; Pitt, Martin John (1999), Bretherick's Handbook of Reactive Chemical Hazards, Elseveir Academic Press, pp. 1276, ISBN 075063605X 2008年5月29日閲覧。