都筑有夢路

日本の女性サーファー

都筑 有夢路(つづき あむろ、2001年4月5日 - )は、日本の女子サーファー神奈川県藤沢市出身。2020年東京オリンピックサーフィン女子で銅メダルを獲得した。

都筑有夢路
Amuro Tsuzuki
人物
生誕 (2001-04-05) 2001年4月5日(24歳)
日本の旗 日本 埼玉県所沢市
身長 5 ft 3 in (1.60 m)
体重 121 lb (55 kg)
経歴
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主な業績 2019 World Junior championship
詳細
スタンス Natural (regular) foot
獲得メダル
女子 サーフィン
オリンピック
2020年 東京 女子

来歴・人物

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2001年4月5日埼玉県所沢市に生まれる。4歳の時に神奈川県藤沢市の鵠沼海岸の近くに引っ越す[1]

2008年4月、藤沢市立鵠南小学校入学[1]。幼少時より体を動かすのが好きで小・中学校在学中は毎年、運動会ではリレーの選手だった。休み時間には鉄棒で遊んだ。「全てのスポーツの基礎になるから」という理由で10歳までクラシックバレエを習う。両親に「やめたい」と告げたところ「ほかに頑張れることを見つけるならいいんじゃない?」とあっさり許可が下りた[2]。そこで選んだのがサーフィンだった。サーフィンをしていた父や、先にプロデビューしていた兄の百斗ももと[3]の影響もある。11歳だった小学5年生の時サーフィンを始める[4]

藤沢市立湘洋中学校を経て2017年4月、鹿島学園高等学校湘南キャンパス入学[1]。在学中に現トレーナーの鈴木一弘と出会う。初め鈴木は多忙を理由に指導を断るが「毎日40分歩幅を広げてウォーキングするといいい」と助言を残す。1か月後に再開した時、都筑が実際に1カ月間歩いたと鈴木は一目で見抜いた。運動解析の専門家である鈴木には、体のバランスを見て判断することが可能だったのだ。その後、正式にトレーナーを引き受ける[2]

2015年に全日本級別サーフィン選手権大会で3位に入賞し、翌2016年に日本プロサーフィン連盟からプロ公認を得る。2019年、日本サーフィン連盟の強化指定選手となる。2021年からはチャンピオンシップツアーに参戦している(日本人女子として初[5][3]

2021年の東京オリンピックサーフィン女子では準決勝でアメリカのカリッサ・ムーア英語版に破れるも[4]、3位決定戦でキャロライン・マークス英語版を破って銅メダルを獲得した[3]。なお、本人によるとカリッサと対戦することが小さい頃からの夢だった(野口美恵の取材による)ので一番の経験となった試合である[5]。9月7日、藤沢市市民栄誉賞を授与される[6]

2022年3月1日、木下グループと所属契約[7]。2023年の報道によると千葉県に練習の拠点を移している[2]

2024年2月から3月にかけ、2024年パリ五輪世界最終予選を兼ねるサーフィンワールドゲームズがプエルトリコのアレシボで行われる。3月1日の敗者復活戦で都筑は敗退、2大会連続の五輪出場を逃した[8]

人物・エピソード

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  • 家族は両親と兄と弟。名前の「有夢路」は、母親が男の子のような名前が良いと思い、先に音の響きで決めて後から漢字を当てたことに由来する。安室奈美恵アムロ・レイは無関係[4]
  • 中学校在学中より試合に出る。初めのころは負けても「いい波が来なかった」と運のせいにしたこともあった(これほど運に左右されるスポーツも珍しいとは本人も認めている)。しかし「波のせいにしていたら、いつまでもうまくならない」と母に怒られたことが成長のきっかけとなる[9]
  • 目標とする人物は竈門炭治郎。AERAのインタビューによると「人にやさしく自分に厳しく。それが人間の最上級。サーフィンを通してそんな人間になりたい」[5]

実績

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  • 2015年
    • 第33回全日本級別サーフィン選手権大会 3位
  • 2019年
    • WSL QS1000 一宮千葉オープン 優勝[10]
    • WSL QS3000 White Buffalo HYUGA PRO 3位
    • WSL QS10000 ABANCA Galicia Classic Surf Pro 優勝※日本人女子として初
    • WSL World Junior Championship 優勝※日本人として初
    • WSL Asian region champion
  • 2020年
    • WSL Championship Tour Qualify ※WSLに変更以降は日本人女子として初
  • 2021年
    • ISA World Games 東京五輪日本代表に内定
    • 東京オリンピックサーフィン女子 3位
    • WSL Championship Tour 第5戦 Rottenest Island 5位

(主に出典:[1]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d 神奈川県 2021.
  2. ^ a b c 湘南よみうり 2023, p. 1.
  3. ^ a b c 日刊スポーツ 2021.
  4. ^ a b c スポーツ報知 2021.
  5. ^ a b c 野口 2024, p. 41.
  6. ^ 「都筑有夢路選手へ藤沢市市民栄誉賞が贈呈されました」『みなぱーく』第91号、藤沢商工会議所、2021年、9頁。 
  7. ^ 木下グループが都筑有夢路と契約 東京五輪サーフィン女子で銅”. sanspo.com (2022年3月1日). 2025年2月14日閲覧。
  8. ^ 東京五輪銅メダリストの都筑有夢路はパリ切符逃す 男子3人、女子1人で確定”. sponichi.co.jp (2024年3月2日). 2025年2月14日閲覧。
  9. ^ 野口 2024, p. 40-41.
  10. ^ 千葉県環境生活部オリンピック・パラリンピック推進局開催準備課 編『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会千葉県開催記録誌』千葉県、2022年3月、42頁。 

参考文献

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  • 野口美恵「東京五輪銅・都筑有夢路「3年前より心が成長した」」『AERA』第37巻第2号、2024年1月15日、40-41頁、ISSN 0914-8833 
  • 【知ってる?】サーフィン界のアムロちゃん都筑有夢路 名前の由来は?”. hochi.news (2021年7月27日). 2025年2月14日閲覧。
  • サーフィン 都筑 有夢路 (初出場)”. pref.kanagawa.jp. 神奈川県 (2021年6月16日). 2021年7月23日閲覧。
  • サーフィン都筑有夢路、銅メダル 準々決勝で番狂わせ演じ3位決定戦制す”. nikkansports.com (2021年7月27日). 2025年2月14日閲覧。
  • 「プロサーファー 都筑 有夢路さん」『湘南よみうり』第529号、湘南読売会、2023年、1頁。 

外部リンク

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