誤治(ごち)は、伝統中国医学(東洋医学)において、過失などによって不適切な治療を施したために、症状を悪化させ、あるいは新たな病気を生じ、場合によっては患者を死に至らしめる行為のことである。西洋医学における医療ミス, 医療過誤に相当する。

ここには、鍼灸、あん摩マッサージ指圧、漢方薬について説明する。

鍼灸編集

鍼灸治療でよく見られるのは、折鍼と気胸である。

折鍼編集

折鍼とは、施術中に針が折れ、体内に残留してしまう現象である。生命に関わることはまずないが、筋肉や神経を損傷して運動障害を起こしたり、内臓に到達し、外科手術による除去が必要になることがある。

気胸編集

鍼が肺を傷つけたために、呼吸困難などの不快症状を起こすものである。患者が死亡した例もいくつかある。

あん摩マッサージ指圧編集

過激な治療により、骨折などを起こす例がある。なお、「医療」とはいえないが、観光地の按摩で、泥酔したお客に施術して、胃出血や脳梗塞などを発生させることもある。

漢方薬編集

漢方薬では、かつては附子(トリカブトの球根)に中毒することがあった。しかし現在では、小柴胡湯による犠牲者が多い。本来の漢方は、脈診が最も重要な診断法で、これによって陰陽虚実を確かめ、を建てなければならないが、漢方理論に不慣れな医師が、安直に漢方薬を処方することによる弊害も多い。

補償について編集

鍼灸の場合、日本鍼灸師会の会員は、すべて鍼灸賠償保険に加入しており、万一の場合は、一億円までの補償が受けられる。全日本鍼灸マッサージ師会も、賠償保険に加入する治療家が増えてきた。しかし、未加盟の鍼灸師や、「医療」でない整体カイロプラクティックなどでは、補償が受けられないことが多い。