長波(ちょうは、LF(Low Frequency)またはLW(Longwave, Long Wave))とは、30 - 300kHz周波数電波をいう[1][2]波長は1 - 10km、キロメートル波[3]とも呼ばれる。

概要 編集

伝搬の特徴としては特に高緯度地域で地表波が安定して利用でき、また大電力の送信機が比較的簡単に製作できる。

潜水艦通信・ラジオ放送誘導無線標準電波LORAN-C無線航行・アマチュア無線などに用いられる。

長波放送 編集

国際電気通信連合(ITU)は、無線通信規則(RR)により第1地域(アフリカヨーロッパ)に放送用として148.5 - 283.5kHz(155 - 283.5kHzは航空無線航行と共用)を分配[4]している。地域内の欧州トルコアフリカロシアモンゴル振幅変調AM:Amplitude Modulation)により実施している。日本では秋 - 春の夜間を中心にロシア沿海州、モンゴル、深夜にはタジキスタンなど遠距離の放送も受信可能である。

近年では長波放送を廃止する局が多く、2022年現在で日本周辺で受信できる長波放送局はモンゴル国営放送のみとなっている。

アマチュア無線 編集

アマチュア業務にRRにより他の業務と共用するものを含めて分配された周波数を下表に示す。各国でアマチュア無線にこの表の周波数がすべて割り当てられているという意味ではない。

バンド 第1地域 第2地域 第3地域
2200m 135.7kHz - 137.8kHz

電信データ通信(ただし占有帯域幅200Hz以下)専用の周波数である。日本での割当てはアマチュア無線の周波数帯を参照。

長波を使用する施設 編集

日本での例を示す。

脚注 編集

  1. ^ 国際電気通信連合(ITU) (2015年8月). “Nomenclature of the frequency and wavelengh bands used in telecommunications”. 2016年7月3日閲覧。
  2. ^ 平成25年情報通信白書>第2部 情報通信の現況・政策の動向>第7節 電波利用”. 2016年7月3日閲覧。
  3. ^ 電波法施行規則 第四条の三(周波数の表示)
  4. ^ 総務省告示周波数割当計画 第2周波数割当表 第1表9kHz―27500kHz