薬剤性過敏症症候群(やくざいせいかびんしょうしょうこうぐん、: Drug induced hypersensitivity syndrome.)(DIHS)とは、高熱と臓器障害をともなう薬疹を発症し、スティーブンス・ジョンソン症候群中毒性表皮壊死症とならぶ重篤な薬疹の一つである[1]

概要 編集

原因薬剤の投与から2〜3週間後に発症し、通常の薬疹とは異なり原因薬剤をの投与を中止したあとでも症状が進行する[2]。臨床症状は再燃を起こす二峰性であり、それにはHHV-6が関与していることが報告されており[3]、薬剤とウイルス感染の複合した病態だと考えられている[2]

原因薬剤 編集

他の薬疹とことなり、原因薬剤はある程度限定されており、抗てんかん薬(カルバマゼピンフェニトイン)、アロプリノールメキシレチンなど[4]のほか、ニキビの治療で使用されるミノサイクリンで起こることがある[5][3]

薬疹 編集

皮疹は紅斑丘疹型、多形紅斑型で顔面の浮腫が特徴的である[2][4]

脚注 編集

  1. ^ プラクティカル医学略語辞典 改訂5版 南山堂 ISBN 978-4525013257
  2. ^ a b c 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
  3. ^ a b 藤山幹子、橋本公二、薬剤性過敏症症候群とHHV-6の再活性化について ウイルス 2009年 59巻 1号 p.23-30, doi:10.2222/jsv.59.23
  4. ^ a b 医療情報科学研究所『医師国家試験のためのレビューブック・マイナー 第5版』メディック・メディア、2012年。ISBN 978-4896324532 
  5. ^ 林伸和、赤松浩彦、岩月啓氏 ほか、 (2016). “尋常性痤瘡治療ガイドライン2016”. 『日本皮膚科学会雑誌』 (日本皮膚科学会) 126 (6): 1045-86. https://doi.org/10.14924/dermatol.126.1045 2016年5月28日閲覧。. 

関連項目 編集