花電車
花電車(はなでんしゃ)とは、装飾(デコレーション)を施して運行される電車のことである。
概要
編集造花(場合によっては生花)や電飾をふんだんに使った装飾がされているため、この名がある。おおよそのイメージとしては、祭りの山車を電車にしたものと考えれば良い。専用の電車を持つ事業者もあったが、工事用の無蓋電車などを祭りに際して飾りつけて使用する場合もあった。
昭和時代の路面電車が政令指定都市を中心に各地にあった頃(1960年代~1970年代に廃止された路線が多い)には、街の顔として多くの事業者が花電車(装飾を施すベースとなる専用車両)を保有しており、祭礼や大きな記念行事などに際して運行していた。現在、一部の事業者において、その都市での一大イベント、祭事などの際に運行することがある。
一般の乗客は乗れない専用車両や業務用車両を使い、営業外運転とするのが本式。イベントなどに際して営業用車両の内外に電飾や装飾を施した装飾電車(乗客が乗車できる場合もある)というものもある。普通の人には区別する実益がないため、混同されることがある。
路面電車が廃止された都市では、バスを改造した「花バス」や、「花自動車」が運行されることもある。前者の事例としては名古屋市交通局が2005年まで[2]運行していた。後者の事例としては、西日本鉄道が西鉄福岡市内線(廃線)において博多どんたくの際に運行していた花電車の代替としてトラックを改造した車両で運行している[3]。
東京都交通局は2011年10月1日、都営交通100周年記念事業として都電荒川線で1978年以来33年ぶりに花電車を運行開始した。当初は同年6月から8月にかけて運行する計画だったが、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による影響を配慮し、延期となっていた[4]。
主な車両
編集現在運行されている花電車
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広島電鉄 貨50形51
かつては毎年5月3日から5日に開催される「ひろしまフラワーフェスティバル」で運行されていた。現在は定期的な祭事では運行されないが、イベント時に運行されることがある。写真は2016年10月に広島東洋カープの優勝記念で運行されたときのもの。
過去の花電車
編集脚注
編集- ^ 都営線直通運転から50年 京急、記念の「花電車」再現『東京新聞』朝刊2018年5月20日(都心面)2018年5月26日閲覧。
- ^ “花バス - 市営交通資料センター”. 名古屋市交通局. 2009年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月28日閲覧。
- ^ “博多どんたく前夜祭 花自動車がムード盛り上げ 期間中の人出見込み200万人”. 毎日新聞 (2019年5月2日). 2019年5月2日閲覧。
- ^ “都電荒川線の花電車の運行について”. 東京都交通局 (2011年9月12日). 2011年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月12日閲覧。
外部リンク
編集- 花電車 : 東京復興完成式典祭1930年の花電車