谷村陣屋(やむらじんや)は、山梨県都留市中央にある陣屋史跡。現在の甲府地方裁判所都留支部には「谷村陣屋跡」の石碑が立っている。

谷村陣屋跡石碑

歴史 編集

戦国時代に都留郡では有力国衆・小山田氏谷村館(谷村城)を置き、谷村の地は郡内における政治・経済的中心地となり城下町が形成されていた。小山田氏の滅亡後、都留郡は徳川氏・豊臣系大名が支配し、谷村城は引き続き支配拠点とされた。近世には谷村藩が設置され、同様に谷村城が政治的拠点となった。

宝永元年(1704年)12月に谷村藩主・秋元喬知武蔵国川越藩転封されると、谷村藩は廃藩となり、都留郡幕府直轄領となった。これにより、谷村には代官所が設置された。享保9年(1724年)には甲斐・国中地方においても甲府藩主・柳沢氏が転封となり、これにより甲斐国は幕領となり、国中には甲府勤番と甲府・石和・市川の代官所が設置された。

谷村代官所は石和代官所の出張陣屋となり、郡内の支配を司った[1]

谷村代官所は明治維新により廃止され、1872年(明治5年)には谷村裁判所となった[2]。現在同敷地には甲府地方裁判所都留支部が建つ。

脚注 編集

  1. ^ 谷村陣屋または谷村城の歴史、改築および当時行われた調査については以下の資料を参照。
    吉岡弘樹、浅川一郎「山梨県埋蔵文化財センター調査報告書:山梨県内分布調査報告書(平成26年)」山梨県埋蔵文化財センター. 山梨県教育委員会.
    遺跡トピックスNo.0400谷村城歴史と変遷」山梨県ホームページ.
    遺跡トピックスNo.413谷村城発掘調査速報」同.
    西沢淳男「甲斐国幕領の成立と陣屋の形成 : 甲府・谷村陣屋を中心として」地域政策研究 16(1), 87-104, 2013-08. 高崎経済大学.
    谷村陣屋(やむらじんや)」都留市立図書館.
  2. ^ 都留市文化財審議会編集『都留市の歴史散歩』都留市教育委員会.1991年